インテルの最新モバイルプロセッサー「Core Ultra 5 225H」が、SamsungやMSIの新型ノートPCに搭載され、性能ベンチマーク「Geekbench」に登場した。
14コア・14スレッドのハイブリッドアーキテクチャを採用し、4つのパフォーマンスコア、8つの効率コア、そして2つの大型効率コアを備えているこのプロセッサーは、1.70 GHzから4.9 GHzまでの動作周波数を実現し、シングルコアスコアは2547〜2592、マルチコアスコアは12448〜12550を記録。
統合グラフィックス「Intel Arc 130T GPU」はOpenCLスコアで33508に到達し、総合的なパフォーマンスでインテルi5-14500HXを上回った。
インテルCore Ultra 5 225Hの技術的特徴とその性能の強み
Core Ultra 5 225Hは、インテルの最新世代ハイブリッドアーキテクチャを採用したモバイルプロセッサーであり、14コア・14スレッドの構成が大きな特徴である。
この設計には、4つのパフォーマンスコアと8つの効率コア、さらに2つの大型効率コアが含まれており、これにより従来のプロセッサーと比べて効率的なタスク分散が可能となっている。動作周波数は1.70 GHzから最大4.9 GHzに達し、日常的な利用から高負荷の処理まで幅広いシーンで性能を発揮できる。
また、Core Ultra 5 225Hには「Intel Arc 130T GPU」が統合されており、このGPUはOpenCLスコアで33508を達成している。これは、ノートPC向けに求められるグラフィックス性能を十分に確保しており、一般的なグラフィックス作業や軽度のクリエイティブ作業に対応する力を示している。
この設計により、Core Ultra 5 225Hは単なるCPUではなく、GPU性能を内包することでシステム全体の省エネ効率とスペース効率も向上しており、特に薄型ノートPCや省電力を求めるデバイスへの適合性が高いといえる。
競合モデルとの性能比較と省電力性の優位性
Core Ultra 5 225Hは、他の競合モデルと比較しても際立つ性能を発揮している。たとえば、Geekbenchテストではシングルコアスコアが2547〜2592、マルチコアスコアが12448〜12550を記録し、インテルの上位モデルであるi5-14500HXのマルチコアスコア12592に迫る結果となった。
しかし、i5-14500HXが消費電力55W〜157Wであるのに対し、Core Ultra 5 225Hはより低消費電力で運用できるため、ノートPCやタブレットデバイスにとっても魅力的な選択肢である。
一方、同社の上位モデルCore Ultra 9 185Hや、AMDのR7 7840HSなどとも比較されているが、これらのモデルと比べても十分な競争力を示している。特に消費電力を抑えつつも、効率的にパフォーマンスを発揮できる点は、今後のモバイルデバイスにおける長時間利用や持続性を重視する場面において、大きな強みとなるだろう。
Guru3Dによるテスト結果を踏まえれば、Core Ultra 5 225Hはモバイルプロセッサーとしての高い可能性を秘めているといえそうだ。
インテルの進化と今後の展望-次世代モバイルCPU市場への影響
インテルがCore Ultra 5 225Hに採用したハイブリッドアーキテクチャは、同社のプロセッサー技術における一つの進化と位置づけられる。特に、複数の効率コアを配置した設計により、軽量でありながらも高いパフォーマンスを提供できることは、モバイル向けデバイスに対して重要な利点となっている。
この技術の進化は、インテルがノートPC市場だけでなく、さらに幅広いポータブルデバイスに適応する可能性を見せつけるものと考えられる。
また、グラフィックス面での向上も無視できない要素である。統合されたIntel Arc 130T GPUがOpenCLスコア33508を記録したことは、ユーザーにとってもグラフィックス性能の向上を実感できる場面が増えることを意味しており、次世代モバイルデバイスでのゲームやデザイン用途の活用が期待される。
インテルがこのシリーズを通じて強化を図ることで、モバイルプロセッサー市場におけるAMDや他の競合との競争はさらに激化し、最終的にユーザーの選択肢が拡大する可能性が高まっている。