サムスンの最新フラッグシップスマートフォン、Galaxy S25 Ultraは、チタンフレームとCorning社のGorilla Glass Armor 2を採用し、耐久性の向上を謳っている。しかし、Allstate Protection Plansが実施した高さ約1.8メートルからの落下テストでは、前面からの落下で画面が粉々に割れ、機能不全に陥った。

背面や側面からの落下では、損傷は軽度であったものの、完全な無傷とはいかなかった。これらの結果から、最新の素材や技術を用いても、スマートフォンの落下耐性には限界があることが示唆される。ユーザーは、ケースやスクリーンプロテクターの使用、そして保険の検討など、追加の保護策を講じることが推奨される。

特に、S25 Ultraの価格が1,299ドルと高価であることを考慮すると、これらの対策は重要である。Allstate Protection Plansのジェイソン・シシリアーノ氏も、「どんなスマートフォンも完全に壊れないわけではありません」と述べており、慎重な取り扱いと適切な保護の必要性を強調している。

サムスンの新素材Gorilla Glass Armor 2は本当に強化されたのか

サムスンはGalaxy S25 Ultraの耐久性向上のため、Corning社の最新ガラス「Gorilla Glass Armor 2」を採用している。この素材は従来のGorilla Glass Victusシリーズよりも高い強度を持ち、傷や衝撃に対する耐性が向上しているとされる。しかし、Allstate Protection Plansの落下テストでは、前面落下時にディスプレイが粉々に砕け、広範囲にわたる損傷が確認された。

Corning社は、Gorilla Glass Armor 2が約2.2メートルの高さからコンクリートに落下しても耐えうると発表しているが、実際のテストでは1.8メートルの高さでも深刻な破損が見られた。この結果は、スマートフォンのデザインや構造、衝撃の受け方によって耐久性が変動することを示唆している。また、Allstate Protection Plansのテストでは、背面と側面の耐久性は一定の評価を得ているものの、特に前面のガラスは依然として脆弱な部分であることが明らかになった。

この結果を踏まえると、Gorilla Glass Armor 2が「完全な耐衝撃性」を持つわけではなく、あくまで従来のガラスよりも強度が増したに過ぎないと考えられる。過去のスマートフォンでも新素材の導入が耐久性の向上につながるケースはあったが、完璧な耐衝撃性能を実現するには至っていない。S25 Ultraにおいても、ガラスの改良は進んでいるものの、過信は禁物である。スマートフォンの落下によるダメージを防ぐためには、耐衝撃ケースやスクリーンプロテクターの併用が依然として有効であるといえる。

チタンフレームは本当に耐久性向上につながるのか

Galaxy S25 Ultraは、スマートフォンのフレーム素材としてチタンを採用している。これは、AppleのiPhone 15 Proシリーズにも採用されており、高級スマートフォンにおいて耐久性の向上を目指すトレンドの一環といえる。しかし、Allstate Protection Plansの落下テストでは、チタンフレームは側面落下時に小さな凹みや擦り傷を負ったものの、大きな損傷は確認されなかった。この結果は、チタンの高い耐久性を示すものといえる。

チタンはステンレススチールやアルミニウムと比較して軽量でありながら強度が高く、腐食耐性にも優れている。そのため、フレームの耐久性向上には適した素材であると考えられる。ただし、スマートフォンの耐久性はフレームだけでなく、ディスプレイや背面パネルの素材とも密接に関係している。今回のテストでは、フレーム自体は大きなダメージを受けなかったが、前面や背面のガラス部分は深刻な損傷を受けた。

また、チタンは加工が難しく、コストが高いため、スマートフォンの価格が上昇する要因にもなっている。Galaxy S25 Ultraの価格が1,299ドルと高額になっているのも、こうした高価な素材の採用が影響している可能性がある。チタンフレームの導入は、耐久性向上の一助にはなっているが、それだけで落下時のダメージを完全に防ぐことはできない。総合的な耐久性を考慮する場合、やはり追加の保護対策が必要となる。

AIが提案する「スマートフォンを守る方法」は現実的か

Galaxy S25 Ultraには、Google Geminiを活用したAI機能が搭載されている。このAIは、ユーザーの質問に応じてアドバイスを提供することが可能であり、Allstate Protection Plansのテストでも「落下被害を防ぐ方法」について回答を行った。その内容は、耐久性の高いケースやスクリーンプロテクターの使用、スマートフォン保険の検討など、一般的に推奨される対策と一致するものだった。

しかし、AIが提案する方法が実際にどこまで有効なのかを検証することも重要である。今回のテスト結果を見ると、スクリーンプロテクターが前面ガラスの損傷をどこまで軽減できるかは未知数である。また、耐衝撃ケースを使用した場合、端末の背面や側面の保護には一定の効果があると考えられるが、ディスプレイの破損を完全に防ぐことは難しい可能性がある。

スマートフォン保険についても、加入すれば修理費用を軽減できるが、そもそも修理にかかる時間や手間は避けられない。S25 Ultraの修理費用はディスプレイ単体でも高額になると予想されるため、保険のメリットはあるものの、落下による破損そのものを防ぐことはできない。

AIが提案する方法は、確かに一定の有効性を持つが、それだけでスマートフォンを完全に守れるわけではない。結局のところ、最も重要なのはユーザー自身がスマートフォンの取り扱いに注意し、必要に応じて適切なアクセサリーを活用することにある。S25 Ultraのような高価な端末では、万が一の事態に備えた慎重な運用が求められる。

Source:NotebookCheck