Appleの最新コンパクトタブレット、iPad mini 7は、iPhone 15 Pro Maxと同じA17 Proチップを搭載しているが、Geekbench 6のベンチマーク結果によれば、その性能はiPhone 15 Pro Maxに比べて約4%低いことが明らかになった。
この差異は、両デバイスが異なるソフトウェアバージョンを使用していることに起因している可能性がある。iPad mini 7がiOS 18を、iPhone 15 Pro MaxがiOS 18.0.1を使用しており、これが性能差の主な要因と考えられる。

A17 Proチップ搭載でも性能差が発生

iPad mini 7とiPhone 15 Pro Maxは、どちらもAppleの最新A17 Proチップを搭載している。しかし、Geekbench 6のベンチマークテストにおいて、iPad mini 7はiPhone 15 Pro Maxに比べて約4%低いスコアを示した。これにより、両デバイスが同じチップセットを使用しているにもかかわらず、パフォーマンスに明確な違いがあることが判明した。

iPad mini 7は小型タブレットとして非常に高い評価を受けているが、この結果は一部のユーザーに驚きを与える可能性がある。特に、最新技術を詰め込んだデバイスであるiPad mini 7が、より小型でモバイル性に優れたiPhone 15 Pro Maxに劣る点は意外だ。パフォーマンスに敏感なユーザーにとっては、この差異が重要な要素となるだろう。

AppleのiPad miniシリーズは、持ち運びやすさを重視するユーザーに向けた製品であり、iPhoneとは異なる使用ケースを前提に設計されている。それゆえ、この性能差が実際の使用体験にどの程度影響を与えるかは、今後の評価に注目が集まる。

Geekbench 6のベンチマーク結果

Geekbench 6のベンチマークによると、iPad mini 7のシングルコアスコアは2,817、マルチコアスコアは6,982であった。これに対し、iPhone 15 Pro Maxはこれらのスコアをそれぞれ約4%上回る結果を示した。両デバイスは同じA17 Proチップを搭載しており、CPUのクロック速度も3.78GHzで完全に一致しているにもかかわらず、この性能差が生じた点は興味深い。

iPad mini 7のスコアは、パフォーマンスコアの観点ではiPhone 15 Pro Maxに劣るが、依然として非常に高い数値である。特に、これまでのiPad mini 6と比較すると、劇的な性能向上が見られる。A17 Proチップは、グラフィック性能を向上させるだけでなく、効率性も向上しているため、特にマルチタスクや高負荷のアプリケーションにおいて強力な性能を発揮する。

ただし、iPad mini 7のGPUはiPhone 15 Pro Maxの6コアに対して5コアの仕様となっており、この差がベンチマーク結果に影響を与えている可能性が高い。実際の使用環境においても、この違いが影響するかどうか、さらに検証が必要である。

ソフトウェアバージョンの違いが原因か

今回のベンチマーク結果の性能差は、ソフトウェアバージョンの違いによるものと考えられている。iPad mini 7はiOS 18でテストされた一方、iPhone 15 Pro MaxはiOS 18.0.1で動作していた。この違いが、Geekbench 6でのスコア差に影響を及ぼした可能性が高い。

AppleはiOS 18で、CPUのブースト周波数を若干遅らせる仕様変更を行っている。この変更は、バッテリー寿命を向上させるためのものであり、パフォーマンスにわずかな影響を与えることが確認されている。iPhone 15 Pro Maxは新しいiOS 18.0.1でのテストであるため、このバージョンがパフォーマンスの向上に寄与した可能性がある。

今後、iPad mini 7もiOS 18.0.1にアップデートされると考えられるため、その際にはパフォーマンス差がどの程度解消されるかが注目される。現時点では、iPad mini 7とiPhone 15 Pro Maxの差異は、ハードウェアではなくソフトウェアによる影響であると見られている。

バッテリー効率と性能のトレードオフ

AppleはiOS 18において、バッテリー効率を向上させるために、パフォーマンスの一部を犠牲にする調整を行っている。Geekbench 6のスコアにおけるiPad mini 7の結果が、iPhone 15 Pro Maxに劣る要因の一つには、この調整が影響している可能性がある。

iOS 18では、CPUブースト周波数の立ち上がりが遅くなり、その結果として瞬間的なパフォーマンスが抑制されることが確認されている。この変更により、バッテリー寿命の改善が期待されているが、ベンチマークテストのような高負荷なシナリオでは、その影響が数値に現れる形となった。

一方で、最新のiOS 18.0.1では、この変更が再び見直されており、パフォーマンスが向上しているようだ。iPad mini 7も今後のアップデートにより、バッテリー効率とパフォーマンスの最適なバランスを見つけ出すことが期待されている。