Appleは、iPhoneでの新機能として企業のロゴや発信者IDを表示する機能を発表した。iOS 18.2では、メールアプリにおいて参加企業のロゴが表示され、来年には電話アプリでも企業名やロゴが発信者情報として画面に表示されるようになる。

これにより、スパムやフィッシング詐欺を未然に防ぎ、ユーザーは安心して企業とやり取りができるようになる見通しだ。

Apple Business Connectプログラムの拡大

Appleは、企業が自社情報をAppleの各種プラットフォーム上に提供できる「Apple Business Connect」プログラムを大幅に拡大することを発表した。従来、このプログラムは実店舗を持つ企業に限定されていたが、新たにオンライン企業やサービス提供企業も対象に含まれるようになった。

この変更により、物理的な店舗を持たない企業もAppleのエコシステムに統合され、Apple MapsやSiri、さらにはiPhoneのメールや電話アプリを通じて、より多くのユーザーにリーチできるようになる。拡大されたBusiness Connectは、Appleのサービスとより深く統合され、参加企業は自社のロゴやビジネス情報をiPhone上のさまざまな場所に表示できる。

特に、電話アプリやメールアプリにおける企業ロゴの表示機能は、スパムメールや不正な電話を回避する手助けとなり、ユーザーが企業の正当性を簡単に確認できるようになる点で注目されている。このプログラムへの参加は無料であり、参加企業は専用サイトで登録することで、すぐに利用が可能となる。

Appleは今後も、このプログラムを通じて、企業と消費者の間の信頼性を強化し、iPhoneユーザーが安心してサービスを利用できる環境を提供していく意向である。

iOS 18.2の新機能: メールアプリでのブランドロゴ表示

Appleは、iOS 18.2のリリースに伴い、メールアプリに新たな機能を追加する。参加企業からのメールには、会社のロゴがメールの差出人名の隣に表示される仕組みである。この機能は、Apple Business Connectプログラムに登録した企業を対象としており、メールに添付されたロゴにより、ユーザーは一目で正規の企業からのメールであることを確認できる。

この機能はスパムメールやフィッシング詐欺の被害を減らすことを目的としており、特に企業名を偽装した不正なメールが横行する中、ユーザーが安心してメールを開封できるようになる。また、企業側にとっても、自社のブランディング強化やユーザーとの信頼構築に貢献する機会となる。

メールアプリでのロゴ表示は、2024年後半にリリース予定のiOS 18.2で導入される予定であり、これによりビジネス向けのコミュニケーションがさらに円滑になることが期待されている。企業は、今すぐApple Business Connectに登録することで、この新機能の恩恵を受ける準備ができる。

電話アプリの発信者ID強化: 企業の信頼性向上

Appleは、2025年に予定されているiOSアップデートで、電話アプリに企業発信者ID表示機能を追加する。この機能により、iPhoneユーザーは発信者情報として企業のロゴや名称、部門ラベルが表示され、電話を受け取る前に正当な企業からの発信であることを確認できる。特に、スパム電話やフィッシング詐欺が増加する中で、この機能はユーザーに安心感を提供するものとなる。

企業は、Apple Business Connectを通じてこの機能を利用できる。発信者IDに表示される情報は、企業名だけでなく、ロゴや部門ごとのラベルも含まれており、ユーザーは誰からの電話かを瞬時に認識できる。この機能は、企業側にとっても正当な連絡手段であることをユーザーに伝える重要な手段となるだろう。

Appleは、この機能を通じて、企業と消費者の間のコミュニケーションをより信頼性の高いものにしようとしている。企業は、Apple Business Connectを利用してこの新しい発信者ID表示機能に対応する準備を整えることが求められる。

「Tap to Pay」にもカスタムアートを導入

iPhoneでの非接触決済機能「Tap to Pay」においても、企業向けの新たなカスタマイズ機能が導入されることが発表された。この機能により、企業は自社のアートやデザインを決済画面に表示することが可能となり、ブランドイメージをさらに強化できる。

これまで「Tap to Pay」は、シンプルな決済機能として利用されていたが、カスタムアートの導入により、企業はより個性的な決済体験を提供できるようになる。特に、クリエイティブな企業やデザインにこだわるブランドにとって、この新機能はユーザーとの接点を増やす貴重な機会となるだろう。カスタマイズされた決済画面は、ユーザーが企業との関わりをより深めるきっかけを作り出し、リピーターの増加にもつながると予想される。

このカスタムアート機能は、Appleが提供する新たなビジネス向けツールの一部として、今後さらに多くの企業に利用されることが期待されている。