インテルの最新CPUであるCore Ultra 9 285H「Arrow Lake」が、Dell Pro Max 16ラップトップ上でテストされ、前世代のMeteor Lake搭載CPUに比べて大幅な性能向上を記録した。今回のテストは、Geekbenchにおけるベンチマークスコアをもとに行われ、シングルコアでは約19%、マルチコアでは最大28%の向上が確認されている。
このテスト結果により、次世代ラップトップが従来モデルを超える高性能を持つことが期待されている。新CPUであるCore Ultra 9 285Hは、16コア(パフォーマンスコア6基、効率コア10基)と24MBのキャッシュを搭載し、基本クロック3.70 GHz、最大ブーストクロック5.4 GHzで動作する。
テスト環境では、64GBのDDR5メモリを搭載したDell Pro Max 16において、従来モデルのMeteor Lake 185Hに比べスレッド数が少ないものの、高クロックによって安定した性能を発揮している。
Arrow Lakeのコア構成と高クロック性能がもたらす進化
インテルの新世代CPU「Core Ultra 9 285H Arrow Lake」は、従来のMeteor Lakeシリーズに比べ、パフォーマンスの向上が顕著である。特にその進化の鍵となるのが、パフォーマンスコア(P-Core)6基と効率コア(E-Core)10基を組み合わせた計16コア構成と、最大5.4 GHzという高クロックである。
この構成は、シングルスレッドとマルチスレッドの双方で性能を高めるために最適化されており、特に処理が集中するタスクや重いワークロードにおいて優れたパフォーマンスを発揮することが確認されている。実際のベンチマーク結果では、Meteor Lake搭載のCore Ultra 9 185Hと比較し、シングルコア性能で約19%、マルチコア性能では最大28%もの差がついた。
また、この高クロック性能はデータ処理のスピードを格段に向上させるとともに、ゲーミングやグラフィック処理においてもメリットを提供する可能性がある。Arrow Lakeは、同時に消費電力と発熱のバランスも考慮して設計されており、これにより薄型ラップトップでの採用も現実的なものとなっている。
インテルがどのように効率とパフォーマンスを両立させたのか、その技術背景についても注目が集まるだろう。
Dell Pro Max 16のテスト環境が示す次世代ラップトップの可能性
今回のテストで使用されたのは、DellのPro Max 16 (MC16250) ラップトップである。高性能な64GB DDR5-6400メモリを搭載し、インテルの新しいXe-LPG+ iGPUに加え、NVIDIAのRTX 40シリーズの外部GPUも使用されている。
この構成は、ゲーム用途やクリエイティブな作業においても抜群の性能を発揮できるもので、さらに将来のアップグレードに対応した柔軟な仕様となっている。インテルのCore Ultra 9 285Hのパフォーマンスは、Geekbenchでのテスト結果からも見て取れるように、単なる数字上の向上だけでなく、実用性と多様性を兼ね備えたものであることが伺える。
これにより、次世代ラップトップがさらに軽量化されつつも、デスクトップ並みの処理能力を持つことが期待される。また、将来的にはNVIDIAのRTX 50シリーズもサポートされる見込みで、グラフィックス性能の向上も図られる。
Dell Pro Max 16のような高性能ラップトップが、いかにしてハードウェアの進化を支えているかを示す事例となっている。
AMD Ryzen AI 9 HX 370との競争が示す今後のCPU市場の行方
インテルのArrow Lakeシリーズが示す性能向上は、競合であるAMD RyzenのAI 9 HX 370と比較しても興味深い結果を生んでいる。シングルコア性能では若干劣るものの、マルチスレッド性能においては優位性を保っている。
この性能差は、今後のアップデートや最適化によってさらに縮まるか、逆転する可能性もあるため、市場競争は今後も激化していくだろう。Wccftechは、現在のベンチマーク結果がGeekbenchに基づくものであることを指摘しつつも、さらなるテストや異なるアプリケーションでの評価が期待されるとしている。
AMDとインテルの間で繰り広げられる技術競争は、消費者にとっても恩恵が大きい。Ryzen AI 9 HX 370のAI関連機能といった特徴も含め、両社の競争が今後どのような製品を市場にもたらすかは大きな注目点である。
性能向上が続く中で、インテルの次世代Arrow Lakeシリーズがどのような立ち位置を確立するのか、ユーザーの選択肢が広がるCPU市場におけるインパクトが期待される。