Microsoftは、Windows 11のメモ帳(Notepad)にChatGPTを活用した「Rewrite」機能を追加するアップデートを全世界で展開した。この機能は文章の言い換えやトーンの調整、長さの変更などを行うもので、米国限定のテストから一般ユーザー向けへと拡大された。

新バージョン 11.2412.16.0 はWindows Insider Program外のユーザーにも提供されており、Microsoft 365 PersonalやFamilyのサブスク加入者はこの機能を利用可能。ただし、無料ユーザーには「クレジット」制限があり、使用回数に上限が設定されている。

「Rewrite」機能では、フォーマルやカジュアルなどのトーン変更、段落やリスト形式などのスタイル変更が可能で、ボタン操作で3種類のリライト候補が提示される。WordのCopilotほどの高度な機能は備えていないが、シンプルな文章編集の補助ツールとして活用できる。AI機能は設定で無効化することも可能だ。

ChatGPT搭載の「Rewrite」機能とは 文章編集をどこまでアシストするのか

MicrosoftがWindows 11のメモ帳(Notepad)に追加した「Rewrite」機能は、ChatGPTを活用して文章の言い換えやトーンの調整、長さの変更を行う新しいツールだ。ユーザーが選択した文章を基に、3つの異なるリライト候補を提示し、最適なものを選択できる仕組みとなっている。

フォーマルやカジュアル、インスピレーション、ユーモアなどのトーン変更も可能で、書き手の意図に沿ったスタイルに調整できる点が特徴だ。また、段落やリスト形式、ビジネス文書やマーケティング資料向けなど、文章のフォーマット変更にも対応している。

ただし、WordのCopilotのような高度な文書整理機能や構造変換機能は搭載されておらず、基本的には文章の言い換えに特化したシンプルなものとなっている。「Rewrite」機能の提供は段階的に進められ、以前はWindows Insider ProgramのCanaryおよびDevチャンネルのユーザー限定だった。

しかし、Microsoftは最新バージョン 11.2412.16.0 をWindows Insider Programに参加していないユーザーにも提供し始めた。現在はMicrosoft 365 PersonalおよびFamilyのサブスク加入者が利用可能となっており、完全無料での使用は制限がある。

無料ユーザーと有料ユーザーの違い Microsoft 365のサブスクが必要な理由

「Rewrite」機能は全ユーザーが無制限に利用できるわけではない。Microsoft 365のサブスクリプションがない場合、使用できる回数に制限がある。米国、英国、カナダの一部のユーザーは無料で利用できるものの、「クレジット」制限が設けられており、一定の回数を超えると翌月まで待つか、Copilot Proを契約しなければならない。

Microsoft 365 PersonalおよびFamilyのサブスク加入者は、追加のクレジットを得ることができ、より多くのリライトを行える。さらに、最大限に活用するにはMicrosoft 365サブスクリプションとCopilot Proの両方を契約する必要がある。これは、AIを利用する際のリソースコストが関係しており、無料での無制限提供は難しいためと考えられる。

このクレジット制度は、今後も変更される可能性があるが、現状では無料ユーザーにとっては試用レベルの機能提供に留まっている。一方で、有料サブスクに加入しているユーザーにとっては、より快適に文章編集を行えるツールとして活用できるだろう。

メモ帳にAIリライト機能は必要か シンプルなツールに求められるバランス

メモ帳は従来、シンプルで軽量なテキスト編集ツールとしての役割を果たしてきた。しかし、今回のアップデートでAIによるリライト機能が追加されたことで、その用途が変わりつつある。

Microsoftは、WordのCopilotとは異なり、メモ帳にはシンプルなリライト機能のみを搭載している。これにより、短いメモの編集や、簡単な文章の言い換えには便利な機能となる。一方で、メモ帳の本来の軽快さを求めるユーザーにとっては、余計な機能と感じる可能性もある。

幸いにも、この機能はオフにすることができ、設定で「Rewrite」オプションを無効にすれば、従来のシンプルなメモ帳として使い続けることが可能だ。AI機能の統合は今後も進むと予想されるが、軽量なツールにどこまでAIを組み込むべきか、そのバランスが問われる場面となりそうだ。

Source:Windows Latest