Huaweiは、トライフォールド(3つ折り)スマートフォン「Mate XT」のグローバル展開を正式に発表した。これは、Samsungが同様の折りたたみスマートフォンを発表するとの噂が浮上する中、Huaweiが先んじて世界市場に投入する戦略とみられる。

Mate XTは昨年9月に中国市場で約CNY 19,999(約$2,750)で発売され、その後も継続して生産されている数少ないトライフォールド端末の一つだ。Huaweiは2024年夏に「Mate XT Ultimate Design」を発表し、これまで中国市場に限定して展開してきたが、今回の発表により、グローバル市場でも手に入る可能性が高まった。

一方、Samsungは2024年夏に「Galaxy Z Fold6」と並んで初のトライフォールドスマホを投入するとの情報があり、折りたたみスマホ市場における競争は一層激化する見込みだ。Huaweiは2月18日にMate XTのグローバル版を正式に披露するとされており、その価格設定や販売地域の詳細が注目される。

Mate XTの特長とトライフォールド技術の進化

HuaweiのMate XTは、トライフォールド(3つ折り)構造を採用した数少ないスマートフォンのひとつであり、現在も量産が継続されている。これまでの折りたたみスマートフォンは、ディスプレイを一度折る構造が主流だったが、Mate XTは二箇所で折りたたむことで、より大画面をコンパクトに収納できる仕様となっている。

折りたたみスマホの市場では、これまでSamsungのGalaxy Z Foldシリーズなどが大きなシェアを持っていたが、Mate XTの登場により、さらなる多様化が進んでいる。特に、Huaweiはディスプレイ技術において独自の開発を進めており、Mate XTのヒンジ機構や耐久性向上のための新素材の採用が特徴的だ。この改良により、長期間の使用でも画面の折り目が目立ちにくくなり、耐久性が向上しているとされる。

加えて、Mate XTは折りたたんだ状態でも快適に使えるように設計されており、開かずに通知確認や簡単な操作が可能だ。これまでの折りたたみスマートフォンは、大画面を活かせる一方で、折りたたみ時の使い勝手が課題とされてきたが、Mate XTはこの点でも改良が施されている。こうした点から、トライフォールドスマホの実用性は今後さらに向上し、市場における折りたたみスマホの選択肢が広がることが期待される。

Samsungのトライフォールドスマホの噂と市場への影響

Mate XTのグローバル展開が発表された一方で、Samsungもトライフォールドスマホの開発を進めていると報じられている。SamsungはこれまでGalaxy Z Foldシリーズで折りたたみ市場をリードしてきたが、Huaweiが世界市場へ進出することで、競争が激化することは間違いない。

現時点では、Samsungのトライフォールドスマホについての正式な発表はないものの、Galaxy Z Fold6とともに登場する可能性が指摘されている。Samsungはすでに折りたたみディスプレイの技術を確立しており、耐久性や薄型化に関する改良が進められているとみられる。特に、Mate XTのように二箇所で折りたたむ構造を採用する場合、ディスプレイの寿命やバッテリー配置などの課題をどのように克服するかが注目される。

折りたたみスマホ市場においては、これまでの単純な「二つ折り」から、「三つ折り」へと進化する流れが加速する可能性が高い。SamsungとHuaweiの競争によって、折りたたみディスプレイの技術がさらに進化し、今後はより多くのメーカーがこの分野に参入することも予想される。ユーザーにとっては選択肢が増える一方で、価格面や耐久性の課題がどこまで解決されるかが大きなポイントとなる。

Mate XTのグローバル展開と今後の展望

HuaweiはMate XTのグローバル市場投入に向け、2月18日に正式な発表を行う予定だ。すでに中国市場では高価格帯のデバイスとして展開されており、グローバル版の価格設定が注目される。現在のところ、Mate XTの海外価格は公表されていないが、中国版の販売価格が約$2,750であることを考慮すると、プレミアムモデルとしての位置づけが続く可能性が高い。

また、Huaweiはこれまでの折りたたみスマホシリーズで、Mate XやMate X5などのモデルを展開してきたが、Mate XTはその流れを継ぐ重要なデバイスとなる。特に、折りたたみ技術の進化によって、トライフォールドスマホがどこまで一般的な選択肢となるかが試されることになる。従来の折りたたみスマホよりもディスプレイサイズが大きくなる一方で、折りたたんだ際の厚みや重量がどこまで抑えられるかがカギとなる。

今後、Mate XTがどの地域で展開されるのか、そしてSamsungの対抗モデルとどのように競争していくのかが焦点となる。折りたたみスマホの市場はこれまで以上に多様化し、技術革新のスピードが一層加速することが予想される。

Source:NotebookCheck