最新の調査によると、iPhoneユーザーの73%、Samsung Galaxyユーザーの87%が「AI機能はスマホ体験に価値をもたらしていない」と考えていることが明らかになった。Appleの「Apple Intelligence」、Samsungの「Galaxy AI」、Googleの「Gemini」など、各社が次々とAI機能を搭載しているものの、多くのユーザーにとっては実用性が低いと感じられているようだ。
さらに、AI機能のために追加料金を支払いたくないと回答したのは、iPhoneユーザーの86.5%、Samsung Galaxyユーザーの94.5%にのぼる。特にGalaxy S25シリーズでは「Gemini Advanced」が6か月無料で提供されるが、その後の有料サブスクリプションに移行するユーザーは少ないと予想される。
一方で、AI機能がスマホ選びの決め手になるかについては意見が分かれる。iPhoneユーザーの約48%がAIを考慮すると答えたのに対し、Samsungユーザーでは約24%にとどまった。調査結果を見る限り、メーカーが推し進める「AI時代」に対し、ユーザーの多くは冷ややかな視線を向けているようだ。
スマホAI機能に価値を感じないユーザーが多数派に

スマートフォンにおけるAI機能の重要性について、新たな調査が興味深いデータを示している。SellCellの調査によれば、iPhoneユーザーの73%、Samsung Galaxyユーザーの87%が「AIはスマホの使用体験にほとんど価値を与えていない」と回答した。
この結果は、AppleやSamsungが次世代スマートフォンの主要機能としてAIを推進する中で、多くのユーザーがその有用性を実感できていない現実を浮き彫りにしている。AI機能が搭載されたスマートフォンを所有するユーザーのうち、実際にAIを試したことがあるのはiPhoneユーザーの約42%、Galaxyユーザーの約47%にとどまる。
つまり、半数以上のユーザーはAIを活用しようともしていない。特に、Appleの「Apple Intelligence」やSamsungの「Galaxy AI」といった新機能が話題を集める一方で、実際に使用しているユーザーは限られている。これは、メーカー側の宣伝と実際のユーザー体験との間に大きなギャップがあることを示唆している。
また、スマホの買い替え時にAI機能を重視するかどうかについても、ユーザーによって意識の差が大きい。iPhoneユーザーの約48%がAIを考慮すると答えたのに対し、Galaxyユーザーでは約24%と半数以下の割合にとどまった。この結果からも、AI機能が一部のユーザーにとっては魅力的に映るものの、多くのユーザーにとってはまだ必要不可欠な要素ではないことがわかる。
AI機能に追加料金を支払う価値はあるのか?
AI機能の有料化についても、今回の調査は興味深い結果を示している。iPhoneユーザーの86.5%、Samsung Galaxyユーザーの94.5%が「AI機能のために追加料金を支払いたくない」と回答した。これは、メーカーがAI機能をプレミアムサービスとして提供しようとする動きに対し、ユーザーの多くが否定的な見解を持っていることを示している。
特にSamsung Galaxyユーザーの拒否反応は顕著だ。Galaxy S25シリーズではGoogleの「Gemini Advanced」が6か月間無料で提供されるが、その後は有料サブスクリプションに移行する仕組みとなっている。しかし、今回の調査結果を見る限り、ほとんどのユーザーが無料期間終了後にサービスを継続しない可能性が高い。
一方、Appleの「Apple Intelligence」については、今のところ有料化の方針は発表されていない。しかし、将来的に有料プランが導入された場合、ユーザーがどのように反応するかは未知数だ。もしAppleが有料AI機能を提供することになれば、その価値をユーザーに納得させるためには、現在のAI機能よりもはるかに実用的なものを提供する必要があるだろう。
スマホAIの未来は「実用性」がカギを握る
今回の調査からわかるのは、スマートフォンに搭載されるAI機能が現時点では多くのユーザーにとって魅力的に映っていないという事実だ。Apple、Samsung、Googleが次世代スマートフォンの重要な要素としてAIを押し出しているものの、多くのユーザーはその有用性を実感できず、AI機能を積極的に活用していない。
その要因の一つとして、AI機能の使い方が直感的でなく、ユーザーにとって習慣化しづらい点が挙げられる。スマートフォンのAI機能はカメラ補正、文章生成、翻訳、ボイスアシスタントなど多岐にわたるが、これらの機能をどのように日常生活に取り入れればよいのかが明確になっていない。結果として、存在は知っていても、実際には使われていない状況が生まれている。
また、AIの性能自体に対する不満も一因となっている。調査では、iPhoneユーザーの約20%、Galaxyユーザーの約40%が「AIの精度が低すぎる」と感じていると回答した。これは、AIの性能がまだ十分に信頼できるレベルに達していないと感じるユーザーが多いことを示している。
今後、メーカーがAI機能を普及させるためには、ユーザーにとって実際に役立つ場面を増やし、使い方をよりシンプルにする必要があるだろう。例えば、AIが日常のルーチンを学習し、ユーザーが意識せずとも最適なサポートを提供するような仕組みが整えば、AIの活用率は大きく向上するかもしれない。
スマートフォンにおけるAIの未来は、単なる「売り文句」ではなく、実際にユーザーの生活を向上させることができるかどうかにかかっている。
Source:TechRadar