HPが未発表だったGeForce RTX 5060およびRTX 5050のノートPC向けGPUの存在を明らかにした。これはHPの公式ウェブサイト上で確認されたもので、これまでデスクトップ向けに発表されていたRTX 40シリーズの流れを汲む形となる。
HPの「Victus 15(FA2モデル)」の仕様書に両GPUがリストアップされており、これによりRTX 50シリーズがノートPC市場に投入される可能性が高まった。スペックの詳細は未公開だが、GB206またはGB207のシリコンを採用し、CUDAコア数は4608未満と推測される。
メモリは8GBとなる可能性があるが、GDDR7かGDDR6かはまだ不明だ。Victus 15の新モデルは、Intel Core i7-1420Hまたはi7-1410Hと組み合わされる可能性があるが、発売時期についての情報は明らかになっていない。
RTX 5060とRTX 5050の特徴と既存モデルとの違い
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まず、RTX 5060とRTX 5050は、RTX 4060やRTX 4050とどのように異なるのかが気になるポイントだ。今回、HPがRTX 5060とRTX 5050の存在を明らかにしたことで、これらのGPUが現行のRTX 40シリーズとどのように棲み分けられるのか、注目が集まっている。
RTX 5060はRTX 4060の後継と考えられ、CUDAコア数の増加やアーキテクチャの改善が見込まれる。一方でRTX 5050はRTX 4050の後継であり、エントリークラスのGPUとしての役割を担う可能性が高い。しかし、両モデルとも現時点ではVRAMの種類や消費電力、コアクロックなどの詳細は不明だ。
これまでの傾向からすると、RTX 5060とRTX 5050は、AI処理性能の向上や消費電力の最適化が施されると予想される。特に、RTX 4060とRTX 4050では、NVIDIAのDLSS 3が導入され、フレーム生成技術が強化されていたことから、RTX 50シリーズでもさらなるAI技術の進化が期待される。
HP Victus 15が示すRTX 50シリーズのターゲット層とは
HPのVictus 15(FA2モデル)は、エントリーからミドルレンジ向けのゲーミングノートPCシリーズだ。ここにRTX 50シリーズが搭載されるという事実は、これらのGPUが高性能志向ではなく、コストパフォーマンスを重視したモデルである可能性が高いことを示している。
Victus 15には、RTX 5050、RTX 5060のほかにRTX 4060やRTX 4050、さらにはRTX 3050AやRTX 2050まで幅広いGPUオプションが用意されている。これは、同じモデルの中で予算や用途に応じた選択肢を提供するためのものだ。特にRTX 5050がラインナップに含まれている点は、ノートPC向けエントリーGPUの需要が根強いことを示している。
また、Victus 15はIntel Core Raptor LakeシリーズのCPUを搭載することからも、最新のハードウェア環境で動作するように設計されていることが分かる。つまり、RTX 50シリーズは最新CPUとの組み合わせを前提としつつ、手頃な価格帯のノートPC市場をターゲットにしている可能性がある。
RTX 5060とRTX 5050がもたらすモバイルGPU市場の変化
これまでノートPC向けのRTX 40シリーズは、デスクトップ版と比べて若干の性能差があった。しかし、RTX 50シリーズが登場することで、モバイル向けGPUの性能がさらに向上し、デスクトップ向けモデルとの差が縮まる可能性がある。
特に、NVIDIAは新世代のGPUで消費電力効率の向上に力を入れていることから、RTX 5060やRTX 5050もTGP(総電力)を抑えながら、より高いパフォーマンスを発揮できるよう設計される可能性がある。これは、バッテリー駆動時間が重要なノートPCユーザーにとって大きなメリットとなる。
また、RTX 50シリーズが新たなメモリ規格(GDDR7)を採用するかどうかも注目されるポイントだ。現時点ではGDDR6とGDDR7のどちらになるか不明だが、もしGDDR7が採用されれば、帯域幅の向上によってグラフィックス性能のさらなる向上が期待される。
RTX 5060やRTX 5050の登場により、エントリークラスやミドルレンジのゲーミングノートPC市場が活性化する可能性が高い。特に、コストパフォーマンスの高いノートPCを求めるユーザーにとって、RTX 50シリーズは注目すべき選択肢となるだろう。
Source:GEARRICE