Frameworkが2月25日に開催する第2世代ハードウェア発表イベントにAMDが参加することが正式に確認された。これにより、同社がAMDの最新APU「Strix Halo Ryzen AI Max 395+」を搭載した製品を発表する可能性が高まっている。
Frameworkは過去のティーザー投稿で、ゲーミングPCや新たなフォームファクターの可能性を示唆してきた。特に、2-in-1デバイスを想起させる要素が含まれており、Asus ROG Flow Z13(2025)と同様のコンセプトを採用する可能性もある。また、Strix Haloの内蔵GPU性能はGeForce RTX 4060に匹敵するとされ、ゲーミング用途でも期待が高まる。
一方、AMD Ryzen Z2シリーズの登場も予想されており、Frameworkがゲーミングハンドヘルド市場へ参入する可能性も示唆されている。ただし、これまでの製品展開から考えると、その可能性は低く、従来の修理・アップグレード可能なノートPC路線を継続する方が現実的だろう。
いずれにせよ、Frameworkの次なる展開は大きな注目を集めている。2月25日のYouTube発表イベントでは、同社の新たな方向性が明らかになるはずだ。
AMD Strix Halo Ryzen AI Max 395+とは何か 最新APUの特徴と性能

AMDがFrameworkの第2世代ハードウェア発表イベントに参加することが明らかになったが、特に注目されているのが「AMD Strix Halo Ryzen AI Max 395+」APUの搭載モデルだ。Strix Haloは、AMDの最新世代APUとして、CPU性能だけでなく統合GPU(iGPU)の強化にも重点を置いた設計となっている。特に、内蔵GPUは40基のコンピュートユニット(CUs)を搭載し、最大クロック2,900 MHzで動作するとされる。この性能は、従来の統合グラフィックスを大幅に上回り、GeForce RTX 4060と匹敵する可能性が指摘されている。
また、Strix HaloはAI処理に特化したNPU(Neural Processing Unit)を搭載することで、生成AIや画像処理、動画編集などの用途においても優れたパフォーマンスを発揮すると見られている。加えて、ハイパフォーマンスなx86コアを採用しつつ、省電力性能の向上も図られている点が特徴だ。これは、ノートPCやゲーミングハンドヘルドデバイスなどのモバイル向けデバイスにおいて重要な要素となる。
このAPUの搭載が確実視されているFrameworkの次世代モデルでは、アップグレード可能な設計が維持されると考えられる。これにより、将来的なパーツ交換や性能向上が可能となり、長期間にわたって最新の環境を維持できる点は大きな利点だ。従来のノートPCが数年で性能不足に陥ることが多い中、この自由度の高さがFramework製品の大きな魅力となるだろう。
ゲーミングハンドヘルドか2-in-1ノートPCか Frameworkの新展開
Frameworkのティーザーには、ゲーミングPCや2-in-1デバイスを示唆する要素が含まれており、新たなフォームファクターの登場が期待されている。特に、絵文字を活用した暗号的なメッセージには「ヨガのポーズ」が含まれており、これは可変式の2-in-1ノートPCの可能性を示唆していると考えられる。例えば、Asus ROG Flow Z13(2025)のようなタブレット型ゲーミングデバイスであれば、柔軟な使い方が可能となり、持ち運びの利便性も向上する。
また、AMDがRyzen Z2シリーズを発表する可能性がある点も興味深い。Ryzen Z1シリーズは、Asus ROG Allyなどのゲーミングハンドヘルド機に搭載されてきたため、Z2シリーズが登場すれば、Frameworkが同市場へ参入する可能性も浮上する。ただし、現在のゲーミングハンドヘルド市場では、Asus ROG Ally Z1 Extremeが約450ドルで販売されるなど、競争が激化している。Frameworkがこの価格帯で競争するには、コスト面の課題が生じるため、現実的にはノートPC路線を強化する可能性の方が高いだろう。
とはいえ、Frameworkがこれまでのスタイルを大きく変える可能性はゼロではない。特に、Strix Haloの性能を活かしつつ、ユーザーが自分でカスタマイズできるゲーミング向けの新デバイスが登場すれば、大きな注目を集めることになるだろう。2月25日の発表イベントで、どのような新製品が披露されるのか、期待が高まっている。
Frameworkのアップグレード可能な設計は新世代でも継続されるのか
Frameworkの最大の特徴である「修理可能・アップグレード可能な設計」が、新世代モデルでも継続されるかどうかは重要なポイントだ。これまでのFrameworkノートPCは、ユーザーが自由にパーツを交換できるモジュール構造を採用し、CPU、メモリ、SSDはもちろん、I/Oポートやディスプレイまでもカスタマイズ可能だった。これは従来の一般的なノートPCとは大きく異なるアプローチであり、多くのユーザーに支持されてきた。
今回の発表イベントで予想されるStrix Halo搭載モデルでも、この柔軟性が維持されるかが注目される。特に、ゲーミング用途を意識した場合、GPU性能の向上が求められるため、外部GPU(eGPU)への対応や、独自のモジュール型GPUの提供といった新たな試みが行われる可能性もある。また、バッテリー交換が容易な設計であれば、長期間の使用が可能になり、持続可能性の観点からも高評価を得られるだろう。
一方で、アップグレード可能な設計はコストやサイズの面で制約が生じるため、これまでのFrameworkモデルと異なるアプローチが取られる可能性もある。特に、ゲーミング向けモデルでは、冷却性能の確保が課題となるため、完全なモジュール設計を維持するのが難しくなる可能性もある。しかし、Frameworkの理念が大きく変わらない限り、ユーザーが自由にカスタマイズできる構造は維持されると考えられる。
2月25日の発表では、新しいハードウェアがどのような形で進化するのかが明らかになる。Frameworkが次世代でも「アップグレード可能」という特徴を活かしたデバイスを提供できるかどうかが、今後の市場における競争力を左右することになりそうだ。
Source:NotebookCheck