NVIDIAは、新たなミドルレンジGPUとしてRTX 5070 Tiを2月20日に、RTX 5070を3月5日に発売することを正式に発表した。RTX 5070 Tiの価格は749ドル(約14万8,800円)、RTX 5070は549ドル(約10万8,800円)と設定されている。RTX 5070 Tiは、8,960基のCUDAコアと16GBのGDDR7メモリを搭載し、消費電力は300Wとなっている。

一方、RTX 5070は6,144基のCUDAコアと12GBのGDDR7メモリを備え、消費電力は250Wである。これらの新モデルは、AIを活用したDLSS 4技術を搭載し、対応ゲームにおいて高いフレームレートを実現する。当初、RTX 5070は2月28日に発売予定だったが、NVIDIAはこれを3月5日に延期した。この延期により、AMDのRadeon RX 9070およびRX 9070 XTの発表と重ならないよう配慮したとみられる。

RTX 5070 Tiは、RTX 4080に迫る性能を持ちながら、価格を抑えたモデルとして注目されている。しかし、供給量が限られる可能性があり、入手が難しくなることが予想される。これらの新GPUの登場により、ゲーマーやクリエイターは最新の技術を手頃な価格で体験できることが期待される。ただし、購入を検討する際には、電源ユニットの要件や供給状況を十分に確認することが重要である。

RTX 5070 & 5070 Tiの新技術DLSS 4はどれほどの進化を遂げたのか

NVIDIAのRTX 50シリーズでは、DLSS 4が新たに導入され、ゲームプレイにおけるフレームレート向上と画質の向上が期待されている。特に、DLSS 4の「マルチフレーム生成」機能はRTX 4090を超えるパフォーマンスを可能にする技術として注目されている。

DLSS 4の大きな進化は、従来のDLSS 3がAIによる補完フレームを1フレーム単位で生成していたのに対し、DLSS 4では複数のフレームデータを参照しながら最適なフレームを合成する点にある。これにより、AIがより滑らかな動きを再現し、フレーム生成による遅延(レイテンシー)を抑えられる可能性がある。

さらに、NVIDIA Reflexと組み合わせることで、フレーム補完の影響による入力遅延を最小限に抑える設計となっている。この新機能の恩恵を最大限に受けるには、対応するゲームタイトルが増えることが不可欠である。

過去のDLSS技術では、導入されるゲームが限定的であったため、新技術がどれだけのタイトルに対応するのかが鍵となる。また、DLSS 4はRTX 50シリーズ専用となるため、RTX 40シリーズ以前のユーザーにとっては、アップグレードを検討する大きな要因の一つとなるかもしれない。

DLSS 4がどれほどの進化を遂げたのかは、実際のゲームでの検証が必要となる。しかし、現時点で判明している技術仕様から判断すると、単なるフレーム生成技術の改良にとどまらず、AIを活用したゲーム体験の質的向上を目指したものと言える。


RTX 5070 & 5070 Tiの消費電力は許容範囲なのか

RTX 5070 & 5070 Tiは、前世代と比較して大幅な性能向上を果たしているが、それに伴い消費電力も増加している。RTX 5070 Tiの消費電力は300W、RTX 5070は250Wとされ、いずれも前世代の4070 Ti(285W)や4070(220W)より高い数値となっている。

特に、RTX 5070 Tiはハイエンドに迫る消費電力となっており、ミドルハイレンジモデルとしてはやや高めのTGP(総消費電力)設定となっている。これにより、電源ユニット(PSU)も一定以上の容量が求められる。

例えば、RTX 5070 Tiの推奨電源は750W以上とされており、RTX 5070でも650W以上が推奨されている。既存の電源ユニットがこれを満たしていない場合、新しいGPUと同時に電源の買い替えが必要になる可能性がある。また、消費電力が増加することで発熱量も高くなると考えられる。

RTX 50シリーズでは、冷却設計の改善が求められる可能性があり、特に小型ケースを使用しているユーザーは、エアフローの見直しが必要になるかもしれない。AIBパートナー各社は、冷却性能を重視したオリジナルモデルを投入する可能性が高く、冷却性能に優れたモデルが人気を集めることが予想される。

これらの要素を考慮すると、RTX 5070 & 5070 Tiの購入を検討する際には、単純な性能向上だけでなく、電源や冷却環境の整備も視野に入れるべきだろう。消費電力の増加がどの程度の影響を及ぼすのか、実際のレビューや使用感を確認しながら判断するのが賢明といえる。


RTX 5070 & 5070 Tiの価格設定は妥当なのか

RTX 5070 & 5070 Tiの価格は、それぞれ549ドルと749ドルに設定されている。これは前世代のRTX 4070(599ドル)およびRTX 4070 Ti(799ドル)と比較すると若干の変動が見られるが、全体としてはミドルハイレンジ帯の価格設定を維持している。

ただし、価格の妥当性を考える上で重要なのは、競合製品との比較である。AMDは同時期にRadeon RX 9070およびRX 9070 XTを投入するとされており、これらの価格がNVIDIAの製品にどのような影響を与えるかが注目される。過去の例を見ても、NVIDIAとAMDは新世代のGPU投入時に価格競争を行うことが多く、RTX 50シリーズの価格が市場の動向によって変動する可能性は十分に考えられる。

また、実際に市場に流通する際には、MSRP(メーカー希望小売価格)よりも高騰するケースが考えられる。特に、AIBパートナー製のカスタムモデルは、冷却性能やOC(オーバークロック)機能の強化によって、標準モデルよりも価格が上乗せされることが一般的である。

過去の世代では、特定の人気モデルが定価より大幅に高値で取引されることもあったため、RTX 5070 & 5070 Tiも同様の状況になる可能性がある。このように、価格設定自体は妥当と言えるが、実際の市場価格がどうなるかは別の話である。新世代GPUの性能が明らかになるにつれ、他の製品との競争や供給状況によって、価格がどのように変動するのかを見極めることが重要になるだろう。

Source:PC Guide