Nomadが新たに発表した「Universal Cable for Apple Watch」は、iPhoneとApple Watchを同時に充電できるUSB-Cケーブルだ。Apple Watch用の充電パックを内蔵し、1本のケーブルで複数のデバイスを管理できるのが特徴となる。

このケーブルは最大100Wの電力供給に対応しつつ、Apple Watchの高速充電にも最適化されている。しかし、USB 2.0規格のためデータ転送速度は限定的であり、充電用途に特化した設計だ。価格は100ドルとやや高額だが、ケブラー製の外装や強化メタルコネクターにより高い耐久性を持つ。特に外出先や旅行時にケーブルを減らしたい人にとって、有力な選択肢となるだろう。

Apple Watchユーザーに最適化された充電設計

Nomadの「Universal Cable for Apple Watch」は、単なるUSB-Cケーブルではなく、Apple Watchユーザー向けに最適化された充電設計を採用している。このケーブルの最大の特徴は、一方の端にApple Watch専用のワイヤレス充電パッドを内蔵している点だ。

Apple純正のApple Watch磁気充電ケーブルと異なり、ケーブルを1本にまとめつつ、iPhoneやその他のUSB-C対応デバイスの充電も同時に可能となっている。この充電仕様により、Apple Watch(Series 7~10、Ultra、Ultra 2)の高速充電にも対応している。

特にApple Watch Ultraシリーズを使用するユーザーにとっては、外出先での充電環境をシンプルにまとめることができる点が魅力だ。AirPods Pro 2や新型AirPods 4(ANC対応)も同じケーブルで充電可能なため、Appleデバイスとの親和性が高い。

また、USB-Cの電力供給能力は最大100Wとなっており、MacBookやiPadなどの高出力デバイスとも接続できる。ただし、Apple Watchのワイヤレス充電が優先される仕様のため、Apple Watchを充電中はUSB-C経由での電力供給が最大92Wに制限される。これにより、急速充電を必要とするノートPCなどとの併用時には、電力供給の優先順位を考慮する必要がある。


データ転送性能よりも利便性を重視した設計

Nomadの新型ケーブルは、充電機能に特化した設計がなされており、データ転送速度は制限されている。このケーブルはUSB 2.0規格に準拠しており、高速データ転送には適していない。これは長さ1.5メートルのケーブル長を確保するための仕様であり、一般的なUSB-Cケーブルと比較すると転送速度が遅い点がデメリットとなる。

しかし、そもそもこのケーブルの用途はデータ転送ではなく、多機能な充電である。そのため、MacBookやPCと接続して大容量ファイルを転送する用途には適さないが、複数のデバイスを1本で充電できるという利便性に重きを置いた設計だ。

特に外出先や旅行時において、充電ケーブルの本数を減らし、持ち運びを簡単にしたいユーザーにとっては有用だろう。また、Apple製品のエコシステムとの相性も考慮されており、iPhoneとApple Watchを同時に充電しながら、さらにAirPodsを充電することも可能だ。

USB-C端子を搭載したiPhone 15シリーズを利用している場合、iPhone本体のバッテリーを使用してApple Watchを充電することもできる。このように、データ転送よりも、Appleデバイスの充電を最大限に効率化することが目的の製品であることが分かる。


価格は高めながら耐久性と実用性を両立

このケーブルの価格は100ドルと、一般的な充電ケーブルと比較すると高価な部類に入る。Apple純正のApple Watch磁気充電器が29ドルであることを考えると、価格差はかなり大きい。しかし、Nomadの製品はプレミアムな素材を採用しており、その耐久性と実用性が価格を正当化する要素となっている。

外装には「ダブルブレイドのケブラー」が採用されており、通常のナイロン編み込みケーブルよりも強度が高い。これにより、頻繁な折り曲げや引っ張りにも耐え、長期間使用できる設計になっている。さらに、コネクター部分は強化された電気メッキメタル製で、物理的なダメージにも強い仕様だ。

これらの要素は、頻繁に充電ケーブルを持ち運ぶユーザーや、耐久性を重視するユーザーにとって大きなメリットとなる。加えて、ケーブルの設計自体も実用性を意識したものとなっており、Apple Watchの充電部分が一体型であるため、別途充電パッドを持ち歩く必要がない。

特にビジネス用途や旅行の際には、1本で複数のデバイスを充電できることが大きな利点となる。価格面では割高ではあるものの、機能性と耐久性を重視するならば、その価値は十分にあるといえる。

Source:The Verge