NVIDIAの最新GPU「RTX 5070」が発売直前にもかかわらず、深刻な供給不足に陥る可能性が浮上した。スウェーデンの大手小売業者Inetは、「現時点でまったく在庫が確保できていない」と報告し、流通状況に懸念を示している。

この情報は、以前から囁かれていたRTX 5070の供給難の噂を裏付けるものであり、一部の専門家も「供給状況は最悪」と警鐘を鳴らす。仮にこの供給不足が現実となれば、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell」を採用するRTX 5070は、RTX 5090と同様の品薄状態に陥る可能性が高い。

加えて、競合であるAMDのRX 9070シリーズが安定した供給を維持できれば、市場の勢力図にも影響を及ぼすかもしれない。RTX 5070の需要は高く、入手競争が激化する可能性があるため、最新GPUの購入を検討しているユーザーにとっては慎重な判断が求められる。

小売業者が「在庫ゼロ」と警告 RTX 5070の供給不足は確実か

NVIDIAのRTX 5070が発売を目前に控える中、スウェーデンの大手小売業者Inetが「初回入荷分の在庫がまったく確保できていない」と報告した。この発表は、以前から囁かれていた供給不足の懸念をさらに強めるものとなった。

Inetの発言によると、同社ではRTX 5070の在庫が全くなく、入荷しても1枚ずつ販売する形になるという。これは、RTX 5090の発売時と同様の展開となる可能性を示している。さらに、一部の流通業者は「Amazonのような大手販売サイトですらRTX 5070を確保できていない」との情報を明かしており、供給状況は想像以上に厳しいようだ。

これまでのRTX 5000シリーズの供給状況を振り返ると、RTX 5090も発売時に品薄状態となり、購入希望者が殺到した。RTX 5080は若干マシだったものの、それでも供給不足が発生し、価格の高騰が見られた。今回のRTX 5070も同様の展開を辿る可能性があり、購入希望者にとっては入手が困難になるかもしれない。

供給不足の影響で価格高騰の可能性 購入タイミングは慎重に

RTX 5070が供給不足となれば、当然ながら価格の高騰が予想される。特に初回入荷分が極端に少ない場合、転売市場での価格が跳ね上がる可能性が高い。過去の例を見ても、RTX 4090やRTX 3080は発売直後に価格が倍近くに跳ね上がった経緯がある。

また、今回の供給不足の背景には、NVIDIAの生産計画の影響も考えられる。RTX 5070は「Blackwell」アーキテクチャを採用した初のミドルレンジモデルであり、製造プロセスがRTX 4090やRTX 4080とは異なる可能性がある。さらに、GPUの製造を委託しているTSMCの生産能力の問題や、半導体供給の制約が影響しているのかもしれない。

購入を検討しているユーザーにとって、最も懸念すべき点は「いつ買うべきか」というタイミングだ。発売直後は供給が極端に少なく、価格が不安定になることが予想される。仮に供給が安定するまで待つ選択肢もあるが、それがいつになるかは不透明だ。価格が下がる可能性があるものの、待つ間に他の新製品が登場し、市場の状況が変わる可能性も考えられる。

AMDのRX 9070が競争優位に 供給安定なら市場シェアに影響も

もしRTX 5070の供給不足が深刻化すれば、AMDのRX 9070シリーズが市場での存在感を高めることになるかもしれない。RX 9070とRX 9070 XTは、RDNA 4アーキテクチャを採用した次世代モデルとして期待されている。

現時点でAMDのRX 9070シリーズに関する詳細な情報は限られているが、供給状況に関しては比較的安定しているとの噂がある。これが事実であれば、RTX 5070の在庫不足に不満を持つユーザーがAMDの製品に流れる可能性が高い。特に、RTX 5070と同等のパフォーマンスを持つモデルが十分な数量用意されているなら、購入希望者の選択肢は大きく変わるだろう。

また、AMDは価格戦略において競争力のある設定をすることが多い。もしRX 9070シリーズがRTX 5070よりも安価で、なおかつ供給が安定しているなら、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるはずだ。結果として、RTX 5070の供給不足は、AMDにとって大きなチャンスとなるかもしれない。

Source:TweakTown