ASUSは、次世代GeForce RTX 50シリーズGPU向けに特化した新型電源「ROG Thor IIIシリーズ」を発表した。これには、1600W Titanium III、1200W Platinum III、1000W Platinum IIIが含まれている。

このシリーズの目玉は、特許取得済みの「GPU-First」技術であり、インテリジェント電圧スタビライザー(IVS)ケーブルによりGPUへの電圧供給が最大45%向上するという。また、ROG Thor IIIシリーズはATX 3.1およびPCIe Gen 5に対応し、静音性と高効率を追求した設計が特徴である。

ROG Thor IIIシリーズの概要と特徴

ASUSが発表したROG Thor IIIシリーズは、次世代のハイエンドゲーミングや高負荷作業を支える強力な電源ユニット群である。このシリーズには、ROG Thor 1600W Titanium III、ROG Thor 1200W Platinum III、ROG Thor 1000W Platinum IIIの3モデルがラインナップされている。

それぞれのモデルは、プレミアムROG製品として、30%効率が向上したガリウムナイトライド(GaN)MOSFETや高性能な銅製コンポーネントを採用している。また、これらは取り外し可能な磁気式OLEDディスプレイを搭載し、使用者に電力消費や稼働状態をリアルタイムで可視化する機能も提供している。

さらに、すべてのモデルがATX 3.1およびPCIe Gen 5に対応し、最新の規格に基づく優れた電圧および電流制御を実現している。特に高負荷がかかるゲーミングや次世代GPUに最適な設計が施されており、将来的なアップグレードにも対応可能な仕様となっている。

次世代GeForce RTX 50シリーズに向けた「GPU-First」技術

ROG Thor IIIシリーズの大きな特徴のひとつが、「GPU-First」技術である。この技術は、特許取得済みのインテリジェント電圧スタビライザー(IVS)ケーブルを使用して、GPUへの電圧供給を最適化する仕組みを持っている。

通常の電源ユニットでは、CPUを優先して電圧を安定させるが、この「GPU-First」技術はGPUへの電力供給を最優先にする。これにより、特に次世代のGeForce RTX 50シリーズのような高電力を消費するGPU向けに、より安定した電力を提供できる。この技術によって、GPUへの電圧供給は最大45%向上し、スムーズで安定したゲーミング体験を提供するとされている。

また、ROG Thor IIIシリーズは、GeForce RTX 5090やRTX 5080といった次世代GPUを視野に入れた設計であり、最大600Wの電力供給が可能な16ピンPCIeにも対応している。これにより、未来の高性能GPUにも対応できる高い将来性を備えている。

1600W Titanium IIIの性能と利便性

ROG Thor 1600W Titanium IIIは、シリーズの中で最も強力なモデルであり、最大1600Wの出力を誇る。このモデルは、80 PLUS Titanium認証およびCybenetics Lambda A+認証を取得しており、その効率性と低ノイズ性能が保証されている。

また、ASUSはこのモデルに10年間の保証を付けており、長期間にわたる安定した運用が期待できる。さらに、0dBテクノロジーを搭載しており、軽負荷時にはファンが停止するため、静音性にも優れている。ファンの動作は負荷に応じて自動的に調整されるが、最大パフォーマンスが必要な場合には、PSU本体に搭載されたターボボタンを使用してファンの回転数を手動で調整することも可能である。

このモデルは、ゲーミングPCだけでなく、クリエイターやプロフェッショナルのワークステーションなど、さまざまな用途に対応可能な柔軟性を持っており、その高性能と信頼性から、多くのユーザーにとって理想的な選択肢となるだろう。

静音性と高効率を実現する0dB技術と高性能ヒートシンク

ROG Thor IIIシリーズは、ASUS独自の0dB技術を採用しており、電源ユニットの負荷が低い場合、ファンを完全に停止させることができる。これにより、軽負荷時には完全な静音動作が可能であり、日常的なPC使用時には騒音を気にせず快適に作業ができる環境を提供する。

さらに、同シリーズには高性能ヒートシンクが搭載されており、効率的に熱を放散する設計が施されている。これにより、ファンが稼働する際でも、冷却性能を最大限に引き出しながら、静音性を維持することが可能である。ヒートシンクは、最大50℃低い温度での動作が可能であり、これも高負荷作業における安定性を向上させる一因となっている。

また、ファンの耐久性や信頼性を高めるために、先進的な冷却技術が取り入れられており、長時間にわたって高負荷で動作しても、安定した冷却性能を発揮するよう設計されている。