GoogleのPixel 7シリーズで、最新のAndroid 16ベータ版を使用しているユーザーの間で、通話中に突然スマートフォンが再起動する問題が発生している。この現象はランダムに発生し、短い通話でも5分程度で端末が落ちるケースが報告されている。Pixel 7、7 Pro、7aの各モデルで問題が確認され、通話履歴の消失といった副次的な影響も見られる。
この不具合は特定のビルド(BP22.250103.008など)に関連している可能性があり、Googleはすでにバグを認識し調査中としているが、修正時期についての公式発表はない。影響を受けているユーザーの中には「スマホがまともに使えない」と不満を訴える声も多く、日常的な利用に支障が出ている状況だ。
現時点で確実な回避策はないが、影響を受けるユーザーは安定版のAndroid 15に戻すことを検討した方が良いかもしれない。
Pixel 7シリーズで発生したランダム再起動の原因とは
Android 16のベータ版を試しているPixel 7シリーズのユーザーから、通話中にスマートフォンが突然再起動するという報告が相次いでいる。この問題の発生原因は特定されていないものの、いくつかの要因が絡んでいる可能性がある。
まず、問題が発生しているビルドはBP22.250103.008とされており、ベータ版特有の不安定さが影響していることは間違いない。新しいOSの開発段階では、安定版よりも未知のバグが潜んでいることが多く、特定の状況下で予期しない挙動を引き起こすことがある。
特に、通話というスマートフォンの根幹機能に関わるバグが発生するのは、通信処理の複雑さやベースバンドチップとの相互作用が関係している可能性がある。また、Googleは以前のアップデートで類似のバグ修正を行っており、Android 15 QPR2 Beta 3のリリース時に関連する問題に対処したと考えられていた。
しかし、Android 16のベータ版において再び同様の現象が報告されていることから、根本的な原因が解決されていないか、新たなコード変更が影響を及ぼしていると考えられる。再起動の発生タイミングが「通話後5分程度」や「3~7分ごと」と報告されていることから、バックグラウンドで動作するシステムプロセスやメモリ管理の問題が関与している可能性も否定できない。
このような状況は、ベータ版のOSでは珍しくないものの、ユーザーにとっては日常的な利用に影響を及ぼす深刻な問題となる。特にメインのスマートフォンでベータ版を使用している場合、こうした予期せぬ不具合に直面するリスクを常に考慮する必要がある。
Pixel 7シリーズユーザーにとっての実害と影響
通話中のランダム再起動問題は、単なる一時的な不具合ではなく、Pixel 7シリーズのユーザーに実際の影響をもたらしている。特に重要な通話が突然中断されることで、日常のコミュニケーションやビジネスの場面において深刻な不便を引き起こしている。
例えば、通話履歴が消えるという報告もあり、仕事の打ち合わせや家族との連絡を取りたいときに履歴を確認できないといった問題が発生している。これは、単なる再起動の不便さを超え、データ損失という側面も含んでいる点で、ユーザーにとって大きなストレスとなる可能性が高い。
また、緊急の通話中に再起動が発生した場合、事故や災害時などの重要な状況で迅速な連絡が取れなくなるリスクもある。さらに、Googleの対応にも注目が集まっている。すでにこの問題は「高優先度」としてバグトラッカーに登録され、Googleのエンジニアリングチームが調査を進めている。
しかし、現時点で正式な修正アップデートのスケジュールは公表されておらず、ユーザーにとっては不透明な状況が続いている。このようなソフトウェアの不具合は、特に最新OSのベータ版を利用するユーザーにとって避けられないリスクであり、安定した利用を求めるのであれば、正式版のリリースを待つことが賢明と言える。
影響を避けるための現実的な対策とは
この問題を回避するために、Pixel 7シリーズのユーザーが取るべき選択肢はいくつか存在する。その中で最も確実な方法は、Android 16のベータ版を使用している場合、安定版のAndroid 15に戻すことだ。ベータ版は新機能のテストのために提供されているが、同時に不具合の発生リスクも高いため、日常の利用に支障が出る場合は安定版を優先するのが現実的な対策となる。
また、Pixelデバイスでは「フィードバックを送信」機能を利用することで、Googleに直接バグの詳細を報告することができる。同じ問題を経験しているユーザーが多ければ多いほど、Google側の対応が迅速化する可能性もある。
一方で、ベータ版の利用を継続したい場合は、再起動が発生しやすい状況を避けることも検討すべきだ。例えば、Wi-Fi通話を有効にする、Bluetoothの使用を制限する、モバイルデータの設定を変更するなど、通話環境を調整することで再起動の発生頻度を抑えられるかもしれない。特定の設定が影響している可能性もあるため、再起動が起きる条件を慎重に観察しながら、一時的な回避策を模索するのも一つの手だ。
今後のGoogleの対応次第では、次のベータ版または安定版のアップデートで修正が期待できるが、それまでの間、ユーザーは自身の環境に合わせた対策を講じることが求められる。特にメイン端末としてPixel 7シリーズを使用している場合は、安定性を優先する判断が重要になるだろう。
Source:Android Police