最新のSteamハードウェア調査で、NvidiaのRTX 40シリーズGPUが過去1年間でシェアを大幅に伸ばし、現在17%を占めることが判明した。しかし、市場全体で見ると依然としてRTX 30シリーズが強い影響力を持っており、その中でも特にRTX 3060が人気を集めている。
一方、旧世代のGTX 10シリーズはシェアを縮小しており、最新のグラフィックス技術への移行が進行していることが示唆される。AMDもRDNA 3チップで健闘しているが、全体的なシェアではNvidiaに大きく遅れをとっており、IntelのArc GPUがAMDを上回る結果となっている。
RTX 40シリーズのシェア増加も前世代のRTX 30シリーズが依然強力
Steamの最新ハードウェア調査によれば、NvidiaのRTX 40シリーズは過去1年間で着実に普及し、全調査対象マシンの17%に搭載されるまでシェアを拡大した。これは前年に比べて80%の伸びを示しており、最新のAda Lovelaceアーキテクチャが市場において認知されつつあることを示している。
だが、その一方でRTX 30シリーズは依然として圧倒的な存在感を放ち、全体の30%を占める強力な支持を得ている。特に、Ampere世代のRTX 3060が非常に高い人気を誇り、7%のシェアを保持している。この人気は、30シリーズが多くのユーザーにとって依然としてパフォーマンスとコストのバランスが取れた選択肢であることを示唆するものであり、新モデルの価格設定が広範なアップグレードを阻んでいる可能性がある。
PC Gamerによると、RTX 40シリーズの性能向上が顕著なものであれば、さらなる普及が見込まれるが、現時点では次世代への移行が進んでいるとは言い難い。
AMDとIntelが苦戦するGPU市場シェア争い
Steamの調査において、AMDのRDNA 3アーキテクチャが約400%という驚異的な成長を見せた一方で、同社のシェアはわずか1%にとどまっている。この結果は、Nvidiaに対する依存が依然として根強いことを浮き彫りにしている。
さらにIntelのArc GPUが3%のシェアを獲得しており、AMDの存在感をわずかに上回る結果となっている。この現象は、Intelの参入が市場に少なからず影響を与えていることを示唆しており、ユーザーが多様な選択肢を模索し始めているとも考えられる。
Radeon RX 6600がRDNA 2シリーズの中で最も人気を集めているが、依然としてNvidiaと比較してシェアは低く、GPU市場におけるシェア争いでは劣勢が続いている。AMDのGPUが今後市場でどれだけの影響力を持つかは未知数だが、PCハードウェア市場での競争がさらなる技術革新や価格競争を引き起こすことが期待される。
Steam調査結果に潜む偏りとその影響
Steamのハードウェア調査結果は、PCゲーマーの最新のトレンドを把握する貴重な指標となるが、Valveは調査対象となるPCの数やサンプリング方法を公表していないため、その精度には疑問が残る。PC Gamerもこの点を指摘しており、ランダムなサンプルが選ばれていると考えられているものの、実際の調査手法や母集団の代表性については不透明なままである。
この不確かなサンプリング方法が市場全体を反映していない可能性があるため、こうしたデータが実際のGPU市場シェアを完全に示しているとは言い難い。しかし、月ごとの変化や増減の傾向からは、特定の製品への人気の推移を把握する手がかりが得られる。
RTX 40シリーズの今後の伸びや、旧世代GPUの淘汰が進むのかについても、Steam調査結果をもとにしつつ慎重に観察していくことが重要だろう。