Googleが最新の「Android Auto 13.8」アップデートをユーザー向けに配信開始した。しかし、今回の更新は大幅な機能追加ではなく、主にバグ修正や細かい調整が中心とみられる。公式の変更ログは提供されておらず、ユーザーが目に見える変化を感じる可能性は低い。

一方で、アプリの解析(APK Insight)を行った結果、Googleが駐車時専用のアプリに関する開発を進めていることが確認された。この機能は、駐車中のみ利用できるアプリの追加を示唆しており、Android Automotive向けに発表された新たなストリーミング・ゲームアプリの流れと関係がある可能性がある。

なお、以前から報告されていた「再起動問題」は依然として解決されておらず、一部のユーザーに影響を与え続けている。今後のアップデートで改善されるのか注目が集まる。

Android Auto 13.8で発見された「駐車時アプリ」の可能性

Android Auto 13.8のコード解析によって、新たな「駐車時アプリ」に関する記述が発見された。これは、GoogleがAndroid Auto上で駐車中のみ利用可能なアプリの開発を進めている可能性を示唆している。

すでに、Android Automotive OSを搭載する車両向けには、Google Playストア経由で新たなストリーミングアプリやゲームアプリが追加されることが発表されており、今回の発見はその流れをAndroid Autoにも拡張する動きと関連しているかもしれない。

具体的なコード内には、「タップして開く」や「駐車時に開く」といった記述が確認されており、これがAndroid Auto上での新しいエンターテインメント機能を示している可能性がある。

一方で、現時点ではこの機能が正式に提供されるかどうかは不明であり、ユーザー側での操作もまだ確認されていない。しかし、Googleは過去にもコード内で新機能を先行して追加し、後のアップデートで正式に導入するパターンが多いため、今後の展開に注目が集まる。

Android Autoの「再起動問題」 未解決のまま

Android Autoの一部ユーザーから報告されていた「再起動問題」は、今回の13.8アップデートでも解決されていないことが確認された。この問題は、特定の条件下でAndroid Autoが予期せず再起動してしまうというもので、影響を受けるユーザーは限られているものの、依然として修正の兆しは見られない。

この問題についてGoogleは公式に認めていないものの、一部では「開発者向けオプション」が影響を与えている可能性が指摘されている。具体的には、Android Autoのデバッグ設定や特定の開発者向け機能を有効にしている場合に、再起動の頻度が高まるという報告がある。

もしこの仮説が正しければ、一般ユーザーの多くは影響を受けない可能性があるが、依然として解決策が提供されていない点は不安材料となる。

今後のアップデートでGoogleがこの問題を認識し、修正を行うかは不透明だが、これまでの傾向を考えると、次回のアップデート以降で対応が進む可能性もある。特に、影響を受けるユーザーが増加すれば、Googleが優先的に修正を行う可能性は高まるだろう。

GoogleのAndroid Auto戦略は今後どう変化するのか

今回のアップデートでは大きな変更点はないものの、Android Autoの方向性には興味深い兆候が見えてきた。特に「駐車時アプリ」の開発が進められていることは、Googleが今後のAndroid Autoの利用シーンを広げようとしていることを示しているかもしれない。

これまで、Android Autoは主にナビゲーションや音楽再生といった基本機能に特化していたが、駐車中専用のアプリを追加することで、エンターテインメント要素が強化される可能性がある。すでにAndroid Automotive向けには新たなストリーミングサービスやゲームアプリが追加されており、今後Android Autoにも同様の機能が実装されるかもしれない。

一方で、Android AutoとAndroid Automotiveは異なるプラットフォームであり、すべての機能が共通するわけではない。そのため、Android Autoのエンターテインメント機能がどこまで拡張されるかは現時点では不明だ。しかし、今回のコードの発見は、少なくともGoogleがその方向性を模索していることを示している。今後のアップデートでさらなる進展があるのか、引き続き注目したい。

Source:9to5Google