Xiaomiが最新フラッグシップモデル「Xiaomi 15 Ultra」を中国市場向けに発表した。本機は、Snapdragon 8 Eliteを搭載し、最大16GB RAMと1TBストレージに対応するなど、ハイエンド仕様を維持している。最大の進化はカメラシステムで、新たに200MPのペリスコープレンズを搭載。

ライカ監修のクアッドカメラと組み合わせることで、さらなる高精細な撮影を可能にする。ディスプレイは前モデル同様6.73インチLTPOパネルを採用し、Xiaomi Shield Glass 2で保護されている。バッテリーは6000mAhへと強化され、Wi-Fi 7やBluetooth 6.0にも対応。3月2日にMWCバルセロナでのグローバル発表が予定されており、国際市場での展開に注目が集まる。

Xiaomi 15 Ultraのカメラ性能 200MPペリスコープレンズが生み出す新たな可能性

Xiaomi 15 Ultraは、従来のライカ監修のクアッドカメラシステムに、新たに200MPのペリスコープレンズを加えた。このレンズはSamsung製のHP9センサーを採用し、高精細なズーム撮影を可能にする。前モデルのXiaomi 14 Ultraは、50MPの望遠レンズを搭載していたが、今回の200MPペリスコープレンズによって、細部の描写力が向上すると期待されている。

さらに、50MPのSony LYT-900メインカメラ、50MPのIMX858望遠カメラ、50MPのSamsung JN5超広角カメラを組み合わせることで、多様な撮影シーンに対応できる構成となっている。この新型ペリスコープレンズは、従来の光学ズームを超える画質を提供するとされている。

高画素数の利点を活かし、AIによるデジタルズームと組み合わせることで、遠距離撮影でもディテールを損なわずにクリアな画像を得られる可能性がある。また、8K/30fpsの動画撮影にも対応しており、ハイクオリティな映像制作を求めるユーザーにも魅力的な仕様となっている。

一方で、200MPという超高解像度センサーを搭載することによるデータ処理の負荷や、低照度環境でのノイズ制御などの課題も考えられる。これまでのスマートフォンカメラに比べ、より精細な画像処理が求められるため、実際の撮影性能はソフトウェアの最適化次第といえるだろう。

とはいえ、Xiaomiが近年強化しているカメラ技術を考慮すれば、従来のフラッグシップモデルと比較してさらなる進化が期待される。

6000mAhの大容量バッテリー 長時間駆動を実現できるのか

Xiaomi 15 Ultraは、前モデルと比較して大幅にバッテリー容量を増強し、6000mAhのバッテリーを搭載した。これは、従来のスマートフォンに比べても大容量であり、長時間の使用が可能になると考えられる。前モデルのXiaomi 14 Ultraは5000mAhだったため、1000mAhの増加は実使用においても大きな影響を与えるだろう。

バッテリーが増えたことで、より長時間の撮影やゲームプレイ、動画視聴が可能になる。ただし、Snapdragon 8 Eliteの消費電力や、6.73インチのLTPOディスプレイの電力消費を考慮すると、バッテリー持ちが単純に1.2倍向上するとは限らない。特に、120Hzの高リフレッシュレートは消費電力が大きいため、実際の駆動時間はソフトウェアの最適化次第ともいえる。

また、充電速度については90Wの有線充電、80Wのワイヤレス充電に対応しており、これはXiaomi 14 Ultraと同じ仕様である。90Wの有線充電を利用すれば、わずか30分程度でフル充電が可能とされているが、バッテリーの劣化を防ぐための制御がどのように行われるかも注目すべきポイントとなる。

加えて、18Wのリバースワイヤレス充電機能を搭載しており、イヤホンや他のスマートデバイスを充電する用途にも活用できる。6000mAhのバッテリーは確かに大容量だが、本体の重量増加や発熱管理といった側面も考慮する必要がある。

特に、長時間の負荷がかかるゲームプレイや動画編集などの用途では、冷却性能とのバランスが重要になるだろう。大容量バッテリーを活かした省電力モードや、発熱を抑えるシステムの搭載など、Xiaomiの電力管理技術にも期待が集まる。

MWCでのグローバル展開 各地域での仕様に違いはあるのか

Xiaomi 15 Ultraは、中国での発表に続き、3月2日にMWCバルセロナでのグローバル展開が予定されている。Xiaomiのフラッグシップモデルは、通常、中国版とグローバル版で若干の仕様変更が行われることが多いため、今回のXiaomi 15 Ultraも各市場で異なるモデルが登場する可能性がある。

特に、通信仕様やソフトウェアの違いが気になるポイントだ。中国版はAndroid 15ベースのXiaomi HyperOS 2を搭載しているが、グローバル版では一部のプリインストールアプリや、5Gの対応バンドが異なることが予想される。

また、価格設定についても、中国市場向けの6499人民元(約893ドル)という価格がそのまま適用されるわけではなく、各国の税制や販売戦略によって調整されるだろう。これまでのXiaomiのグローバル展開を見ると、一部のハードウェア仕様が変更されるケースもあった。

例えば、特定のカメラ機能が制限されたり、充電アダプターの仕様が異なったりすることがある。そのため、MWCでの発表後に各国の詳細なスペックがどのようになるかが注目されるポイントとなる。また、日本市場への投入に関しても気になるところだ。

Xiaomiのフラッグシップモデルは、過去に一部のモデルが日本で正規販売されたことがあるものの、すべてのモデルが展開されるわけではない。特に、5Gの周波数帯や技適認証の問題があるため、正式な販売が決定するかどうかは不透明な部分もある。ただし、グローバル市場での評価が高まれば、日本でも取り扱われる可能性が高くなるかもしれない。

MWCでの発表後、各地域の仕様や販売戦略がどのように決定されるのか。特に、価格や対応バンド、ソフトウェアのカスタマイズがどの程度行われるのかが、Xiaomi 15 Ultraのグローバル展開における重要なポイントとなるだろう。

Source:Android Central