GoogleがAndroid Auto 13.7のアップデートを正式に展開し始めた。今回のバージョンは、2025年に入って2回目の更新となるが、見た目の変化はほぼなく、主にバグ修正と内部調整が行われている。Googleは具体的な変更点を公表していないものの、コード解析によって「新しいアプリ」の導入を示唆する手がかりが見つかった。

内部コードには「Android Autoで利用可能になりました」や「駐車中に利用可能になりました」といった新しい文字列が追加されており、Googleが進める「カー対応モバイルアプリ」の拡張と関係している可能性がある。これは、特定のアプリを駐車時のみ利用可能にする新プログラムの一環と考えられるが、Android Auto向けにいつ適用されるかは不明だ。

また、Android Autoと異なる「Android Automotive OS」向けの新プログラムが2月から開始されており、これが将来的にAndroid Autoにも波及する可能性がある。今回のアップデートは段階的に配信されており、今後数日で多くのユーザーに届く見込みだ。

Android Auto 13.7に隠された新アプリのヒントとは

今回のアップデートでは、コード解析によって「新しいアプリ」に関連する文字列が追加されていることが判明した。「Android Autoで利用可能になりました」「駐車中にAndroid Autoで利用可能になりました」といったメッセージが内部コードに含まれており、これが今後の機能拡張を示している可能性がある。

Googleは2025年1月に開発者向けガイドラインを更新し、2月から「カー対応モバイルアプリ」の新プログラムを開始すると発表している。このプログラムでは、Android AutoやAndroid Automotive OS向けのアプリ開発がより容易になるとされており、特に「駐車中のみ動作するアプリ」に関する言及が含まれている。

これまでAndroid Autoでは、ナビゲーションや音楽、メッセージングといった一部のアプリに制限されていたが、駐車中限定のアプリが増えれば、動画再生やゲーム、ショッピングアプリなど、より多様な機能が追加される可能性がある。ただし、今回のコードに記載されている内容がすぐに実装されるわけではなく、開発の進捗次第では数カ月以上の時間を要することも考えられる。

Android Automotive OSとAndroid Autoの関係 今後の展開はどうなるのか

Android Autoはスマートフォンの画面を車載ディスプレイに投影する仕組みであるのに対し、Android Automotive OSは車載システムに直接組み込まれる独立したOSである。Googleが2月に開始する新プログラムは、まずAndroid Automotive OS向けとして発表されており、これがAndroid Autoにも適用されるかどうかは明言されていない。

Android Automotive OSを採用する車種は徐々に増えており、特に欧米メーカーを中心に標準搭載が進んでいる。例えば、ボルボやポールスターの車両ではGoogle Playストアからアプリを直接インストールできるようになっており、今後も対応モデルは増加する見込みだ。

一方で、Android Autoはより多くの車種で利用できるものの、スマートフォンに依存するため、システムの自由度は限られている。Android Automotive OSの進化に伴い、Android Autoも影響を受ける可能性は高いが、機能の移行や統合がどのように進むのかは不透明だ。今回のアップデートに含まれるコードの変化は、その方向性を示唆するものかもしれない。

ユーザーにとっての影響 これからのAndroid Autoはどう変わるのか

今回のAndroid Auto 13.7のアップデートは、見た目の変化こそ少ないものの、将来的な機能追加を示す重要な手がかりとなる。もし「駐車中に利用可能なアプリ」が本格的に展開されれば、利用者の体験が大きく変わる可能性がある。

例えば、目的地に到着した際に天気やニュースをチェックしたり、車内で短時間の動画視聴をしたりすることができるようになれば、これまでの「移動中に便利なツール」という位置づけから「車内での時間を快適にするプラットフォーム」へと進化することになる。

また、音声アシスタントとの連携強化や、アプリのカテゴリ拡大も期待される。現在、Android Autoでは利用できないアプリも、駐車時限定なら許可される可能性があり、アプリ開発者にとっても新たな市場が広がることになる。ただし、こうした機能がすぐに提供されるわけではなく、Googleの今後の発表を待つ必要があるだろう。

Source:9to5Google