AMDの最新GPU「Navi 48」が、RDNA 4アーキテクチャを採用し、539億個のトランジスタを搭載することが明らかになった。これは、NVIDIAのGeForce RTX 5080に搭載されるGB203 GPUを上回る規模である。

Navi 48のダイサイズは350mm²とされ、従来予測よりも小型化が進んでいる。NVIDIAのGB203や前世代AD103 GPUよりもコンパクトでありながら、高いトランジスタ密度を実現している可能性がある。

このGPUはRadeon RX 9070 XTに搭載される見込みで、次世代のPCゲーミング市場において重要な役割を果たすことが期待されている。AMDのRDNA 4世代は、消費電力やコスト面でも競争力のある選択肢となるか注目が集まる。

Navi 48が持つ539億トランジスタの意義とは

AMDのNavi 48 GPUが539億個のトランジスタを搭載することは、単なる数字の比較にとどまらない。NVIDIAのGB203(RTX 5080搭載)を超えるこのトランジスタ数は、プロセス技術の進化とアーキテクチャの最適化による成果といえる。

RDNA 4アーキテクチャの採用により、Navi 48は従来のRDNA 3世代と比べて演算効率や電力対性能比の向上が期待されている。特に、トランジスタ密度の向上によって、単位面積あたりの処理能力がどこまで高められているのかが注目される。NVIDIAのBlackwell世代と比較すると、AMDはより小型のダイで同等以上の性能を実現しようとしている可能性がある。

このトランジスタ数の増加が、実際のゲームやクリエイティブ用途でどのようなメリットをもたらすかは今後の実機ベンチマーク次第だが、計算ユニットの増加やメモリコントローラの改良によって、レイトレーシング性能やAI関連機能の強化が行われる可能性もある。特に、AMDはAIアクセラレーションの強化を進めており、これが次世代のゲームエンジンやコンテンツ制作でどのように活用されるかが焦点となる。

350mm²のダイサイズが示す効率的な設計とは

Navi 48のダイサイズは350mm²と報告されており、これは従来の予測390mm²を下回る。NVIDIAのGB203(RTX 5080)や、前世代のAD103(RTX 4080)のサイズと比較してもコンパクトな設計となっている。

通常、GPUのダイサイズはトランジスタ数と比例して大きくなる傾向があるが、AMDはRDNA 4の設計において高い集積度を実現したと考えられる。これにより、同じ面積でより多くの処理ユニットを搭載し、製造コストや歩留まりの向上につながる可能性がある。特に、NVIDIAのBlackwellアーキテクチャと比較すると、AMDはよりシンプルで効率的なアプローチを取っているようにも見える。

ダイサイズが小さいことは、消費電力の抑制や冷却システムの簡略化にも貢献する。ゲーミングPCの熱管理や電力効率を重視するユーザーにとって、より扱いやすいGPUとなる可能性がある。一方で、ダイサイズを小さくすることで、メモリ帯域やキャッシュ設計にどのような影響があるのかは今後の詳細情報を待つ必要がある。

RDNA 4世代のRadeon RX 9070 XTが狙う市場とは

Navi 48を搭載するRadeon RX 9070 XTは、どの市場をターゲットにしているのかも重要なポイントだ。NVIDIAのRTX 4080やRTX 4070と競合する可能性が高く、ハイエンド市場での競争力を持つ製品として登場することが期待される。

特に、RDNA 4アーキテクチャの特徴である高効率な電力管理やレイトレーシング性能の向上が、ゲーム用途にどこまで影響を与えるかが注目される。従来のRDNA 3ではレイトレーシング性能がNVIDIAに対してやや劣るとされていたが、Navi 48では新しいAIユニットや改良された演算ユニットによってその差を縮める可能性がある。

また、価格帯も重要な要素となる。RTX 4080やRTX 4070と同等の価格帯に設定されれば、Navi 48はコストパフォーマンスを重視する層にとって魅力的な選択肢となる。特に、VRや高解像度ゲーミングを意識した設計であれば、多くのユーザーが求める性能を提供できる可能性がある。今後の正式発表や実際のパフォーマンス検証により、AMDが次世代GPU市場でどのような戦略を取るのかが明らかになっていくだろう。

Source:TweakTown