Samsungが今年、新たな二重折りたたみスマートフォン「Galaxy G Fold」を発表する可能性が浮上している。韓国の報道によれば、Galaxy Z Fold 7およびZ Flip 7と同時に7月に発表される見込みだが、生産台数は限定的で、一部の市場のみでの販売となる可能性が高い。
この新型デバイスは、過去にSamsung Displayが披露した「Flex G」プロトタイプに近いデザインを採用するとみられ、S字型ではなく内向きに折りたたむ構造となる。メインディスプレイは9.96インチ、外部ディスプレイは6.49インチとされているが、Sペンには非対応となる模様。
初回生産は約20万台に抑えられる見込みで、昨年韓国・中国限定で発売されたZ Fold 6 SEと同様の販売戦略がとられる可能性が高い。米国や欧州では発売が遅れることも考えられ、グローバル展開の行方が注目される。
Galaxy G Foldのデザインと機能性 ー これまでのフォルダブルと何が違うのか
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Samsungが開発中とされるGalaxy G Foldは、従来のZ Foldシリーズとは異なる二重折りたたみ構造を採用するとみられている。この新デザインの特徴は、内向きに折りたたむ「Flex G」スタイルで、過去の展示会でSamsung Displayが披露したプロトタイプと類似している。この構造は、従来のS字型折りたたみ(外向き折りたたみ)とは異なり、ディスプレイを内側に収納することで耐久性を向上させる狙いがある。
一方、二重折りたたみの設計により、本体の厚みや重量が増加する可能性も指摘されている。さらに、折りたたみの機構が複雑化することで、耐久性やヒンジ部分の精度がより重要になるだろう。また、従来のZ FoldシリーズのようなSペン対応は期待できないと報じられており、ペン入力を多用するユーザーには残念なポイントとなるかもしれない。ただし、複数のディスプレイを活かした新たな操作体験が提供される可能性もあり、従来のフォルダブルとは異なる用途が想定される。
Galaxy G Foldの具体的なインターフェースやソフトウェア面の最適化はまだ不明だが、二重折りたたみ構造を活かしたマルチタスク機能や、より広い表示領域を生かした新たなアプリケーションの可能性も考えられる。これまでのZ FoldやZ Flipシリーズの延長線上ではない、新しい使用スタイルが生まれるのか、今後の追加情報に注目したい。
限定販売の背景 ー Galaxy G Foldはなぜ一部市場のみなのか
Galaxy G Foldの販売が一部市場に限定される可能性が高いことは、今回の報道で明らかになった。Samsungは、この端末の初回生産台数を約20万台に制限するとみられており、これは昨年のZ Fold 6 SEが韓国と中国のみに限定されたケースと類似している。では、なぜこの新型フォルダブルはグローバル展開されないのか。その背景には、いくつかの要因が考えられる。
まず、Samsungが二重折りたたみスマートフォンの市場ニーズを慎重に見極めている点が挙げられる。フォルダブルスマートフォンは依然として高価格帯に位置し、特に新たなフォームファクターの端末は消費者の反応を測る必要がある。限定販売を行うことで、市場の動向を把握し、改良を加えながら将来的なグローバル展開を検討するのではないだろうか。
また、中国市場ではHuaweiをはじめとするメーカーが積極的にフォルダブル市場を拡大しており、Samsungとしても競争力を強化する必要がある。Z Fold 6 SEが韓国・中国のみで販売されたことを考えると、Galaxy G Foldもまずはこれらの市場で展開し、その後の評価次第で他地域への販売を決める戦略をとる可能性が高い。さらに、欧米市場ではZ Fold 7やZ Flip 7がメインモデルとして継続販売されるため、あえて新しい形状のモデルを投入する必要が低いと判断されたのかもしれない。
フォルダブル市場の進化 ー Galaxy G Foldは新たなスタンダードになるのか
Galaxy G Foldが市場に投入されることで、フォルダブルスマートフォンの進化がどのように加速するかも注目されるポイントだ。これまで、フォルダブル端末は主に縦折りのFlipシリーズと横折りのFoldシリーズに大別されてきた。しかし、今回のG Foldは、二重折りたたみという新たなカテゴリーを生み出す可能性がある。
これが成功すれば、他社も同様のデザインを採用する流れが生まれるかもしれない。実際、Samsung Displayは過去に「Flex G」や「Flex S」など、さまざまな折りたたみデザインを公開しており、今後は用途に応じた多様な形状のフォルダブル端末が登場する可能性がある。特に、広い画面を必要とするビジネスユーザーやクリエイター向けに最適化された製品が登場すれば、タブレット市場との境界がより曖昧になり、新たなモバイル体験が生まれるかもしれない。
しかし、二重折りたたみ構造が現在のスマートフォン市場でどれほどの需要を獲得できるかは不透明だ。折りたたみの機構が複雑になることで、耐久性の懸念や製造コストの上昇、さらに重量や厚みの増加といった課題が生じる可能性もある。こうした点をクリアできなければ、一部の愛好者向けの製品にとどまる可能性もあり、これが限定販売の理由の一つとも考えられる。
それでも、Samsungが新たなフォルダブルデザインを市場に投入しようとしていることは間違いなく、これが将来的なスマートフォンのスタンダードになるのか、それともニッチな製品としての立ち位置を確立するのか、今後の展開が気になるところだ。
Source:Android Authority