「5Gなのに遅い」「駅やイベント会場で動画が止まる」。
そんな違和感を覚えたことはありませんか。

総務省のデータでは5Gエリアは全国98%超に達していますが、実際の体感速度には大きな差が生まれています。
その背景にあるのが、Sub-6とミリ波という“見えない通信の分断”です。

2026年の日本では、同じ5G対応スマホでも、つながる世界がまったく異なります。
iPhone 17は国内でミリ波非対応の一方、Pixel 10 ProやXperia 1 VIIは両対応を標準化。
さらにSnapdragon 8 Gen 5によるAI支援ビーム制御で、ミリ波の弱点だった不安定さも大きく改善しました。

楽天モバイルやKDDIはミリ波基地局を積極展開し、ソフトバンクはAI-RANで通信品質の最適化を推進しています。
混雑地帯でも高速通信を維持できる“専用レーン”のような環境が、現実のものになりつつあります。

この記事では、Sub-6とミリ波の違いからキャリア戦略、対応スマホの選び方、実証データに基づく活用メリットまでをわかりやすく解説します。
今スマホを選ぶなら何を見るべきか、その答えがはっきりわかります。

5Gエリア98%時代でも遅い理由──通信の“質的二極化”とは

総務省の発表によれば、2024年度末時点で全国の5Gエリアカバー率は98.4%に達しています。数字だけを見ると「もうどこでも高速通信できる」と感じますよね。

しかし実際には、「5Gなのに遅い」「駅で動画が止まる」といった声も少なくありません。ここにあるのが、いま進行している通信の“質的二極化”です。

ポイントは、同じ5Gでも“使っている電波の種類”が違うことにあります。

区分 主な周波数 特徴
Sub-6(ミッドバンド) 3.7~4.5GHz帯など 広く届くが混雑しやすい
ミリ波 28GHz帯 超高速・大容量だがエリアは限定的

現在、ほとんどのスマートフォンが主に接続しているのはSub-6です。バランスの良い帯域ですが、利用者が集中しやすく、特に都市部では慢性的な容量不足が起きています。

たとえばターミナル駅やイベント会場では、限られた帯域を数万人で取り合う状態になります。その結果、通信速度が数十Mbps以下に落ち込んだり、いわゆる「パケ止まり」が発生したりします。

一方で、28GHz帯のミリ波は400~800MHzという非常に広い帯域幅を使えます。理論上は数Gbps級の通信が可能で、実証実験では下り2Gbps超を記録した例もソフトバンクの発表で示されています。

つまり同じ「5G表示」でも、混雑した一般道を走っているのか、空いている専用レーンを使えているのかで体験は大きく変わります。

この差をさらに広げているのが、端末の対応状況です。日本では一部のハイエンドAndroid端末がSub-6とミリ波の両方に対応している一方、国内向けiPhoneはミリ波非対応が続いています。結果として、利用できる“通信の質”に端末格差が生まれています。

加えて、Sub-6は「面」を広くカバーする設計思想、ミリ波は「点」で高密度エリアを救う設計思想という違いがあります。カバー率98%という数字は前者を示すものであり、混雑時の快適さまで保証するものではありません。

エリアの広さ=快適さではないというのが、いまの5G時代のリアルです。

これからは「5Gかどうか」ではなく、「どの帯域を使えるか」が体験を左右します。統計上はほぼ全国対応でも、実際の体感速度や安定性には大きな差がある――それが、通信の質的二極化の正体なのです。

Sub-6とミリ波の違いをやさしく解説|速度・遅延・混雑耐性の決定差

Sub-6とミリ波の違いをやさしく解説|速度・遅延・混雑耐性の決定差 のイメージ

5Gと一口に言っても、実は「Sub-6(サブシックス)」と「ミリ波」というまったく性格の違う電波が使われています。どちらも5Gですが、体感できるスピードや安定性には大きな差があります。

まずは、ライトユーザーの方にもイメージしやすいように整理してみます。

項目 Sub-6 ミリ波
主な周波数 3.7〜4.5GHz帯など 28GHz帯
最大の特徴 広いエリアをカバー 超高速・超低遅延
混雑への強さ 利用者が多く混雑しやすい 帯域が広く混雑に強い

Sub-6は、現在の日本で最も広く使われている5Gの主力帯域です。総務省によれば、5Gエリアカバー率は98%を超えていますが、その多くがSub-6によるものです。電波が遠くまで届きやすく、屋内にも入りやすいのが強みです。

ただし弱点もあります。Sub-6の帯域幅はおおむね100MHz程度で、利用者が集中する駅やイベント会場では容量が足りなくなりやすいのです。いわゆる「パケ止まり」は、この帯域の混雑が原因で起こります。

一方のミリ波は、28GHz帯という非常に高い周波数を使います。特徴は圧倒的に広い帯域幅(400〜800MHz)です。Sub-6の数倍の“道路幅”があるため、理論上は数Gbps級の通信が可能になります。

実際にソフトバンクの実証実験では、ミリ波のスタンドアローン構成で下り2Gbps超、上り500Mbps超を記録したと発表されています。特に注目すべきは上り速度で、大容量動画のアップロードやクラウドバックアップの体感時間が大きく変わります。

遅延の面でも違いがあります。Sub-6では数十ミリ秒程度の遅延が発生することがありますが、ミリ波では数ミリ秒〜10ミリ秒以下に抑えられるケースもあります。オンラインゲームやXR用途では、この差が「快適」と「酔いやすい」の分かれ目になります。

ただしミリ波は直進性が強く、壁や人体に遮られやすいという特性があります。そこで現在は、Sub-6を常時接続の“アンカー”にしつつ、条件が良いときだけミリ波で大量データを流すNR-DCという技術が使われています。これにより、速さと安定性を両立できるようになっています。

Sub-6は「広くつながる安心感」、ミリ波は「混雑に強い専用レーン」と考えるとわかりやすいです。

同じ5G表示でも、どの帯域につながっているかで体験は大きく変わります。速度、遅延、そして混雑耐性。この3つの決定的な違いを知っておくことが、これからの5G選びではとても重要です。

2026年のキャリア戦略比較|楽天・KDDIの基地局攻勢とソフトバンクのAI-RAN

2026年の日本では、5Gの「量」ではなく「質」をめぐる競争が本格化しています。総務省によれば5Gエリアカバー率は98.4%に達していますが、都市部の混雑やパケ止まり対策として、各社は次の一手を打っています。

その中心にあるのが、楽天モバイルとKDDIのミリ波基地局拡大、そしてソフトバンクのAI-RAN戦略です。単なる基地局数の勝負ではなく、どのように“体感品質”を上げるかが焦点になっています。

キャリア 主な戦略 特徴
楽天モバイル ミリ波基地局の大量展開 業界最多クラスの局数、Massive MIMO導入率約9割
KDDI(au) 都市動線へのミリ波浸透 駅・街路灯などへのマイクロ基地局設置
ソフトバンク AI-RANによる高度制御 AIでビーム最適化、FWAにも展開

楽天モバイルは約15,000局超のミリ波基地局を展開し、スポットエリアでの高速通信を強化しています。既存インフラが少なかった分、仮想化ネットワークを前提に一気に高密度化した点が特徴です。特定エリアでは他社よりも安定して数百Mbps超を維持するケースも報告されています。

KDDIも約15,000局規模まで拡大し、JR東日本と連携した高輪ゲートウェイ周辺の実証など、生活動線に沿った整備を進めています。単に速いだけでなく、通勤・通学中でも使える環境づくりに力を入れているのがポイントです。

一方でソフトバンクは局数では約6,800局規模と控えめですが、AI-RANという“頭脳化した基地局”で差別化を図っています。NVIDIAのGPUを活用し、人流や通信状況をリアルタイム解析。混雑地点にミリ波ビームを集中させる仕組みです。

同社の発表によれば、ミリ波SA構成で下り最大2.38Gbps、上り最大541Mbpsを記録しています。特に上り速度の強化は、クラウド保存やライブ配信などの体感を大きく変えます。

2026年は「どこが広いか」よりも「混雑時にどこが強いか」がキャリア選びの軸になりつつあります。

楽天・KDDIは物理的な基地局数で“面”を押さえ、ソフトバンクはAIで“質”を高める構図です。ライトユーザーにとっても、イベント会場やターミナル駅で快適に動画やSNSを使えるかどうかは大きな違いになります。

総務省がインフラシェアリングを後押ししていることもあり、2026年後半以降はミリ波エリアの拡大がさらに進む見通しです。各社の戦略は違っても、狙いは共通しています。「真の5G体験」をいかに日常に落とし込むかという一点です。

iPhone 17はなぜミリ波非対応?日本市場で起きているデバイス分断

iPhone 17はなぜミリ波非対応?日本市場で起きているデバイス分断 のイメージ

iPhone 17が日本でミリ波に対応しなかった理由は、単なる技術的制約ではありません。背景にあるのは、日本市場特有のインフラ状況と、Appleのグローバル戦略のバランスです。

報道によれば、iPhone 17シリーズでもミリ波対応は米国本土とプエルトリコ限定とされています。日本モデルはSub-6のみの対応にとどまりました。

その結果、日本では同じ「5Gスマホ」でも体験に差が出る構造が固定化されつつあります。

項目 Sub-6対応(iPhone 17国内版) Sub-6+ミリ波対応端末
利用可能帯域 主に3.7〜4.5GHz帯 Sub-6+28GHz帯
混雑耐性 都市部で影響を受けやすい 高トラフィック時も分散可能
理論速度上限 数百Mbps規模 数Gbps級

総務省の公表では5Gエリアは全国98%超に達していますが、それは「5G表示が出る範囲」を意味します。実際の都市部では、ほぼ全ユーザーがSub-6に集中し、帯域を奪い合う状態が起きています。

そこにミリ波対応端末の有無が影響します。ミリ波は28GHz帯という物理的に別の“道路”を使うため、Sub-6の渋滞を回避できます。

つまり、端末の仕様そのものが通信体験を分断しているのです。

では、なぜAppleは日本でミリ波を広げないのでしょうか。ひとつはコストと需要のバランスです。ミリ波対応には専用アンテナモジュールが必要で、設計も複雑になります。

米国ではVerizonなどが早期からミリ波を積極展開してきましたが、日本ではSub-6中心で面展開が進みました。そのため、Appleにとって日本市場は「必須条件」ではなかった可能性があります。

しかし2026年現在、楽天モバイルやKDDIが1万局超規模でミリ波基地局を展開していると報じられており、状況は変わりつつあります。

結果として、日本では次のような“デバイス分断”が生まれています。

同じ駅、同じ時間、同じキャリアを使っていても、iPhone 17では速度低下が起きる一方、ミリ波対応Androidでは数百Mbpsを維持できるケースがあるのです。

これはキャリアの問題ではなく、端末がアクセスできる周波数の違いによるものです。

ライトユーザーにとっては「普段は困らない」かもしれません。しかし、花火大会やライブ会場、ターミナル駅の混雑時など、“ここぞ”という場面で差が出ます。

今、日本市場ではOSやデザインの違いではなく、電波の掴み方で体験が分かれています。

iPhone 17のミリ波非対応は、スペック表の一行以上に、日本の通信環境における構造的な分断を象徴する出来事と言えるでしょう。

Pixel 10 Pro・Xperia 1 VIIが“真の5G”を体現する理由

2026年の日本で「真の5G」を体験できるかどうかは、端末がSub-6だけでなくミリ波(mmWave)にも対応しているかで大きく変わります。Google Pixel 10 ProとXperia 1 VIIは、その両方に標準対応することで、数字上の5Gではなく“質”の5Gを体現しています。

総務省によれば5Gエリアカバー率は98%を超えていますが、それはあくまで「つながる」割合です。都市部の駅やイベント会場ではSub-6帯が混雑し、体感速度が落ちるケースも少なくありません。そこで効いてくるのが、広大な帯域幅を持つ28GHz帯ミリ波です。

項目 Sub-6 ミリ波
主な帯域幅 約100MHz幅 400〜800MHz幅
混雑時の影響 受けやすい 受けにくい
用途の強み 広いエリア 超高速・低遅延

Pixel 10 Proはn79を含むSub-6とn257ミリ波に対応し、Xperia 1 VIIも同様に国内ミリ波へ対応しています。つまり“一般道”と“専用高速レーン”の両方を走れる設計です。混雑した時間帯でも、条件が整えばミリ波へ切り替わり、大容量通信を一気に処理できます。

さらに重要なのは、最新のSnapdragon 8 Gen 5と新型モデムによるAI支援ビーム管理です。Qualcommの技術資料によれば、AIが端末の向きや周囲環境を学習し、最適なアンテナを瞬時に選択します。従来弱点とされた「遮蔽物に弱い」という課題を大きく改善し、接続の安定性を高めています。

この進化により、駅構内での高画質動画視聴、クラウドへの大容量バックアップ、生成AIとのリアルタイム対話といった用途で違いが出ます。単に最高速度が速いだけではなく、混雑環境でも速度が落ちにくいことこそが“真の5G”の本質です。

KDDIや楽天モバイルがミリ波基地局を積極展開し、ソフトバンクもミリ波SAで下り2Gbps超の実証を公表している現在、インフラ側の準備は着実に進んでいます。そのポテンシャルを引き出せるかどうかは、端末次第です。

Pixel 10 ProとXperia 1 VIIは、ハードウェア段階でその未来をつかめる設計になっています。5Gのアイコンが表示されるだけで満足するのではなく、通信品質を自分で選び取れること。それこそが、この2機種が“真の5G”を体現している最大の理由です。

実測データで見るミリ波の実力|下り2Gbps超・上り500Mbpsの衝撃

理論値ではなく、実際の計測でどこまで出るのか。ここがミリ波の真価を見極める最大のポイントです。

2025年にソフトバンクが実施したミリ波SA構成の実証実験では、下り最大2.38Gbps、上り最大541Mbpsという結果が公表されました。これは商用ネットワーク環境下での測定値であり、カタログスペックではありません。

数字だけではイメージしにくいので、身近な用途に置き換えてみます。

項目 従来Sub-6の目安 ミリ波実測例
下り速度 数百Mbps程度 2.38Gbps
上り速度 数十Mbps程度 541Mbps
4K動画DL(約5GB) 数分 十数秒規模

特に注目したいのが上り500Mbps超という数字です。これまでのモバイル通信は「ダウンロードは速いが、アップロードは遅い」が常識でした。

しかし500Mbps級になると、4K動画のクラウド保存や大容量データの送信も一気に現実的になります。クリエイターだけでなく、家族旅行の動画をその場でバックアップする、といったライトユーザーにも恩恵があります。

総務省が示す通り、日本の5Gエリアカバー率は98%超に達していますが、混雑エリアでは体感速度が落ちることも少なくありません。ミリ波は400〜800MHz幅という広大な帯域を使えるため、物理的に“道路の幅”が違うのです。

また、Snapdragon 8 Gen 5世代ではAI支援ビーム管理により接続安定性が向上しています。Qualcommの資料によれば、ビーム追従性能が強化され、従来より安定した高速通信が可能になっています。

その結果、単発の瞬間最大風速ではなく、実用レベルで2Gbps超を体験できる環境が整ってきました。Webページの読み込みが一瞬で終わり、アプリ更新も体感ゼロ秒に近づきます。

下り2Gbps超・上り500Mbps級は、もはや実験室の数字ではなく、国内商用ネットワークで確認された現実的なスピードです。

もちろん常に最高速度が出るわけではありませんが、混雑したSub-6帯域とは別レーンを使えること自体が大きな価値です。

「5Gは速いらしい」という曖昧な期待を、「本当に桁が違う」と実感に変える。それが、実測データが示したミリ波の衝撃です。

駅・スタジアムで差が出る理由|パケ止まりを回避する“VIPレーン”効果

駅の改札前やスタジアムのハーフタイム。「5G」と表示されているのに、SNSが更新できない――そんな経験はありませんか。

総務省によれば全国の5Gエリアカバー率は98%を超えていますが、実際の体感は場所によって大きく異なります。その差を生むのが、Sub-6とミリ波の“通り道の違い”です。

混雑地帯では、どの周波数に乗れるかで体験が一変します。

項目 Sub-6 ミリ波
主な帯域幅 約100MHz幅 400〜800MHz幅
混雑耐性 利用者集中で飽和しやすい 利用端末が限定的で余裕がある
体感速度(混雑時) 数Mbps〜数十Mbpsに低下することも 数百Mbpsを維持する事例あり

たとえば都内の主要ターミナル駅では、通勤時間帯に数万人規模が同時接続します。Sub-6は多くのスマホが利用する“幹線道路”のような存在なので、一気に渋滞が発生します。

一方で、28GHz帯のミリ波は対応端末が限られるため、同じ場所でもトラフィックが分散されます。KDDIが高輪ゲートウェイ周辺で進める実証では、混雑環境下でもミリ波接続端末が数百Mbpsを維持したと報じられています。

スタジアムでも同様です。ゴール直後に観客が一斉に動画をアップロードすると、上り回線が詰まりやすくなります。Sub-6ではアップロードに数分かかる場面でも、ソフトバンクのミリ波SA実証では上り最大541Mbpsを記録しています。これはクラウド共有やライブ配信の待ち時間を大きく縮めます。

ミリ波対応端末は、混雑した一般レーンを避けて進める“VIPレーン”を持っているようなものです。

さらに2026年の端末では、Qualcommの最新モデムによるNR-DCが成熟し、Sub-6を常時アンカーにしながらミリ波へ瞬時にデータを振り分けます。これにより、接続が切れやすいという従来の弱点が大きく改善されています。

つまり、駅やスタジアムのような“最も困る瞬間”に差が出るのです。普段は気づきにくくても、いざという場面で送れない・見られない・決済できないといったストレスを回避できるかどうかは、対応周波数次第です。

人が集まる場所ほど通信は試されます。そのときに空いているレーンへ自然に乗り換えられるかどうかが、2026年の5G体験を左右します。

XR・遠隔医療・FWAまで拡大するユースケースと今後の展望

ミリ波対応が本領を発揮するのは、スマホ単体の速度競争だけではありません。XR、遠隔医療、そしてFWAといった次世代ユースケースに広がったとき、その価値は一気に現実味を帯びます。

総務省が示す5G高度化の方向性でも、超低遅延・大容量通信は産業・医療・教育分野での活用が前提とされています。ここでは、ライトユーザーにも関係が深い3つの領域に絞って見ていきます。

XR(AR・VR)体験の質を左右する「遅延」

2026年は軽量ARグラスやVRヘッドセットが広がり始めた年です。これらの多くは、描画処理の一部をスマホやクラウドに任せる「スプリットレンダリング」を採用しています。

このとき重要になるのが通信遅延です。Sub-6では混雑時に遅延が増えやすく、映像のわずかなズレが没入感を損ないます。一方、ミリ波は広い帯域と低遅延特性により、頭の動きと映像表示のズレを最小限に抑えられます。

没入感を決めるのは解像度よりも「安定した低遅延」です。XRが日常利用へ進むほど、両対応端末の価値は高まります。

遠隔医療で求められる信頼性

ソフトバンクが発表した実証実験では、ミリ波を活用し救急車内から高精細映像や生体データをリアルタイム送信する取り組みが行われました。従来回線では難しかった高精細映像の安定伝送が可能になっています。

医師が遠隔地から状況を即時把握できることは、初動対応の質に直結します。ここでは速度以上に「途切れないこと」が重要です。

用途 求められる特性 ミリ波の役割
救急搬送中の映像共有 高画質・低遅延 大容量帯域で安定伝送
遠隔診断支援 リアルタイム性 数ミリ秒級の遅延

Sub-6をアンカーにしつつミリ波で大容量データを流すNR-DCの成熟が、こうした用途を現実的なものにしています。

FWAが変える「回線選び」の常識

固定回線の代替として注目されるFWAでも、ミリ波は存在感を強めています。ソフトバンクの発表によれば、ミリ波SA構成で下り2Gbps超、上り500Mbps超を記録しています。

特に上り速度の向上は、動画投稿やクラウドバックアップが日常化した今、体感差として現れます。工事不要で高速通信を確保できる点は、引っ越しが多い人や短期利用にも適しています。

スマホ・XR・家庭用通信が同じミリ波基盤でつながることで、通信は「用途別」から「体験中心」へと進化しています。両対応端末は、その広がるエコシステムにフルアクセスするための鍵になりつつあります。

参考文献