Appleが開発中とされる折りたたみ式iPhoneに関する新たなリーク情報が浮上した。報道によれば、このデバイスは展開時に約12インチの大画面を持ち、縦折りのクラムシェル型デザインを採用するという。さらに、Samsungがディスプレイを独占開発し、Lens Technologyが超薄型ガラス(UTG)カバーを担当するとされている。

しかし、これらの情報にはいくつかの疑問点が存在する。例えば、6.1インチのディスプレイを2つ組み合わせても、対角線の長さは約8.6インチとなり、12インチには達しない。また、バッテリー容量が約5000mAhと報じられているが、これが大画面を駆動するのに十分かどうかも不明だ。

Appleは競合他社の動向に左右されず、自社のペースで製品開発を進めていると考えられるが、ユーザーとしては実際の製品がどのようなものになるのか、引き続き注視していく必要がある。

折りたたみiPhoneのディスプレイ技術と耐久性への課題

折りたたみiPhoneには、Samsung製のディスプレイが採用されると報じられている。さらに、Lens Technologyが超薄型ガラス(UTG)カバーを担当することで、画面の耐久性を向上させる狙いがあるようだ。これまでの折りたたみスマートフォンは、画面の折り目部分にシワが寄る問題が指摘されてきたが、Appleがどのような解決策を用意しているのか注目される。

また、リーク情報によれば、本体フレームにはチタン合金やカーボンファイバーといった高耐久素材が検討されている。折りたたみデバイスでは、ヒンジ部分の耐久性が重要となるが、Appleは1台あたり110ドルの高価なヒンジを採用することで、従来の折りたたみスマホとは一線を画す可能性がある。ヒンジの設計が耐久性にどの程度影響するのかは、実機の登場を待つ必要がある。

一方で、ディスプレイの大きさについては疑問が残る。リークでは「6.1インチのディスプレイ2つを組み合わせて12インチ以上」とされているが、実際には8.6インチ程度に留まる可能性が高い。ピタゴラスの定理を用いると、2枚のディスプレイを横に並べた場合、画面の対角線は12インチにはならない。折りたたみiPhoneのディスプレイサイズがどのように設計されるのか、今後の追加情報が待たれる。

バッテリー持続時間の不安と最適化の可能性

折りたたみiPhoneのバッテリーは、5000mAhのデュアルステンレス鋼ケースバッテリーが採用されるとリークされている。これは、iPhone 16 Pro Maxの4685mAhやGalaxy S24 Ultraの5000mAhと比較しても十分な容量に見える。しかし、折りたたみスマホは通常のスマートフォンよりも消費電力が大きく、特に大画面の駆動に多くの電力を必要とするため、実際のバッテリー持続時間には不安が残る。

AppleのiOSは電力管理が優れていることで知られており、効率的なソフトウェア最適化によってバッテリーの持ちを向上させる可能性はある。ただし、折りたたみ端末特有の問題として、デュアルバッテリー設計に伴うエネルギー損失や、追加ディスプレイの消費電力が課題となる。折りたたみiPhoneがどのようなバッテリー管理技術を採用するのかが、ユーザーの満足度を大きく左右するだろう。

また、ATL(Amperex Technology Limited)が開発する3D積層セルバッテリーが搭載されるという情報もある。これにより、従来のバッテリーよりも高密度なエネルギー保存が可能になり、バッテリー寿命の延長が期待される。とはいえ、長期間の使用における劣化速度や発熱問題がどの程度抑えられるのか、実機の検証が必要だ。Appleがこの課題をどうクリアするのか、今後の発表に注目したい。

競争が激化する折りたたみスマホ市場でのAppleの立ち位置

折りたたみスマホ市場は、2026年から2027年にかけて急速に成長すると予測されている。Huaweiはすでに「Mate XT」というトリプル折りたたみ端末を発表し、Samsungも同様の技術を開発中とされている。そんな中、Appleの折りたたみiPhoneは、2026年に800万〜1000万台、2027年には2000万台の出荷が見込まれている。

Appleはこれまで、他社が先行する分野においても独自のアプローチで成功を収めてきた。例えば、スマートウォッチ市場ではApple Watchが圧倒的なシェアを誇っており、折りたたみスマホにおいても同様の戦略が取られる可能性がある。すでにiPhoneユーザーのエコシステムが確立されているため、折りたたみiPhoneが多少の課題を抱えていたとしても、多くのユーザーが興味を示すだろう。

また、Appleは市場の動向に対して慎重な姿勢を取ることが多い。これまで折りたたみスマホを発表しなかったのも、技術的な成熟を待っていた可能性が高い。つまり、Appleが折りたたみiPhoneを投入するということは、ある程度完成度が高いデバイスになると期待できる。しかし、初代モデルがどこまでユーザーの期待に応えられるかは未知数だ。市場の反応次第では、今後のモデルチェンジによってさらに洗練されたデバイスへと進化するかもしれない。

Source:PhoneArena