Nvidiaの最新グラフィックスカード、GeForce RTX 5090が発売直後から品薄状態が続いている。しかし、同社はこの問題を解決するための新たな戦略を模索しているとの情報がある。具体的には、データセンター向けGPU「B200」に使用されているGB100ダイを、RTX 5090のGB202アーキテクチャに組み込むことで、供給不足を解消する可能性が指摘されている。

この手法が実現すれば、RTX 5090の生産が増加し、ユーザーの手元に届くまでの時間が短縮されることが期待される。Nvidiaは、RTX 5090の供給不足の原因として、転売業者による部品の過剰購入や、AI向けプロセッサーの開発にリソースを集中させたことなどを挙げている。

これにより、ゲーミング向けGPUの供給が制約を受け、出荷スケジュールの見直しが必要となった。さらに、RTX 50シリーズの他のモデル、例えばRTX 5080やノートPC向けのGPUも発売が遅れており、ユーザーからの不満の声が上がっている。

一方で、Nvidiaは2月25日からRTX 50シリーズの予約受付を開始すると発表しており、供給不足の解消に向けた取り組みを進めている。また、RTX 5070 Tiは2月20日に正式発売される予定であり、これらの動きが市場の需要をどの程度満たすことができるかが注目される。

ユーザーとしては、Nvidiaの今後の対応に注目しつつ、公式サイトや正規販売店からの情報をこまめにチェックし、最新の供給状況を把握することが重要である。また、予約開始日や発売日には迅速に行動することで、希望の製品を手に入れる可能性が高まるだろう。

RTX 5090の供給不足はなぜ起こったのか?背景にある要因とは

RTX 5090の供給が限られている理由として、いくつかの要因が重なっている。まず、市場での極端な需要の高さが挙げられる。RTX 40シリーズの生産が終了し、多くのユーザーが新しいGPUを求めた結果、初回出荷分が瞬く間に売り切れた。

特にハイエンドモデルであるRTX 5090は、4Kや8K解像度でのゲームプレイや高度なクリエイティブ用途に適しているため、一般的なゲーマーだけでなくプロフェッショナルユーザーからの需要も大きかった。

加えて、転売業者の影響も無視できない。RTX 5090の在庫が限られる中、一部の購入者が大量に買い占め、価格を吊り上げて転売する動きが見られた。これにより、正規のルートで入手できる数が減少し、さらなる品薄を引き起こした。

さらに、Nvidiaの製造プロセスにも課題があった。AI向けGPUの開発を優先したことで、ゲーミング向けGPUの生産スケジュールが遅延。特にデータセンター向けのB200 GPUに多くのリソースが割かれたことで、RTX 50シリーズの供給ラインが圧迫された可能性がある。こうした複数の要因が重なり、RTX 5090の供給が追いつかない状況が生まれた。

B200の余剰分をRTX 5090に転用することで供給不足は改善されるのか

RTX 5090の供給を増やす方法として、Nvidiaがデータセンター向けGPU「B200」に使用されるGB100ダイをRTX 5090に転用する可能性が指摘されている。現在、B200の市場需要は以前ほど高くなく、一部のウェハーが余剰になっている。このリソースをRTX 5090の生産に振り分けることで、供給不足を解消できるかもしれない。

この方法のメリットは明確だ。B200とRTX 5090のアーキテクチャには共通点があるため、製造ラインを大幅に変更せずに生産量を増やすことができる。また、Nvidiaとしても余剰ウェハーを有効活用できるため、無駄を省きつつ市場の需要に応えられる可能性がある。

しかし、この戦略にはリスクも伴う。B200向けに作られたダイをRTX 5090向けに流用する場合、クロック速度や消費電力の最適化が必要となる。仮に仕様を変更する必要があれば、追加の開発・検証プロセスが必要になり、逆に生産が遅れる可能性もある。Nvidiaがどの程度迅速に対応できるかが、この戦略の成否を分けるポイントとなる。

ユーザーはどう動くべきか?RTX 5090を入手するためのポイント

RTX 5090の供給不足が続く中、ユーザーにとって最適な対応策を考える必要がある。まず、最も重要なのは、公式の販売情報を随時チェックすることだ。Nvidiaは2月25日からRTX 50シリーズの予約受付を開始すると発表しているため、事前注文のタイミングを逃さないことが肝心だ。

次に、転売価格には注意が必要だ。すでに一部のマーケットプレイスでは、RTX 5090が定価の2倍以上で販売されているケースも見られる。供給が改善される可能性がある以上、焦って高額な転売品を購入するよりも、正規のルートでの入手を待つほうが賢明だ。

また、RTX 5080やRTX 5070 Tiといった代替モデルを検討するのも一つの手段となる。特にRTX 5070 Tiは2月20日に正式発売される予定であり、性能と価格のバランスを考えれば十分に魅力的な選択肢だ。RTX 5090の供給が安定するまで、別のモデルを利用するのも合理的な判断といえる。

Source:Digital Trends