Appleは2025年6月のWWDCでiOS 19を発表し、同年9月に正式リリースする見込みだ。iPhone 17シリーズと同時に登場するとされ、幅広いデバイスが対応予定だが、正式なサポート機種は今後の発表次第となる。
iOS 19では「Apple Intelligence」を活用した機能の拡充が期待されているが、一部の新機能は開発の遅れが指摘されている。特に、ChatGPTのような自然な対話を実現するSiriの新システムは、正式リリース時には搭載されず、2026年初頭に提供される可能性がある。
また、カメラアプリのデザインが刷新されるとの噂もあり、操作性の向上やUIの簡素化が図られるとみられる。WWDC 2025での詳細発表を前に、さらなる情報が待たれる。
iOS 19のリリーススケジュールと対応デバイスの見通し

iOS 19は2025年6月に開催されるWWDC 2025で正式発表され、9月にリリースされる見込みだ。例年、Appleは新型iPhoneと同時に最新のiOSを公開しており、2025年は「iPhone 17」シリーズとともに登場する可能性が高い。WWDCでの発表後、開発者向けベータ版が即日提供され、7月には一般向けのパブリックベータ版も開始されると考えられる。
対応デバイスについては、iOS 18に対応したすべての機種がiOS 19にも対応すると予想されている。現在の情報では、2018年に発売されたiPhone XS、XS Max、XR以降のモデルがサポート対象となる。ただし、今後の開発状況によっては、より古いモデルのサポートが終了する可能性もある。特に、iPhone XSやXRはA12 Bionicチップを搭載しており、最新のAI機能や新技術の処理能力を考慮すると、iOS 19でのサポートが打ち切られる可能性も指摘されている。
一方で、Appleは新機能をより多くのデバイスに提供するため、最適化に注力しているとみられる。iOS 18で導入された「Apple Intelligence」はハードウェアの性能に依存するため、iOS 19ではより高度な処理が求められることが予想される。今後、WWDCや開発者向けテストを通じて、正式な対応デバイスが明らかになっていくだろう。
Siriの進化は遅れるのか AI技術の導入と課題
iOS 19ではSiriが大きく進化すると報じられているが、その実装には遅れが生じる可能性がある。Appleは「大規模言語モデル(LLM)」を活用し、Siriをより自然な会話が可能なアシスタントへと進化させる計画だ。これにより、ChatGPTのようにユーザーの指示に対して的確な回答を返し、長い文脈を理解する機能が追加されるとされている。しかし、この新しいSiriはiOS 19のリリース時点では搭載されず、2026年初頭に提供される可能性がある。
Appleは、2024年からAI技術の強化に力を入れており、iOS 18の「Apple Intelligence」では初めてAIを本格導入した。だが、AppleのAI技術はまだ発展途上であり、GoogleのGeminiやOpenAIのChatGPTと比較すると、機能面での遅れが指摘されている。iOS 19でSiriの機能を大幅に拡張するためには、さらなる最適化とテストが必要となるだろう。
特に、プライバシー保護を重視するAppleの方針が、新Siriの開発を慎重に進める要因になっていると考えられる。Appleはクラウド上でAIを処理するのではなく、デバイス内で処理を行う「オンデバイスAI」の強化を進めている。これにより、ユーザーのデータを外部サーバーに送信せずにAI機能を利用できる利点があるが、一方で計算処理能力が必要となるため、開発のハードルが高いといえる。
このような背景から、Siriの大規模なアップデートはiOS 19の正式リリース時には間に合わず、2026年のアップデートで段階的に提供される可能性が高い。Appleは既存のSiriを改善しながら、新しいSiriを並行して開発しており、完全な統合は2026年春になると見込まれている。
iOS 19のカメラアプリ刷新 ユーザー体験はどう変わるのか
iOS 19ではカメラアプリのデザインが大幅に変更される可能性がある。2025年1月にJon Prosser氏が公開した情報によると、AppleはカメラアプリのUIを一新し、より直感的な操作を実現する方針だという。具体的には、設定項目が統合され、スワイプ操作でアクセスしやすくなるほか、画面全体がビューファインダーとして機能するデザインへ変更されるとされている。
この変更の背景には、Appleが近年進めているUIの簡素化がある。例えば、Apple Vision Proの「visionOS」では、物理ボタンを減らし、視線やジェスチャーで操作するインターフェースを採用している。iOS 19のカメラアプリも、この流れを反映したデザインになる可能性が高い。ただし、visionOSとは異なり、タッチ操作を前提としたUIになるため、すべての要素がそのまま導入されるわけではない。
新しいカメラアプリでは、フロントカメラとバックカメラの切り替えがよりスムーズになり、解像度やフレームレートの設定変更も簡単になると予想される。特に、プロ向けの撮影機能を強化する可能性があり、iPhone 17 Proシリーズ向けには専用の撮影モードが用意されることも考えられる。
一方で、こうした変更がすべてのユーザーに歓迎されるとは限らない。カメラアプリのUI変更は過去にも行われており、新しいデザインに慣れるまで時間がかかるという声も多かった。特に、従来のカメラアプリの操作に慣れたユーザーにとって、設定の変更方法が変わることで混乱が生じる可能性もある。
今後のベータ版テストを通じて、ユーザーからのフィードバックが反映されることになるだろう。iOS 19の正式発表後、実際にどのような変更が加えられるのかに注目が集まる。
Source:AppleInsider