GoogleはAndroid 15 QPR1 Beta 2を公開した。Pixel 6シリーズ以降のデバイスに対応し、新機能や改善点が多数含まれている。特にデスクトップウィンドウモードや設定画面の改良など、ユーザーエクスペリエンスを向上させるアップデートが目立つ。

Pixelデバイス対応のアップデート

Android 15 QPR1 Beta 2は、Pixel 6シリーズ以降のデバイスに対応している。具体的には、Pixel 6および6 Pro、Pixel 6a、Pixel 7および7 Pro、Pixel 7a、Pixel 8および8 Proなどが含まれており、最新のPixel 9シリーズやPixel Fold、Pixel Tabletもサポートされている。このアップデートにより、これらのデバイスはAndroid 15の新機能をいち早く体験できるようになっている。

このアップデートはAndroid Beta Programに参加しているユーザー向けに提供されており、プログラムに参加していれば自動的にアップデートが適用される。さらに、参加していないユーザーもGoogleの公式サイトで手動インストールが可能である。このベータ版には、Bluetooth接続やGoogle Password Manager、Google Mapsに関連するバグ修正が含まれており、全体的な安定性とパフォーマンスの向上が期待できる。

Pixelデバイスにおいて、安定した操作性と新機能をテストできることは、ユーザーにとって大きな利点である。また、このベータ版により、次期正式版の品質向上にも貢献できるだろう。

新しいキーボードクイックスイッチと設定画面の改良

Android 15 QPR1 Beta 2では、キーボードの切り替えをより簡単にする新しい「クイックスイッチ」機能が導入された。この機能は、キーボードの右下に表示されるワイヤーフレームの地球アイコンとして表示され、ワンタップで複数のキーボードを素早く切り替えることができる。特に、多言語を使用するユーザーや、特定の入力方法を頻繁に切り替える必要があるユーザーにとって、便利な追加機能である。

さらに、設定アプリのホーム画面も大幅に改良された。従来のAndroid 14と比較して、より整理された見た目となっており、ユーザーが各設定項目に素早くアクセスできるように設計されている。この変更により、設定メニューが複雑になりがちなAndroidデバイスでも、直感的な操作が可能になることが期待される。

これらのUI/UXの改善は、ユーザーの使い勝手を重視した設計であり、今後の正式版にも同様の改良が引き継がれることが予想される。

デスクトップウィンドウモードと外部ディスプレイ設定

Android 15 QPR1 Beta 2には、Pixel Tabletや他のデバイス向けに「デスクトップウィンドウモード」が追加された。この機能により、フルスクリーンで表示されるアプリの上部にハンドルが表示され、タップすることでウィンドウのサイズを調整したり、スプリットスクリーンモードやフリーフォームモードで使用することができる。フリーフォームモードでは、アプリにタイトルバーが表示され、ウィンドウの移動やリサイズが自由にできるようになる。

また、外部ディスプレイに関する設定も追加された。Pixel 8シリーズやPixel 9シリーズのデバイスでは、外部ディスプレイの解像度や回転を設定画面から調整することが可能になっている。これにより、外部モニターやテレビに接続して作業する際にも、より快適な操作環境を実現することができる。

これらの機能は、特に仕事で複数のアプリを同時に操作する必要があるユーザーや、外部ディスプレイを活用するユーザーにとって、大きな利便性を提供するアップデートと言えるだろう。

カラーバランス調整と通知機能の改善

Android 15 QPR1 Beta 2では、カラーバランスを調整できる新しい「色補正スライダー」が導入された。このスライダーは「低」「中」「高」の3段階で色補正の強度を調整できる。これにより、視覚に制約があるユーザーが、自分に最適な色補正を設定しやすくなっている。この機能は、カラーバランスを細かく調整したいユーザーにとっても有用であり、視認性の向上に寄与している。

さらに、通知機能も改良された。ヘッドアップ通知がコンパクト化され、画面のスペースを節約しながらも重要な情報を提供できるようになった。この改善により、通知が煩わしいと感じることが少なくなり、マルチタスク中でも通知に即座に対応しやすくなっている。

これらの変更は、日常的にスマートフォンを利用するユーザーの利便性を高めると同時に、より直感的な操作を実現する重要なアップデートである。視覚的にも操作性にも配慮されたこれらの改善は、Androidのさらなる進化を予感させる。