Androidユーザーに朗報だ。Googleは、デフォルトのメッセージアプリ「Googleメッセージ」において、送信済みメッセージの編集や送信取消が可能になる新機能を開発中である。この機能は、RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)プロトコルの最新バージョン「Universal Profile 2.7」への対応の一環として導入される見込みだ。

これにより、誤って送信したメッセージを後から修正したり、削除したりすることが可能となり、コミュニケーションの柔軟性が大幅に向上するだろう。さらに、iPhoneユーザーとのメッセージのやり取りも、よりシームレスになることが期待されている。

9to5Googleによると、Googleメッセージのベータ版コード内に「Delete for me(自分だけ削除)」や「Delete for everyone(全員から削除)」といった新しいオプションのテキストが発見された。これらは、Universal Profile 2.7で定義された機能であり、メッセージの編集や削除、返信やリアクションの互換性向上などが含まれる。

これにより、Androidユーザーは送信済みのメッセージを後から編集・削除できるようになり、iPhoneユーザーとの間でも、よりスムーズなコミュニケーションが可能になると期待される。一方、AppleはiOS 18でRCSの導入を発表しており、Androidユーザーとのメッセージのやり取りが大きく改善される予定だ。

これにより、iPhoneユーザーも高解像度の動画や音声のやり取りが可能になり、MMSに依存せずにグループチャットができるようになる。ただし、Appleが「メッセージの編集や削除」機能を取り入れるかどうかは現時点では不明であり、今後の動向に注目が集まる。

この新機能の導入により、Androidユーザーは誤送信やタイプミスに対処しやすくなり、コミュニケーションの質が向上することが期待される。正式なリリース時期は未定だが、今後のアップデートに注目したい。

Androidのメッセージ機能が進化する背景とは

GoogleがAndroidのメッセージアプリに「編集」と「送信取消」機能を追加する背景には、RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)の普及がある。RCSは従来のSMSやMMSの限界を超え、インターネットベースのメッセージングを実現する新しい通信プロトコルだ。特に近年、AppleがRCSを採用すると発表したことで、RCSの標準化がさらに進むと考えられている。

また、GoogleはこれまでAndroidメッセージの利便性向上に注力してきた。例えば、2022年には暗号化機能を追加し、プライバシー保護を強化した経緯がある。今回の編集・送信取消機能の導入も、その流れを受けたものだろう。

さらに、Googleメッセージのコード解析によって「Delete for me」や「Delete for everyone」といった新しいオプションが発見されたことは、これが単なる噂ではなく、具体的な実装段階にあることを示唆している。

この機能は、AppleのiMessageにすでに実装されているものと類似しており、今後のアップデートでAndroidとiOSのメッセージ機能の差が縮まることが期待される。しかし、RCSを導入しつつも、Appleがどこまで互換性を持たせるかは不透明だ。Googleが機能の正式リリースに踏み切るタイミングと、Appleの対応がどう変化するかが今後の焦点となる。

メッセージの編集・取消機能がもたらす新たな利便性

今回追加が予定されている「編集」と「送信取消」機能は、ユーザーのコミュニケーション体験を大きく向上させるものだ。誤字脱字の修正はもちろん、送信後にメッセージの内容を変更できることで、意図しない誤解を防ぐことができる。特に、リアルタイムのやり取りが増える現代において、誤送信や失言のリスクを軽減できるのは大きなメリットだ。

また、送信取消機能も重要な役割を果たす。例えば、個人的な情報を誤って送信してしまった場合や、誤った相手にメッセージを送った際に、すぐに削除できることでトラブルを未然に防ぐことが可能となる。

現在のAndroidメッセージでは、一度送信すると取り消しができないため、これが大きな改善点となる。さらに、9to5Googleの報道によると、「Delete for everyone」のオプションが実装されることで、相手側のデバイスからもメッセージを削除できるようになるとみられる。

この機能が正式に提供されれば、LINEやWhatsAppのような既存のメッセージアプリと同様の操作性がAndroid標準のメッセージアプリでも実現することになる。メッセージアプリをGoogleメッセージに統一するユーザーも増えるかもしれない。

Appleの対応がAndroidとの関係を左右するか

Googleが新機能を導入する一方で、Appleの対応も今後の動向を左右するポイントとなる。AppleはすでにiMessageでメッセージの編集・取消機能を実装しているが、RCSの全面導入に関しては慎重な姿勢を取ってきた。しかし、2024年にRCSの対応を発表したことで、今後はAndroidユーザーとのメッセージの互換性が向上するとみられている。

ただし、AppleがRCSを導入することで、iMessageの独自性が薄れる可能性もある。そのため、AppleがiOS 18以降のアップデートでどこまでAndroidとの互換性を考慮するのかは注目される。特に、「メッセージの編集・削除機能」をRCSベースで提供するかどうかは、今後のAppleの戦略次第と言えるだろう。

また、Googleがこの新機能を正式にリリースすれば、Appleがどのように対抗するかも気になるところだ。iMessageとGoogleメッセージの機能差が縮まることで、ユーザーはどちらのメッセージアプリを選ぶべきかという新たな選択を迫られることになる。メッセージングの未来は、両陣営の動き次第で大きく変わるかもしれない。

Source:Gizmodo