サムスンは、次世代GPUに搭載される可能性がある24GB GDDR7メモリを発表した。これにより、現在主流の8GB VRAMを超える大容量と高速化が実現し、48GBのVRAMを持つGPUの登場も見えてきた。この新メモリは、サムスンの最新10nmプロセスを採用し、従来の倍近い帯域幅を提供する可能性があり、GPU市場に大きな変革をもたらすことが期待される。

サムスン、初の24GB GDDR7メモリを公開

サムスンは、業界初となる24GB GDDR7メモリを発表し、次世代のグラフィックスカード市場において大きな注目を集めている。この新メモリは、従来の8GBや16GBと比較して、容量が飛躍的に増加しており、最大で48GBのVRAMをサポートする可能性を秘めている。これにより、特にハイエンドのゲームやプロフェッショナル用途において、よりスムーズで高速なパフォーマンスを実現することが期待される。

新たに採用されたのは、サムスンの第5世代10nm DRAM技術であり、従来のプロセスよりも50%高いセル密度を誇る。この技術により、メモリの物理サイズを変えることなく、より多くのデータを処理できる。また、サムスンはこのメモリに「三値パルス振幅変調(PAM3)」と呼ばれる新しい信号処理技術を導入し、これによって従来のGDDR6に比べ大幅な速度向上が実現された。

この新しいメモリは、GPUの処理能力を大幅に引き上げるだけでなく、特に次世代のAIやデータ処理においても、その恩恵が期待されている。2025年初頭に商用化が予定されており、今後のGPU市場における重要な技術革新となる見込みである。

新しいDRAM技術が容量と速度を大幅に向上

サムスンが発表した24GB GDDR7メモリは、最新のDRAM技術を駆使し、性能の向上が図られている。この新メモリは、サムスンの最先端技術である5nmプロセスを採用し、セル密度が50%向上している。その結果、メモリのサイズを変えることなく、より多くのデータを保存し、処理することが可能となった。

さらに、GDDR7メモリには「三値パルス振幅変調(PAM3)」という新しい信号技術が組み込まれており、これによりデータ転送速度が大幅に向上している。現行のRTX 40シリーズの最大22.4Gbpsの帯域幅を大きく上回る、最大40Gbpsの速度を実現しており、さらなるチューニングで42.5Gbpsに達する可能性も示唆されている。この速度向上により、ゲームやグラフィックス処理のほか、AIやデータセンター向けの高度な処理も一層効率化されるだろう。

これらの技術革新は、メモリ容量と速度の両方において次世代のGPUに大きな変化をもたらすことが期待されており、特にプロフェッショナル市場やハイエンドのゲーミング環境において、その恩恵は計り知れない。

最大48GBのVRAMを搭載した未来のGPUに期待

サムスンの最新24GB GDDR7メモリは、今後のGPU市場において最大48GBのVRAMを搭載する道を切り開いた。この大容量メモリにより、現在主流となっている8GBや16GBのVRAMでは処理が追いつかない高度なタスクも、容易にこなすことが可能になる。特に、未来のGPUでは、この48GBのVRAMによって、次世代のゲームやクリエイティブなアプリケーションにおけるパフォーマンスが劇的に向上すると予測されている。

例えば、RTX 5090などの次世代グラフィックスカードでは、より少ないメモリモジュールで48GBの容量に到達する可能性があり、より効率的な設計が実現されるだろう。また、ビデオカードの帯域幅も劇的に拡大されると期待されており、ビデオカードの256ビットメモリバスで1.2TB/s、512ビットメモリバスでは2.5TB/sに達する可能性がある。このような性能は、現行のRTX 4090を大きく上回るものであり、特にプロフェッショナルなクリエイティブ作業や、AIを活用した高度なデータ処理において、その効果を発揮するだろう。

このメモリ技術が実際に搭載されるのはRTX 6090以降になると予測されているが、将来のGPU市場における基盤技術となることは間違いない。

2025年の商用化に向けた準備が進行中

サムスンは、24GB GDDR7メモリを2025年初頭に商用化する予定である。同社は現在、主要なGPUメーカーと協力し、この新しいメモリの検証段階に入っている。この段階では、各社の製品にこのメモリをどのように適用するかが検討されており、具体的な製品ラインアップや搭載GPUの仕様が今後明らかになるだろう。

NVIDIAの次世代GPUであるRTX 50シリーズには、残念ながらこの新メモリがすぐに搭載される可能性は低いが、今後の「Super」バージョンや、ラップトップ向けGPUには導入される可能性が高いとされている。また、AMDやIntelも、今後このGDDR7メモリを採用した製品を発表する可能性があり、GPU市場全体がこの技術によって新たな成長を迎えるだろう。

24GBのGDDR7メモリが実際に市場に投入されることで、ゲームだけでなく、映像制作やAI研究など、様々な分野で新しい可能性が広がることが期待されている。サムスンの技術革新が、どのようにGPUの未来を変えていくのか、2025年以降の動向が注目される。