AMDの新型GPU Radeon RX 9070 XTおよびRX 9070に関するリーク情報が浮上した。RDNA 4世代の新モデルは、現行のRX 7900 GREに対して大幅な性能向上を果たしているとされ、特に4Kおよび1440pのゲーム環境で驚異的なスコアを記録している。

リークによれば、RX 9070 XTはRX 7900 GREと比較して4Kで42%、1440pで**38%高速であり、無印モデルのRX 9070もそれぞれ21%および20%**の性能向上を示している。もしこの情報が正確であれば、RDNA 4世代は前世代を大きく引き離すアップグレードとなる可能性が高い。

価格面でも注目が集まる。NVIDIAの競合モデルRTX 5070 Tiが749ドルで登場している中、AMDがRX 9070 XTをどの価格帯で投入するかが勝負の分かれ目となるだろう。発売日は3月6日とされるが、公式発表は2月28日に行われる予定だ。NVIDIAとの市場競争をさらに加速させるAMDの動向に注目が集まる。

RDNA 4世代の進化 ー RX 9070 XTのアーキテクチャと技術的進歩

AMDのRadeon RX 9070 XTは、RDNA 4アーキテクチャを採用した初のGPUのひとつとなる。この新世代アーキテクチャは、従来のRDNA 3と比較して、より高い電力効率と計算能力を実現するとされている。特に、4K解像度におけるパフォーマンス向上が顕著で、RX 7900 GREに対して42%の性能アップがリーク情報で示されている。

RDNA 4の大きな特徴としては、新たなキャッシュ構造や改良された演算ユニットが挙げられる。従来のInfinity Cache技術の最適化によって、より高速なメモリアクセスが可能になり、ボトルネックが軽減される可能性がある。また、消費電力を抑えつつ、トランジスタ密度を向上させることで、1Wあたりのパフォーマンスが向上していると推測される。

さらに、レイトレーシング性能の向上も期待される。RDNA 3ではNVIDIAのRTXシリーズに対してレイトレーシングの実行性能が劣っていたが、RDNA 4ではハードウェアアクセラレーションの強化が図られている可能性がある。

AMDは、ソフトウェアレベルでの最適化も進めており、DirectX 12 UltimateやVulkanの最新機能をフル活用できるようにすることで、次世代ゲームタイトルでの優位性を確保しようとしているようだ。

このように、RDNA 4アーキテクチャの進化がRX 9070 XTの性能向上を支えていることは明白だ。しかし、NVIDIAのAda Lovelace Refreshや今後登場するBlackwellアーキテクチャと比較した際に、実際のゲームプレイでどれほどの優位性を示せるかは、今後の実機テストで明らかになるだろう。

RX 9070 XTとRTX 5070 Ti ー 競争が激化するミドルハイレンジ市場

今回のRX 9070 XTの登場は、NVIDIAのRTX 5070 Tiに対抗する形となる。RTX 5070 Tiは2月20日に発売されたばかりで、希望小売価格は749ドルに設定されている。この価格帯は、ハイエンドを求めるゲーマーにとって手頃な選択肢となるだけでなく、クリエイター層にも魅力的なものとなっている。

RX 9070 XTの性能がリーク通りであれば、少なくとも4Kおよび1440p環境においてRTX 5070 Tiと肩を並べる、あるいは上回る可能性がある。ただし、NVIDIAのDLSS 3.5やFrame Generation技術が大きな武器となるため、単純なフレームレートの比較だけでは優劣を判断できない。

AMDのFSR(FidelityFX Super Resolution)技術も進化を続けているが、DLSSの品質や互換性には未だに差があるという声もある。また、消費電力と発熱も重要なポイントだ。RDNA 3世代では、RX 7900 XTやXTXが比較的高いワット数を要求し、発熱も大きな問題となったが、RDNA 4ではワットパフォーマンスの改善が期待されている。

RTX 5070 TiのTDPが約250Wであるのに対し、RX 9070 XTがこれを下回るかどうかも注目点となるだろう。価格競争に関しても、AMDがどのような戦略を取るかがカギとなる。も

しRX 9070 XTが699ドル以下で投入されれば、RTX 5070 Tiよりもコストパフォーマンスに優れるGPUとして市場で大きな注目を集める可能性がある。一方で、在庫の確保や流通面での問題が発生すれば、NVIDIAが優位を維持する展開になるかもしれない。

Radeon RX 9070 XTは本命となるか?発売日と今後の期待

リークによると、RX 9070 XTおよびRX 9070の発売日は3月6日とされているが、正式な発表は2月28日にAMDのYouTubeチャンネルで行われる予定だ。これはCES 2025での発表以降、AMDが詳細なスペックを公表しなかったことを考えると、ついに全貌が明らかになるタイミングといえる。

もしこの情報が正確であれば、発売まで1週間強となるため、各販売店での予約受付が近いうちに開始される可能性がある。NVIDIAのRTX 5070 Tiが既に市場に出回っているため、AMDが適切な価格設定と安定した供給を確保できるかが大きなポイントとなる。

また、RX 9070 XTがどのようなゲームタイトルで最適化されているのかも注目される。最近のAAAタイトルでは、特定のGPUメーカーに最適化されたタイトルが増えており、例えばStarfieldはAMDの技術を積極的に活用していた。

一方で、Cyberpunk 2077やAlan Wake 2のように、NVIDIAのレイトレーシング技術を前提に開発されたタイトルも存在するため、RX 9070 XTの実際のゲームパフォーマンスがどの程度のものかはレビューが出揃うまで判断が難しい。

とはいえ、今回のリークが示す性能向上が事実なら、AMDはRDNA 4世代で新たな市場の扉を開く可能性がある。特に1440p・4Kゲーミングを視野に入れているユーザーにとって、RX 9070 XTは魅力的な選択肢となるだろう。2月28日の正式発表と、その後の市場動向に注目が集まる。

Source:ExtremeTech