Appleは、2025年にiPhone SE 4を投入する計画を進めているとされるが、Plusモデルの登場については疑問が残る。これまでに流れた噂やリーク情報は、現時点で信憑性に欠けるものが多く、Appleの従来の戦略から見てもPlusモデルの発売は非現実的だと指摘する声が多い。

iPhone SE 4は大幅なハードウェアのアップグレードが期待されており、Face IDの採用や60Hz OLEDディスプレイの搭載が予想される一方で、Dynamic Islandは搭載されない見通しである。

iPhone SEシリーズの歩みと現状

iPhone SEシリーズは、Appleのエントリーレベルのスマートフォンとして位置づけられている。初代SEはiPhone 5SのデザインにiPhone 6Sのチップを搭載することで、低価格でありながら最新のiOS体験を提供する戦略をとってきた。

その後のモデルも同様に、旧デザインを再利用しつつ最新のチップを搭載することでコストを抑え、手頃な価格帯で販売されている。2020年に発売された第2世代SEはiPhone 8のデザインを踏襲し、A13 Bionicチップを搭載していた。

その後、2022年には5G対応とチップのアップグレードを経て再登場したが、大幅なデザイン変更は見送られた。現在、最新のモデルは2022年発売のものとなっており、競合機種に比べてハードウェア性能やデザイン面での劣位が指摘されている。

Plusモデル登場の噂とその真偽

2025年にiPhone SE 4 Plusが登場するとの噂が一部で広がっていたが、新たな情報によればその可能性は低いとされる。Alibaba経由で出回ったデモ機は、iPhone SE 4のリーク情報に一致する点が多いが、Plusモデルの存在を示す確実な証拠は見つかっていない。

信頼性の高いアナリストであるマーク・ガーマンやミンチー・クオなども、SE 4 Plusに関する具体的な言及はしていない。さらに、Appleの戦略から見ても、Plusモデルの投入は価格面での競争力を失う可能性が高い。

SE 4を499ドルで販売すると仮定した場合、Plusモデルの価格は599ドル以上となる見込みであり、これはiPhone 15などの上位モデルと価格が近づきすぎるためである。

iPhone SE 4で期待されるハードウェアの進化

2025年に登場が期待されるiPhone SE 4では、これまでのモデルに比べて大幅なハードウェアの進化が予想される。まず、物理的なTouch IDが廃止され、代わりにFace IDが採用される予定である。また、ディスプレイには60HzのOLEDパネルが採用され、解像度も1080Pを超えると見られている。

これにより、これまでの720P液晶ディスプレイから大きな進化を遂げることになる。カメラ性能についても、48MPのシングルカメラが搭載される見込みであり、最新のA18チップとApple独自のモデムを搭載することで、パフォーマンス面でも大きな向上が期待されている。ただし、Dynamic Islandの搭載は見送られ、デザイン面ではノッチを採用するにとどまる可能性が高い。

なぜPlusモデルが見送られるのか

Plusモデルが見送られる理由の一つとして、Appleの販売戦略が挙げられる。過去のPlusモデルの販売実績は芳しくなく、特にベースモデルやProモデルとの価格差が小さすぎることが問題視されてきた。これにより、消費者がより高価なモデルを選ぶ動機が薄れ、結果的にPlusモデルの需要が低迷している。

さらに、現在のiPhoneラインナップでは、より高性能なモデルを選ぶ選択肢が広がっており、SEシリーズに高価格帯のモデルを追加するメリットは薄いと考えられる。このため、AppleはSE 4に注力し、価格帯のバランスを重視する方針を取るものと見られる。