Googleは、新型ストリーミングデバイス「Google TV Streamer」を発表し、これがAndroid 14を搭載する最初のテレビデバイスとなることが明らかになった。新たに採用されたMediaTek製のチップセットにより、処理能力が大幅に向上している。しかし、Nestスピーカーとのワイヤレス統合は未だに実現されていない。Google TV Streamerは9月24日から販売開始予定で、価格は100ドルである。
Android 14を初搭載するGoogle TV Streamerの登場
Googleは、新型ストリーミングデバイス「Google TV Streamer」を発表し、これがAndroid 14を搭載する最初のテレビデバイスとなることが明らかになった。従来のChromecastシリーズと異なり、新たなGoogle TV Streamerは、最新のAndroid TVオペレーティングシステムを採用しており、ユーザーインターフェースや操作性が大幅に向上している。
Android 14は、新しいエネルギーモード、Matter/Threadのスマートホームハブ対応、ホームカメラ用のピクチャーインピクチャー機能、「Find My Remote」機能など、多くの新機能を提供する。これにより、Google TV Streamerは、単なるストリーミングデバイス以上の価値を持ち、スマートホームの中心的な役割を果たすことが期待されている。
Googleはこれまで、既存のChromecastに対してAndroid 14のアップデートを約束していないが、今後の動向に注目が集まる。Google TV Streamerは、これまでのChromecastに比べてハードウェアの進化とソフトウェアの革新を組み合わせた、次世代のストリーミング体験を提供することになるであろう。
MediaTek製チップセットへの切り替えで性能向上
新たに発表されたGoogle TV Streamerは、従来のAmlogic製チップセットからMediaTek製チップセットへと切り替えられたことが大きな特徴である。特に、MT8696チップセットが採用されており、この変更により処理性能が劇的に向上した。具体的には、2020年に発売されたChromecastの4Kバージョンに比べて、CPUの速度が22%も高速化されている。
このMediaTek MT8696は、AmazonのFireTV Stick 4K Maxにも採用されているが、Google TV Streamerではさらに多くのRAMとストレージ容量を備えている。このため、AV1やHEVCなどの最新のビデオデコードにも対応しており、高品質な映像体験が可能である。
また、Google TV StreamerにはUSB-C、Ethernet、HDMIなどのポートが搭載されており、外部機器との接続性も向上している。これにより、Google TV Streamerは、単なるストリーミングデバイスから、より高機能なマルチメディアハブへと進化したと言えるだろう。
依然として未対応のNestスピーカー統合
Google TV Streamerは多くの新機能を搭載しているが、一方で依然としてNestスピーカーとのワイヤレス統合が実現されていない。Googleは過去に、ChromecastとNestスピーカーを連携させ、ワイヤレスの「ホームシアター」機能を提供することを約束していたが、この機能は未だ実装されていない。
これは特に、AmazonのFireTVやApple TV 4Kがそれぞれのワイヤレススピーカーと連携し、HDMI eARCを介してテレビ音声を再生できる点と比較すると、大きな欠点である。Google TV StreamerはGoogle Homeのスピーカーグループに追加できるものの、直接的なオーディオ出力には対応していない。
この欠点は、Google TV Streamerが他の競合製品に対して機能的に劣る部分であり、ユーザーがホームシアター体験を求める場合、依然として他の選択肢に目を向ける必要があるかもしれない。Googleが今後、Nestスピーカーとの統合を進めるのか、その動向に注目が集まる。
Google TV Streamerの発売日と価格
Google TV Streamerは、2024年9月24日から正式に販売が開始される予定である。価格は100ドルに設定されており、この価格設定は高性能なストリーミングデバイスとしては競争力があると言えるだろう。特に、最新のAndroid 14を搭載し、MediaTek製チップセットを採用したことで、その価値はさらに高まっている。
販売開始に先立ち、Googleはすでにいくつかの販売チャネルで予約受付を開始しており、発売当日には多くの需要が見込まれている。また、この新しいストリーミングデバイスは、これまでのChromecastシリーズの後継として位置づけられており、今後の市場動向にも影響を与える可能性がある。
Google TV Streamerは、家庭内のスマートデバイスとの連携を強化し、さらなる快適な視聴体験を提供することを目指している。この新デバイスが市場に登場することで、ストリーミングデバイスの競争が一層激化することが予想される。