Appleは最新の「Glowtime」イベントで、新型AirPods 4を発表した。特徴的なオープンイヤーデザインを採用し、ANC(アクティブノイズキャンセリング)を初めて搭載するなど、期待を裏切らない進化を遂げている。

一方、4年ぶりのAirPods Maxのアップデートは、カラーバリエーション追加とType-C充電の採用に留まった。プレミアムモデルは180ドル、ベースモデルは130ドルで、9月20日発売予定だ。

新しいAirPods 4の特徴:オープンイヤーとANCの融合

Appleが発表した新型AirPods 4は、これまでのラインアップとは一線を画すオープンイヤーデザインが特徴である。従来のインイヤーデザインから脱却し、より快適で耳に圧迫感を与えない形状を採用。特筆すべきは、このオープンイヤー型で初めてアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載した点だ。外部の騒音を効果的に遮断し、音楽や通話に没頭できる環境を提供する。また、透明性モードも標準装備されており、周囲の音を自然に聞き取ることができるため、外出先でも安全に使用できる。

さらに、AirPods 4には適応オーディオ機能が追加され、周囲の環境音に応じて音量を自動調整するという優れた機能も搭載されている。この技術により、手動で音量を調整する手間を省き、快適なリスニング体験を提供する。加えて、会話認識機能も搭載されており、ユーザーが話し始めると自動的に音楽の音量を下げることができる。

これらの機能は、ユーザーの日常の利便性を大幅に向上させ、よりシームレスな体験を提供する。充電ケースも進化しており、「Find My」に対応し、紛失した場合でも簡単に見つけることができる。また、スピーカーを内蔵しているため、アラート音を鳴らして位置を特定することが可能だ。オープンイヤーデザインと先進技術の組み合わせが、AirPods 4をさらなる進化へと導いている。

AirPods Maxが4年ぶりにアップデート:しかし小規模な変化

Appleの高級オーバーイヤーヘッドホン、AirPods Maxも今回のイベントで4年ぶりにアップデートされた。しかし、このアップデートは期待されていたほどの大きな変化ではなく、新しいカラーバリエーションの追加とType-C充電への対応に留まっている。カラーバリエーションは、ミッドナイト、ブルー、パープル、オレンジ、スターライトの5色が新たに追加され、個性的なスタイルを楽しむことができるようになった。

一方で、内部的な性能や音質の向上については特に言及されていない。このため、既存のAirPods Maxユーザーにとっては、大幅なアップグレードを期待していた場合、少し物足りない印象を受けるかもしれない。また、価格も変わらず550ドルと高額な設定が維持されており、この価格帯での競争力には疑問が残る。

ただし、Type-Cポートへの移行は、EUの新しい充電標準規制に対応するためのものであり、今後のApple製品全体にも共通する流れとなるだろう。これにより、iPhoneや他のデバイスとの充電ケーブルの互換性が向上し、利便性が高まることは間違いない。とはいえ、今回のAirPods Maxのアップデートは、過去の革新に比べて控えめなものに終わっている。

価格帯と機能で選べる2つのAirPods 4モデル

AirPods 4には2つのモデルが用意されており、それぞれの価格帯と機能が異なる。プレミアムモデルは180ドル、ベースモデルは130ドルで、どちらもオープンイヤーデザインを採用しているが、最大の違いはアクティブノイズキャンセリング(ANC)の有無にある。180ドルのプレミアムモデルには、ANCが搭載されており、周囲の騒音を効果的に遮断し、より集中したリスニング体験を提供する。一方、130ドルのベースモデルにはANCは搭載されておらず、より手軽にAirPodsの音質を楽しむことができる。

両モデルともにAppleのH2チップを搭載しており、音質は大幅に向上している。特にプレミアムモデルには、会話認識機能や適応オーディオといった新しい機能が追加されており、ユーザーの使用シーンに応じた最適な音量調整が可能となっている。これにより、手動で音量を変更する手間が省かれ、よりスムーズな使用体験が実現される。

また、充電ケースにも違いがあり、プレミアムモデルには「Find My」機能が搭載されているため、紛失した場合でも簡単に見つけることができる。どちらのモデルもType-Cポートを採用し、Apple WatchやQi規格のワイヤレス充電にも対応している。この2つのモデルにより、ユーザーは自分のニーズに最も合ったAirPodsを選ぶことができるだろう。

未来のAirPods Pro 2に向けたAppleの計画

今回のGlowtimeイベントでは、次世代AirPods Proに関する具体的な発表はなかったが、Apple内部の情報筋によると、次期AirPods Pro 2の開発が進行中であるという。著名なAppleアナリストのMark Gurmanによれば、新しいAirPods Proは改良されたアクティブノイズキャンセリング(ANC)と、さらに洗練されたデザインが特徴になると予想されている。

特にANCに関しては、現行モデルの性能をさらに向上させ、より多様な環境での使用に対応できるようにすることが目指されている。また、デザイン面でも、より快適で長時間使用しても疲れにくい形状に改良される見込みだ。Gurmanは、次世代AirPods Proのリリースは早ければ来年にも実現する可能性が高いと予測している。

今回のイベントでAirPods Liteの発表がなかったことから、Appleは高価格帯だけでなく、より多くの層にアプローチできる新しい製品ラインの追加も視野に入れている可能性がある。現時点では詳細は不明だが、来年のAppleの発表がさらに注目されることは間違いない。未来のAirPods Pro 2は、Appleのオーディオ製品ラインナップにさらなる進化をもたらすだろう。