M4 iPad Pro 11インチが、6GHz帯のWi-Fi接続で想定外の速度低下を起こしていると報告されている。ユーザーによれば、理論的な接続速度は高いものの、実際の速度は200Mbps程度に留まっており、他のApple製品との間で差異が生じている。特にiPhone 16や他のデバイスは同じ条件下で問題なく動作しており、Wi-Fi 6Eチップの問題が疑われている。

6GHz接続でのパフォーマンス低下の概要

M4 iPad Pro 11インチのユーザーから、6GHz帯のWi-Fi接続において期待された通信速度を発揮できないとの報告が相次いでいる。具体的には、接続は安定しているものの、速度が200Mbps程度に制限されており、これが特定のルーターや設定によるものか、デバイス自体の問題なのかは不明である。

6GHz帯は、Wi-Fi 6E規格によって提供される新しい周波数帯で、従来の2.4GHzや5GHzに比べて高速かつ安定した接続が期待されていた。だが、今回の事例では、その期待を大きく裏切る形となっており、ユーザーの多くが困惑している。特にiPadやMacBookでの速度低下が顕著で、これに対して詳細な検証が進められている。

ユーザーによると、iPad ProとMacBook ProはともにWi-Fi 6Eチップを搭載しているが、速度の低下が同時に発生していることから、チップ自体やソフトウェアに起因する可能性も考えられる。Appleはこの問題について公式には言及していないが、今後のアップデートによって解決策が提示されることが期待されている。

他のデバイスとの比較と検証結果

今回の問題が特に注目されているのは、同じWi-Fi環境下でiPhone 16や他のApple製品が正常に動作している点である。報告によれば、iPhone 16は6GHz帯に問題なく接続し、最大速度1Gbps近くを安定して維持しているという。一方で、iPad ProやMacBook Proはどちらも速度が200Mbpsに制限されており、これがユーザーの懸念を呼んでいる。

問題が発生したユーザーは、まずiPadとMacBookを5GHz帯に接続し直したが、それでも速度は改善されなかった。これにより、Wi-Fi 6Eチップそのものに何らかの制限や不具合が存在している可能性が浮上している。また、以前のルーターでは5GHz帯で800Mbps以上の速度が出ていたことから、最新のルーターとの相性の問題も考慮されている。

これらの結果から、単に6GHz帯だけの問題ではなく、Wi-Fiチップやソフトウェアに起因する可能性が高いとみられている。iPhone 16との比較で、他のデバイスが問題なく高速通信を行えていることは、iPad ProやMacBook Proでの異常の原因を探る上で重要な手がかりとなっている。

ルーター設定とWi-Fi 6Eの影響

ルーターの設定が今回の問題にどれほど影響しているかも注目されている。問題のユーザーは、TP-LinkのBE65 Proというルーターを使用しており、6GHz帯の通信を優先する設定にしている。また、2.4GHz帯を無効にし、5GHzと6GHz帯のみを利用する構成を選択しているが、これが問題の一因である可能性が指摘されている。

ユーザーは、Wi-Fi 6Eを搭載したデバイスであるiPad ProとMacBook ProのWi-Fi設定を変更し、Wi-Fi 6Eの自動接続をオフにしてみたが、それでも速度が200Mbpsから向上することはなかった。これにより、ルーター側の設定やファームウェアが最新であっても、デバイスとの通信において問題が発生することが確認された。

さらに、ルーターの再起動やネットワーク機器の初期化も試みられたが、状況は変わらなかった。このことから、Wi-Fi 6Eの新技術が完全には最適化されていない可能性があり、特に最新ルーターやデバイスの組み合わせにおいて、まだ不安定な部分が残されていることが示唆されている。

今後の対応策や検証提案

現時点でユーザーが取れる対応策は限られているが、いくつかの検証方法が提案されている。まず、6GHz帯の使用を一時的に中止し、5GHz帯での安定した通信を確保することが推奨されている。5GHz帯で問題が発生しない場合、Wi-Fi 6Eチップや6GHz帯の仕様に依存した問題である可能性が高まる。

また、ルーター側での設定見直しも有効な手段である。具体的には、ルーターのファームウェアが最新かどうかを確認し、6GHz帯の設定を再検討することが挙げられる。さらに、Apple側のアップデートを待つことも重要で、最新のiOSやmacOSのリリースがこの問題に対する修正を含む可能性があるため、常にデバイスを最新の状態に保つことが推奨される。

最後に、ユーザー同士の情報共有も解決策の一つである。同様の問題に直面しているユーザーが他にも存在する可能性が高く、フォーラムやサポートコミュニティでの意見交換が、早期の解決に繋がるかもしれない。