最近のEEC(ユーラシア経済委員会)への登録情報から、NvidiaがRTX 50シリーズのラインナップを拡充する可能性が浮上した。新たに確認されたのはRTX 5050、RTX 5060、RTX 5060 Tiの3モデルで、特にRTX 5050が登場すれば、Nvidiaは久々に250ドル未満の価格帯へ参入することになる。
RTX 40シリーズではこの価格帯の製品が欠けており、RTX 5050が登場すれば、手頃な最新GPUを求めるユーザーにとって大きな選択肢となる。一方、RTX 5060とRTX 5060 TiはVRAM容量の異なる複数のバリエーションが登場する可能性があり、幅広いニーズに対応すると見られる。
正式な発表はまだないが、5月下旬のComputexでさらなる情報が明かされる可能性がある。Nvidiaの動向に注目が集まる。
RTX 5050がもたらす低価格帯GPU市場の変化
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NvidiaがRTX 5050を投入すれば、近年停滞していたエントリークラスのGPU市場が大きく変わる可能性がある。特に250ドル未満の価格帯では、現在AMDのRadeon RX 6000シリーズやIntelのArc Aシリーズが存在感を示しているが、RTX 5050が加わることで競争が激化するだろう。
これまでNvidiaのこの価格帯の最新モデルはRTX 3050に限られており、RTX 40シリーズでは50番台の製品が登場しなかった。この空白をRTX 5050が埋めることで、最新の技術を手に入れやすくなることが期待される。
加えて、RTX 5050がAda Lovelace Refreshアーキテクチャを採用するのか、それとも新たなBlackwellアーキテクチャを採用するのかが注目される。これによって、DLSS 3.0やレイトレーシング性能がどの程度向上するのかも重要なポイントとなる。
エントリー向けGPUはコストを抑えるためにVRAMやCUDAコア数が制限されがちだが、RTX 5050が競争力を持つためには、前世代のRTX 3050や競合製品と比較して明確な優位性を持つ必要がある。また、消費電力も大きな要素となる。
現行のRTX 3050はTDP(熱設計電力)が115W前後で設計されており、補助電源が必要なケースも多い。もしRTX 5050が90W以下に抑えられれば、電源ユニットを強化せずに導入できるPCが増えるため、アップグレードを検討するユーザーにとって魅力的な選択肢となる可能性がある。
RTX 5060 / 5060 Tiの性能とVRAMバリエーション
RTX 5060とRTX 5060 Tiに関するリーク情報から、VRAMの異なるモデルが登場する可能性が浮上している。特にRTX 5060 Tiは、8GBと16GBの2種類がラインナップされるとの噂があり、用途に応じた選択肢が広がることが期待される。近年のゲームタイトルでは、VRAM使用量が増加傾向にあり、特に高解像度でのプレイを想定する場合は16GB版の優位性が高まりそうだ。
一方、RTX 5060は標準的な8GBのVRAMを搭載すると見られている。RTX 4060と比較すると、大幅な性能向上が求められるが、CUDAコア数やクロック周波数がどの程度変化するのかが焦点となる。
RTX 4060はVRAM 8GBながらも、レイトレーシング性能やDLSS 3.0の恩恵でミドルクラスGPUとしての地位を確立したが、RTX 5060がそれを超えるパフォーマンスを提供できるかは気になるポイントだ。
また、消費電力や発熱の面でも最適化が期待される。RTX 4060はTDP 115Wで設計されており、補助電源なしでの運用も可能だった。RTX 5060も同様の仕様であれば、省電力かつ扱いやすいモデルとして人気を集める可能性がある。
一方で、RTX 5060 Tiの16GBモデルはVRAM容量が増えるため、消費電力が若干上昇する可能性がある。このあたりのバランスが、実際の使用感にどのような影響を与えるのか注目したい。
Nvidiaの発表タイミングと市場の期待
現時点ではNvidiaからRTX 5050、5060、5060 Tiの公式発表はないが、業界では5月下旬のComputexで具体的な情報が出るのではないかとの予測が広がっている。Computexは毎年、PCハードウェアメーカーが新製品を発表する場となっており、Nvidiaも過去に新GPUを発表した実績がある。
そのため、今回のRTX 50シリーズの拡充についても、そこで正式な発表が行われる可能性は十分にあるだろう。このタイミングでの発表となれば、実際の発売は夏から秋にかけて行われると予想される。
過去のNvidia製品のリリーススケジュールを参考にすると、ハイエンドモデルのRTX 5090や5080が先行して登場し、その後ミドルレンジやエントリーモデルが投入される流れが一般的だった。今回のリーク情報が事実であれば、RTX 5060シリーズが比較的早い段階で市場に出る可能性もある。
ユーザーにとって最も重要なのは、価格と性能のバランスだ。RTX 40シリーズでは、特にミドルレンジGPUの価格が上昇傾向にあったため、RTX 5060シリーズがどの程度の価格で提供されるのかがポイントとなる。
もし従来のRTX 3060や4060と同等、もしくはそれ以上のコストパフォーマンスを実現できれば、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。今後のNvidiaの動向から目が離せない。
Source:Digital Trends