Microsoftが公開した「Microsoft Edgeのアンインストール方法」に関する公式ガイドが、批判を受けて削除された。問題となったのは、ガイドの内容がユーザーにとって不十分であり、実際のアンインストール手順を明確に示していなかった点だ。削除後、Microsoftは新たなページを設置したが、そこにはアンインストール手順ではなく、Edgeの利点を説明する内容が含まれている。この変更により、Edgeの削除を求めるユーザーの意図には依然として応えていない状況だ。

EU圏内では比較的簡単な手順でEdgeを削除できるが、それ以外の地域ではPowerShellを用いるなど、公式には推奨されていない手法が必要になる。このような制約があるため、ユーザーの間では不満の声が高まっており、Microsoftの戦略に対する疑念も生じている。

削除されたMicrosoftの公式ガイド、その内容とは

Microsoftが公開した「Microsoft Edgeのアンインストール方法」に関する公式ガイドは、ユーザーに誤解を与える内容だったとして批判を受けた。このガイドは、Edgeを削除したいユーザー向けの手順を説明するかのように見えたが、実際にはアンインストールを阻む構成になっていた。

具体的には、ページにはEdgeの機能や利点を紹介する情報が含まれており、実際のアンインストール手順はほとんど説明されていなかった。その結果、多くのユーザーがこのガイドに対し「本来の目的とは異なる」と不満を表明した。批判の声が広がったことで、Microsoftはこのガイドを静かに削除し、別のページにリダイレクトする対応を取った。しかし、新たなページではアンインストール方法が記載されることはなく、Edgeを利用し続けることを前提とした内容へと変更された。

この削除により、MicrosoftがEdgeのシェア維持を重視していることが再び浮き彫りとなった。特に、Windowsの標準ブラウザとしての立場を強化するため、ユーザーの選択肢を狭めるような施策を取っているとの見方もある。公式ガイドの削除後も、ユーザーが実際に求める情報を得ることは難しい状況が続いている。

Microsoft Edgeのアンインストール、EUとその他の地域で異なる手順

Microsoft Edgeのアンインストール手順は地域によって異なり、EU圏内のユーザーは比較的簡単に削除できるのに対し、それ以外の地域ではより複雑な手順を踏む必要がある。この地域差がある理由のひとつには、EUのデジタル市場法(DMA)の影響があると考えられる。

EU圏内のWindowsユーザーは、設定アプリからMicrosoft Edgeを選択し、通常のアプリと同じ手順でアンインストールできる。しかし、EU圏外ではMicrosoftがシステムに深く統合しているため、通常の方法では削除できない。そのため、PowerShellを利用してコマンドを実行し、Edgeを手動で削除する方法が一般的に用いられている。

この違いは、Microsoftが特定の市場では規制に従いつつ、その他の地域ではEdgeの利用を促進する戦略を採用していることを示している。特に、Windowsに標準搭載されていることでEdgeのシェアを維持する意図があると考えられる。今後、他の地域でもユーザーの選択肢を尊重する方向にシフトするかが注目される。

ユーザーの反応と今後の展開

Microsoftの公式ガイドが削除されたことに対し、多くのユーザーが「そもそも適切な情報が提供されていなかった」と批判している。また、Google ChromeやFirefoxなどの他のブラウザを主に使用する人々にとって、Edgeの削除が難しいことへの不満の声も上がっている。

特に、EU圏外のユーザーは、PowerShellの使用を求められることに抵抗感を示しており、「なぜ一般的な方法で削除できないのか」と疑問を抱いている。一方で、一部のユーザーは非公式のアンインストールツールを利用することでEdgeを削除しているが、これらの方法は公式に保証されていないため、安全性に不安を抱く声もある。

この問題を受け、今後Microsoftがどのような対応を取るかが焦点となる。EU圏ではユーザーの選択を尊重する姿勢を見せているが、他の地域でも同様の方針に変更する可能性がある。Windowsのエコシステムを強化したいMicrosoftと、自由な選択を求めるユーザーとの間で今後も議論が続くことになりそうだ。

Source:NotebookCheck