バルセロナで開催中のMWC 2025では、Lenovo、Samsung、Xiaomi、Nothingが新たなデバイスやコンセプトモデルを発表し、技術革新が一層進んでいる。LenovoはThinkPadシリーズの進化系や太陽光充電が可能な「Yoga Solar PC Concept」などを披露。
Samsungはミッドレンジスマホ「Galaxy A56」や折りたたみゲーミングデバイスを公開した。XiaomiはLeica監修の高性能カメラを搭載した「Xiaomi 15 Ultra」を発表。さらにGoogleはAndroidの新AI機能を発表し、リアルタイムの映像解析やスクリーンシェア機能を導入する。MWC 2025では、未来のテクノロジーを垣間見ることができるイベントとなった。
Lenovoの革新的なコンセプトデバイス 未来のPCの形を示す新技術

LenovoはMWC 2025で多数の新製品を発表したが、特に注目されたのはコンセプトデバイス群だ。「Yoga Solar PC Concept」は、20分間太陽光を浴びるだけで1時間の動画再生が可能なノートPCで、最低0.3ワットの光があれば充電できる仕組みを採用。従来のバッテリー技術と異なり、電源が確保しづらい環境でも動作可能な点が画期的である。
また、「ThinkBook Flip AI PC Proof of Concept」は、13インチから18.1インチへと拡張できる柔軟なディスプレイを搭載。タブレットの可搬性とノートPCの操作性を両立させる設計だ。さらに、ThinkBook用の追加ディスプレイとして、8インチのサイドディスプレイや「Magic Bay Dual Display Concept」といった拡張可能なモニターが公開され、カスタマイズ性の向上が図られている。
これらの技術が実際に市場投入されるかは未確定だが、未来のPCのあり方を示唆するものといえる。特にソーラーパネル搭載PCは、環境問題への対応やバッテリーの持続時間に対する不満を解消する可能性があり、多くのユーザーの関心を引くだろう。折りたたみディスプレイの進化も進んでおり、今後のPC市場に大きな影響を与えることが予想される。
SamsungとXiaomiの最新スマホ 進化するカメラとAI技術
SamsungはMWC 2025で、ミッドレンジ向けの「Galaxy A56」をはじめ、「Galaxy A36 5G」「Galaxy A26 5G」を発表した。A56は50MPのメインカメラに加え、ポートレートモードの強化やオブジェクト消去機能といったAI技術を搭載。ディスプレイは6.7インチで、薄型化されたボディデザインも特徴的である。
また、デュアルヒンジ構造の折りたたみスマホや、「Flex Gaming」というゲーミング向けデバイスのコンセプトも公開され、今後の製品化が期待される。一方、Xiaomiは「Xiaomi 15 Ultra」を発表し、カメラ性能の強化に注力。Leicaと共同開発した50MPの1インチセンサーを採用し、200MPのペリスコープカメラを搭載することで、高精細なズーム撮影を可能にした。
また、専用の「Photography Kit」も用意され、シャッターボタン付きグリップやビデオ専用ボタンなど、カメラ機能に特化したアクセサリーが揃えられている。スマートフォン市場では、ハードウェアの進化だけでなく、AIを活用した機能が重要な要素となりつつある。
Samsungは撮影の補助機能としてAIを活用し、Xiaomiはハードウェア性能で差別化を図る戦略を採っている。今後もスマホのカメラ性能は進化を続け、プロ仕様の撮影機能を搭載したモデルが増えていくと考えられる。
Androidの新AI機能 Geminiによるリアルタイムアシストがスマホ体験を変える
GoogleはMWC 2025で、Android向けの新しいAI機能を発表した。「Live Video」は、スマートフォンのカメラ映像をGeminiに共有し、リアルタイムで質問できるシステム。たとえば、料理のレシピを知りたい場合、食材をカメラに映すだけでAIが適切な提案を行う。
また、「スクリーンシェア機能」は、スマホ画面をAIに見せながら指示を出せる機能で、アプリの使い方を知りたい場合などに役立つ。
これらの機能は、特にアクセシビリティの向上に寄与する可能性が高い。視覚障害を持つユーザーにとって、カメラを通じた情報提供が日常生活の支援となる場面は多い。また、高齢者やデジタルデバイスに不慣れなユーザーも、AIを利用してスマホ操作のハードルを下げることができる。
Googleはまず、Gemini Advanced(Google One AI Premium)の加入者向けにこれらの機能を提供する。今後、標準機能として広く展開されるかは不明だが、AIがスマホの利便性を向上させる動きは今後も加速していくだろう。スマートフォンは単なる通信端末ではなく、AIによる個人アシスタントとしての役割が強まっていくと考えられる。
Source:Engadget