「5G対応スマホを買ったのに、思ったより速くない」「5G+や5GAって何が違うの?」そんな疑問を感じていませんか。

2026年、日本のモバイル通信は“5G-Advanced”という次のステージに進んでいます。これは従来の5Gをさらに進化させた国際標準(3GPP Release 18)に基づくもので、AIによる通信最適化や超低遅延化、衛星通信との連携などが特徴です。

しかし、すべての5Gスマホが5G-Advancedに対応しているわけではありません。見た目では判別できず、モデムやSoCの違いがカギになります。本記事では、ライトユーザーの方にもわかるように、対応端末の見分け方、キャリア別の展開状況、具体的なメリットまでを整理します。読み終えたころには、次に買うべきスマホの基準がはっきりしているはずです。

2026年に本格化する「5G-Advanced」とは何か|従来の5Gとの違い

2026年、スマートフォンの通信は次の段階へ進みます。それが「5G-Advanced(ファイブジー・アドバンスド)」です。

これは国際標準化団体3GPPが策定したRelease 18に基づく進化版5Gで、2024年に仕様が凍結されました。従来の5Gを土台にしながら、より賢く、より安定し、より多用途に進化したのが特徴です。

単なる“速度アップ版”ではない点が最大のポイントです。

項目 従来の5G(Rel-15〜17) 5G-Advanced(Rel-18)
基本コンセプト 高速・大容量通信 知能化・用途拡張
ネットワーク制御 事前設計中心 AI/機械学習を活用
対応分野 スマホ通信中心 XR・IoT・衛星通信まで拡張

エリクソンの技術資料によれば、5G-AdvancedではAIと機械学習を無線インターフェースに統合することが大きな柱とされています。これにより、基地局との電波のやり取りをリアルタイムで最適化し、混雑エリアやビル街でも通信の安定性が向上します。

つまり、「アンテナは立っているのに遅い」という状況を減らす方向へ進化しているのです。

3GPPのRelease 18完了報告でも、AIベースの無線最適化が重要テーマとして明示されています。

また、5G-Advancedは用途の幅も広げています。たとえばXR(ARやVR)向けの最適化です。高精細映像を低遅延でやり取りするための制御技術が強化され、将来的な空間コンピューティング体験を支える基盤になります。

さらにRedCapと呼ばれる中速・低消費電力IoT機器への対応も強化されました。

スマホだけでなく、ウェアラブルや産業機器まで含めたエコシステム全体を進化させる設計になっています。

5G-Advancedは「速さの進化」よりも「賢さと広がりの進化」が本質です。

ここで誤解しやすいのが「5G SA」との違いです。5G SAは5G専用コアを使うネットワーク構成のことを指します。一方、5G-Advancedはその上で動く機能の進化版です。

5G SAは土台、5G-Advancedはその上に乗る最新機能群と考えると分かりやすいでしょう。

国内キャリアはすでに5G SAの展開を進めていますが、Rel-18機能を活かすには端末側の対応も不可欠です。

2026年は、日本のモバイル市場において5G加入者が主流になるタイミングとも重なります。業界分析では5G契約比率が大幅に拡大すると予測されており、その中心が5G-Advanced世代になります。

これからスマホを選ぶなら、「5G対応」だけでなくその中身がRel-18世代かどうかが重要になります。

通信は見えない性能差が体験差に直結する時代に入っています。

5G SAと5G-Advancedは別物?混同しやすい2つの概念を整理

5G SAと5G-Advancedは別物?混同しやすい2つの概念を整理 のイメージ

5Gについて調べていると、「5G SA」と「5G-Advanced」という似た言葉が出てきます。どちらも“5Gの進化版”のように見えますが、実は役割がまったく異なる別物です。

この2つを混同してしまうと、「SA対応って書いてあるから最新なんでしょ?」と誤解しやすくなります。まずは構造的な違いから整理していきましょう。

項目 5G SA 5G-Advanced
位置づけ ネットワーク構成 機能仕様の進化
標準化 主に3GPP Rel-15以降 3GPP Release 18
役割 5G専用コアで動く土台 その上で使う高度機能
関係性 前提条件 SA上で動作

まず5G SA(Standalone)は「ネットワークのつくり方」を指します。従来のNSA方式が4Gの設備を一部使っていたのに対し、SAは5G専用コア(5GC)で構成されます。これによりネットワークスライシングなどの高度な制御が可能になります。

一方で5G-Advancedは、3GPPが2024年6月に仕様凍結したRelease 18を中心とする「機能の進化版」です。3GPPやドコモの技術資料によれば、AIを無線制御に組み込む仕組みや、L4Sによる低遅延制御、RedCap対応強化などが柱とされています。

ここが重要なポイントです。5G SAに対応している=5G-Advancedが使える、ではありません。

SAはあくまで“土台”です。その土台の上で、Rel-18の新機能をネットワーク側と端末側の両方がサポートしてはじめて、5G-Advancedの恩恵を受けられます。端末のモデムがRel-18非対応なら、SA接続できても従来機能までにとどまります。

5G SAは「構造」、5G-Advancedは「中身の進化」。この違いを押さえるだけで理解が一気にクリアになります。

2026年時点では、国内4キャリアはいずれも5G SAの展開を進めています。しかし、それはあくまで前提条件が整った段階です。AI最適化や超低遅延制御といったRel-18特有の機能が全面的に使えるかどうかは、ネットワーク実装状況と端末対応に左右されます。

つまり、SAは「5Gの完成形」ではなく、「5G-Advanced時代に入るための入り口」です。この構造を理解しておくと、カタログの“SA対応”という言葉に惑わされず、本当に新しい体験ができるのかを見極められるようになります。

5G-Advanced対応スマホを見分ける最重要ポイントは「モデム」

5G-Advanced対応スマホかどうかを見分けるうえで、最も重要なのが「モデム(ベースバンドチップ)」です。

カメラ性能やCPUの世代に目が行きがちですが、通信の実力を決めているのは端末内部のモデムです。どれだけ高性能なプロセッサを搭載していても、モデムがRel-18に対応していなければ、5G-Advancedの真価は発揮できません。

3GPPが策定したRelease 18は、AI統合やL4S、NTN(衛星通信)などを含む進化版5Gです。これらを使えるかどうかは、モデムがその仕様をハードウェアレベルでサポートしているかにかかっています。

主要モデムの対応レベル

モデム名 Rel-18対応 特徴
Snapdragon X80 ネイティブ対応 AI統合・6CA・NTN対応
Snapdragon X75 一部対応(Ready) L4S対応・5CAまで
MediaTek M90 Rel-17準拠+Rel-18整合 RedCap強化・省電力設計

たとえばQualcommのSnapdragon X80は、公式資料でもRel-18ネイティブ対応が明言されています。AI専用プロセッサを内蔵し、通信品質や電力効率をリアルタイムで最適化します。

一方でX75は「5G Advanced-ready」と位置づけられており、主要機能には対応するものの、AI処理能力やキャリアアグリゲーションの柔軟性ではX80に一歩及びません。

ここで重要なのは、「5G SA対応=5G-Advanced対応」ではないという点です。SAはあくまでネットワーク構成の話であり、Rel-18機能をフルに使えるかはモデム次第です。

購入前に確認すべきなのは「SoC名」ではなく、その中に統合されているモデム世代です。

とはいえ、一般ユーザーがモデム型番を直接確認するのは簡単ではありません。その場合はSoCを手がかりにします。Snapdragon 8 Elite世代であればX80統合の可能性が高く、ミドルレンジではX75相当になるケースが多いです。

5G Americasの解説によれば、5G-Advancedは単なる速度向上ではなく、AIネイティブ化が本質とされています。そのためAIアクセラレータを内蔵する最新モデムかどうかが、大きな分かれ目になります。

さらにRel-18では、L4Sによる低遅延制御やWUSによる省電力化も盛り込まれています。これらはソフトウェア更新だけでは完全対応できない場合があり、設計段階からの対応が求められます。

つまり、2026年に5G-Advancedを本気で体験したいなら、モデム世代が最新かどうかを確認することが最重要ポイントです。

スペック表の小さな文字こそが、これから数年間の通信体験を左右します。

Snapdragon X80・X75・MediaTek M90の違いと対応レベル

Snapdragon X80・X75・MediaTek M90の違いと対応レベル のイメージ

5G-Advanced対応を見極めるうえで最も重要なのが、スマートフォンに搭載されている「モデム」です。なかでも注目されているのが、QualcommのSnapdragon X80、X75、そしてMediaTekのM90です。

どれも最新世代ですが、対応レベルには明確な違いがあります。3GPP Release 18への対応度合いと、AI機能の有無が大きな分かれ目です。

モデム名 Rel-18対応 主な特徴
Snapdragon X80 ネイティブ対応 AI統合・6CA・衛星通信対応
Snapdragon X75 一部対応(Ready) Rel-17ベース・主要機能対応
MediaTek M90 Rel-17準拠+Rel-18整合 RedCap強化・省電力志向

Snapdragon X80は、現時点で最も完成度の高い5G-Advanced対応モデムです。Qualcommの公式資料によれば、設計段階からRel-18仕様を前提に開発されており、AI専用プロセッサを内蔵しています。

このAIが通信状況をリアルタイムで解析し、ビーム選択や電力制御を最適化します。基地局の端にいるときでも粘り強くつながるのが大きな強みです。さらにSub-6で最大6キャリアアグリゲーションに対応し、将来の衛星通信(NB-NTN)にもネイティブ対応します。

一方のSnapdragon X75は「5G Advanced-ready」と位置づけられています。Rel-17をベースにしながら、ソフトウェアで実装可能なRel-18機能を取り込める設計です。

キャリアアグリゲーションは最大5波までで、AI処理能力もX80ほど強力ではありません。ただしL4Sなどの主要機能には対応しており、体感差は限定的なケースも多いです。

MediaTek M90は、Rel-17準拠でありながらRel-18との整合性を持つ設計と発表されています。特にRedCap対応を強化しており、省電力性能に優れています。

フル機能の5G-Advanced体験を求めるならX80、価格と性能のバランスならX75、電力効率やIoT志向ならM90という棲み分けが現実的です。

ライトユーザーにとって重要なのは、「5G SA対応」だけでは不十分という点です。Rel-18をハードウェアレベルで支えるモデムかどうかが、今後数年間の快適さを左右します。

端末選びの際は、SoC名だけでなく、その中にどのモデムが統合されているかまで確認することが、後悔しないためのポイントです。

SoCから判別する方法|Snapdragon 8 EliteやTensor G5は対応している?

5G-Advanced対応かどうかを見分けるうえで、もっとも確実なのが「SoC(プロセッサ)」から判別する方法です。

スマホの通信性能は、実はアンテナ表示ではなく、内部に搭載されたモデム性能でほぼ決まります。そしてそのモデムは、多くの場合SoCに統合されています。

つまり、搭載SoCを確認すれば、5G-Advanced(Rel-18)への対応度がおおよそ判断できます。

SoC名 想定モデム 5G-Advanced対応度
Snapdragon 8 Elite Snapdragon X80 完全対応
Snapdragon 7+ Gen 3 X75系 一部対応(Ready)
Google Tensor G5 Exynos系(推定) 要確認

まず注目すべきは、2026年フラッグシップに搭載されているSnapdragon 8 Eliteです。

Qualcomm公式資料によれば、このチップはSnapdragon X80モデムを統合し、3GPP Release 18をネイティブサポートしています。AIによる無線最適化や6キャリアアグリゲーション、NTN(衛星通信)など、5G-Advancedの中核機能をハードウェアレベルで扱えます。

Galaxy S26シリーズやXperia 1 VIIなどが該当し、現時点で最も安心して選べる選択肢といえます。

一方で、Snapdragon 7+ Gen 3や8s Gen 3はどうでしょうか。

これらはX75系モデムをベースとしており、Qualcommは「5G Advanced-ready」と位置づけています。L4Sなど一部機能には対応可能ですが、X80ほどのAI処理能力や拡張性はありません。

ライトユーザーであれば体感差は小さい可能性がありますが、将来性を重視するなら8 Eliteとの差は意識したいところです。

そして気になるのがGoogle Tensor G5です。

Pixel 10シリーズに搭載されるこのSoCはTSMC製造へ移行しますが、モデムはQualcomm製ではなくExynos系ベースになる可能性が指摘されています。Redditや業界報道でも議論されていますが、Rel-18への対応度は正式スペック発表を確認する必要があります。

Androidの最新機能への最適化は期待できますが、通信面ではSnapdragon X80搭載機とは挙動が異なる可能性があります。

ここで重要なのは、「5G SA対応」と「5G-Advanced対応」は別物だという点です。

3GPPやドコモの技術解説でも明示されている通り、Rel-18機能を活かすには対応モデムが必要です。SA接続できるだけでは不十分です。

購入前に公式サイトや発表資料でSoC名を確認するだけで、将来の通信体験は大きく変わります。

Snapdragon 8 Elite搭載=5G-Advanced本命クラスと覚えておくと失敗しにくいです。

アンテナ表示やキャリアの宣伝文句に惑わされず、まずはSoCを見る。これが2026年のスマホ選びで後悔しないための、いちばんシンプルで確実な方法です。

キャリア別5G-Advanced戦略|ドコモ・au・ソフトバンク・楽天の違い

5G-Advancedは同じ規格をベースにしていますが、実際の進め方はキャリアごとに大きく異なります。
総務省の方針や3GPP Release 18仕様を土台にしつつも、各社は自社の強みを軸に差別化を図っています。
ライトユーザーにとっては、「どの会社が何を重視しているのか」を知ることが、後悔しない選択につながります。

キャリア 戦略の軸 ユーザーへの体感メリット
ドコモ AI無線制御・広帯域化 混雑時でも安定しやすい
au(KDDI) 衛星通信(NTN)・スライシング 圏外対策・用途別最適化
ソフトバンク L4S低遅延・XR強化 ゲームや動画が快適
楽天モバイル 完全仮想化ネットワーク 機能追加が速い

ドコモは「5G Evolution」構想の延長線上で、Rel-18のAI活用を本格実装しています。ドコモの技術資料によれば、AI/MLを用いた無線最適化を強化し、ビーム制御やトラフィック分散を高度化しています。都市部の駅やイベント会場で「つながりにくい」と感じにくくなるのが狙いです。表示上は従来どおり「5G+」でも、中身が進化している可能性があります。

auはKDDIの強みであるStarlink連携を前面に押し出しています。Rel-18で強化されたNTN(非地上系ネットワーク)との親和性を活かし、空が見える場所なら通信できるエリアを広げています。さらにネットワークスライシングの実用化も進めており、用途ごとに通信品質を最適化する取り組みを展開しています。

ソフトバンクは低遅延技術L4Sで先行しています。エリクソンおよびQualcommとの商用網実証では、従来比で約90%の遅延削減を確認したと発表されています。オンラインゲームやXR用途で「ラグが少ない」と体感しやすい方向に進化しているのが特徴です。

楽天モバイルは完全仮想化ネットワークを武器に、ソフトウェアアップデートによる機能追加を迅速に行える体制です。CiscoやNokiaと連携し5G SA基盤を強化しており、特に法人向けスライシングで差別化を図っています。一般ユーザーにとっては、今後の機能拡張スピードに期待できるキャリアと言えます。

同じ5G-Advancedでも、重視するポイントはここまで違います。
安定性重視ならドコモ、圏外対策ならau、低遅延体験ならソフトバンク、進化の速さなら楽天という視点で選ぶと、自分に合ったキャリアが見えてきます。

iPhone 17 Pro・Galaxy S26など主要端末の対応状況一覧

2026年時点で、日本国内で入手しやすい主要ハイエンド端末の5G-Advanced(Rel-18)対応状況を整理します。ポイントは搭載モデムとSoCです。3GPP Release 18にネイティブ対応するモデムを積んでいるかどうかが分かれ目になります。

機種名 搭載SoC / モデム 対応状況
iPhone 17 Pro / Pro Max A19 Pro + Snapdragon X80(推定) 完全対応
Galaxy S26 Ultra Snapdragon 8 Elite(X80統合) 完全対応
Xperia 1 VII Snapdragon 8 Elite 完全対応
AQUOS R10 Snapdragon 7+ Gen 3 一部対応(Ready)
Pixel 10 Pro Tensor G5(モデム仕様要確認) 条件付き

iPhone 17 Proシリーズは、分解レポートなどでQualcomm製Snapdragon X80モデムの搭載が示唆されています。Qualcomm公式資料によれば、X80はRel-18を前提に設計され、AIによる無線最適化や6キャリアアグリゲーションに対応します。つまり、ハードウェアレベルで5G-Advanced機能を活用できる世代です。

Galaxy S26 UltraやXperia 1 VIIも、Snapdragon 8 Elite世代を採用しており、同じくX80系モデムを統合しています。特にソフトバンクが実証を進めるL4Sのような低遅延技術や、KDDIの衛星連携(NTN)との親和性が高い点は見逃せません。今後数年を見据えて安心して選べる層といえます。

一方、AQUOS R10はSnapdragon 7+ Gen 3を搭載し、Rel-17ベースの機能拡張には対応しますが、X80ほどのAI処理能力や拡張性はありません。日常利用では十分高速ですが、5G-Advancedの全機能を使い切るタイプではないという位置づけです。

Pixel 10 ProはTensor G5を採用していますが、モデム仕様の詳細次第で対応度が変わります。GoogleはOSレベルの最適化に強みがありますが、Rel-18機能の網羅性は発売時点の公式スペック確認が必須です。

結論として、確実に5G-Advancedをフル活用したいなら「Snapdragon X80世代」を搭載した端末が目安になります。

ライトユーザーの場合でも、今後2〜3年の買い替えサイクルを考えると、通信基盤が進化するタイミングで対応端末を選んでおくことは大きな意味があります。スペック表の「5G対応」だけでなく、SoCとモデム世代まで一歩踏み込んで確認することが、後悔しない選び方です。

画面の『5G+』『5GA』表示の意味と設定画面での確認方法

スマホの画面右上に表示される「5G+」や「5GA」。見慣れない表示に「これって何が違うの?」と感じたことはありませんか。結論から言うと、どちらも“通常の5Gより高機能な状態”を示すアイコンですが、意味合いと採用状況には違いがあります。

まずは違いを整理してみましょう。

表示 主な意味 日本での状況
5G+ ミリ波や複数周波数の同時利用(CA)など高速通信状態 主要3キャリアで広く使用
5GA / 5G-A 5G-Advanced(Rel-18)機能が有効な状態 海外中心、日本では限定的

「5G+」は、これまでも使われてきた表示で、主にミリ波接続やSub-6のキャリアアグリゲーション時に表示されます。3G4G Blogなどの技術解説によれば、これは必ずしも5G-Advanced専用ではなく、Rel-15/16世代でも表示される仕組みです。

一方の「5GA」や「5G-A」は、3GPP Release 18、いわゆる5G-Advancedに関連する高度な機能が有効なときに表示されるケースが海外で確認されています。ただし、日本国内では2026年時点でもこの専用アイコンは標準化されていない可能性が高いです。

「5GAが出ない=5G-Advanced非対応」とは限りません。日本では表示を「5G」や「5G+」に統一する傾向があるため、アイコンだけで完全判断するのは難しいです。

では、どう確認すればよいのでしょうか。ポイントは設定画面です。

Androidの場合、「設定」→「ネットワークとインターネット」内に、ゲーム優先やプレミアム通信といった通信品質制御に関する項目が表示されていれば、ネットワークスライシング(URSP)対応の可能性があります。これは5G SAおよび発展機能を活用する仕組みです。

また、「衛星通信」「非地上系ネットワーク(NTN)」といった項目がモバイル通信設定内にあれば、Rel-17/18世代の機能が有効化されているサインです。3GPPやEricssonの資料でも、NTNは5G-Advancedの重要要素と位置づけられています。

iPhoneの場合は、「設定」→「モバイル通信」や「緊急SOS」内に衛星通信関連の表示が追加されているかを確認します。ステータスバー表示よりも、設定項目の有無のほうが実態を反映していることが多いです。

ライトユーザーの方は、まず「5G+が出ている=高速エリア」「設定に新しい通信関連項目がある=最新世代対応の可能性あり」と覚えておくと十分です。アイコンはヒント、最終確認は設定画面。この視点でチェックすれば、表示に振り回されずに自分の端末の実力を見極められます。

5G-Advancedで何が変わる?低遅延・省電力・衛星通信の実力

5G-Advancedは「速くなる」だけの進化ではありません。3GPPが2024年に仕様を凍結したRelease 18では、通信の質そのものを底上げする改良が数多く盛り込まれました。ライトユーザーにとって体感しやすいのが、低遅延・省電力・衛星通信の3つです。

まずは違いを整理してみましょう。

進化ポイント 従来5G 5G-Advanced
遅延 エリアや混雑で変動 L4Sなどで大幅低減
電力効率 待機時の消費が課題 WUSで待機電力を削減
圏外対策 基本は地上基地局のみ NTNで衛星と直接通信

低遅延の象徴がL4Sです。エリクソンとソフトバンクなどの実証によれば、5G SA環境で遅延を従来比約90%削減できたと報告されています。オンラインゲームやクラウドゲームで「押したのに遅れる」感覚が減り、ビデオ通話でも声と映像のズレが起きにくくなります。

しかもこれは一部のプロ用途だけの話ではありません。XRやリアルタイム翻訳のように、わずかな遅れが体験を左右するアプリが増える中で、通信の安定した速さよりも「反応の速さ」こそが価値になってきています。

次に省電力です。3GPPの技術資料でも示されているWUS(Wake-Up Signal)は、データ通信がない間に端末の無線回路をより深くスリープさせる仕組みです。対応ネットワークと組み合わせることで、5G待機時の消費電力が10〜20%程度改善すると見込まれています。

動画を見ていないとき、SNSを開いていないときにも5Gは裏で待機しています。その“見えない時間”の効率化によって、体感できるバッテリー持ちの向上が期待できます。ライトユーザーほど恩恵を受けやすいポイントです。

そして最も分かりやすい変化が衛星通信です。Release 18ではNTN(非地上系ネットワーク)が本格強化されました。KDDIとSpaceXの取り組みのように、対応端末であれば空が見える場所で衛星と直接通信できる仕組みが広がりつつあります。

山間部や災害時など、これまで「圏外」と表示されていた場所でも最低限のデータ通信が可能になります。これは単なる利便性ではなく、安心感のアップデートと言えるでしょう。

5G-Advancedは目に見える“爆速化”よりも、日常のストレスを減らす方向に進化しています。遅れにくく、電池が長持ちし、圏外が減る。こうした積み重ねが、次世代通信の本当の実力です。

参考文献