Samsungの最新フラッグシップモデル、Galaxy S24 Ultraが登場した。6.8インチの大型ディスプレイとチタンフレームを採用し、価格は約19万円からと高価だが、注目すべきはそのAI機能の充実ぶりである。「Circle to Search」や「Browsing Assist」など、AIを活用した新機能が多数搭載されており、ユーザーの利便性を大きく向上させている。
また、カメラ性能もAIによって強化され、写真編集や被写体の移動・削除が容易になった。一方、その大きさから片手での操作は難しく、価格も高めであるため、購入を検討する際にはこれらの点も考慮する必要がある。
Galaxy S24 UltraのAI機能がもたらす新たなスマホ体験
Galaxy S24 Ultraは、従来のスマートフォンとは一線を画すAI機能を多数搭載している。その中でも特に注目されるのが、「Circle to Search」「Browsing Assist」「Live Translate」といった、日常の利便性を飛躍的に向上させる機能である。
「Circle to Search」は、画面上の対象を円で囲むだけで関連情報を検索できる機能で、文字入力の手間を省きつつ、スムーズな情報収集が可能となる。例えば、オンラインショッピング中に気になった商品を囲むと、そのアイテムの詳細や購入先が瞬時に表示される。これにより、検索の手間が大幅に削減されるだけでなく、視覚的な情報の活用がしやすくなっている。
また、「Browsing Assist」は、ウェブページの要約や翻訳を自動で行う機能だ。長文の記事を一瞬で要約し、必要な情報だけを効率的に取得できるため、調査や学習用途での利便性が高まる。特に、海外ニュースや専門的な情報を素早く理解したい場面で大きな助けとなるだろう。
「Live Translate」では、通話中にリアルタイム翻訳が可能になった。これは、異なる言語を話す相手との円滑なコミュニケーションを可能にし、海外旅行や国際ビジネスなど幅広いシーンで活用できる。ただし、現時点では完全な精度には至っておらず、特に方言や専門用語が含まれる会話では多少の違和感が生じることもある。
こうしたAI機能は、従来のスマートフォンとは異なる使い方を可能にするだけでなく、日常のスマホ体験そのものを再定義する可能性を秘めている。しかし、AIを最大限に活用するには、ユーザー側もこれらの機能を適切に理解し、効果的に活用するスキルが求められる。
チタンボディがもたらす耐久性と使用感の変化
Galaxy S24 Ultraの大きな進化の一つに、チタン製フレームの採用が挙げられる。これは、競合であるiPhone 15 Proシリーズと同様の素材であり、強度と軽量性のバランスを向上させることを目的としている。
チタンは、アルミニウムと比べて約4倍の強度を持ちながら、軽量である点が特徴だ。これにより、Galaxy S24 Ultraは頑丈さを保ちつつ、従来モデルよりも手に持った際の負担を軽減している。特に、スマートフォンの大型化が進む中で、重量の増加はユーザーにとって無視できない要素となるため、このチタン採用の影響は大きい。
また、ディスプレイにはCorning Gorilla Armorが使用されており、従来のガラスと比較して最大4倍の耐傷性を実現している。さらに、光の反射を約75%低減することで、屋外や明るい環境下でも視認性が向上している。これは、日常的にスマートフォンを使用する場面が多いユーザーにとって大きなメリットとなる。
しかし、実際に手に取ると、チタンの採用によって重量バランスが変わり、持ちやすさに影響を及ぼしていることがわかる。従来のアルミニウム製モデルと比較すると、若干重みを感じる部分もあり、片手操作を頻繁に行うユーザーにとっては、少し扱いづらいと感じるかもしれない。
耐久性が向上したことで、スマートフォンを長期間使用する人にとっては魅力的な進化といえる。一方で、落下時の衝撃吸収能力がどの程度改善されているのかは、今後の実証データを待つ必要がある。デザイン面だけでなく、実際の使用感や耐久性がどのような評価を受けるかが、今後の注目ポイントとなるだろう。
AIによる写真編集機能はどこまで使えるのか
Galaxy S24 Ultraは、カメラ性能の向上に加えて、AIを活用した写真編集機能を搭載している。「Generative Edit」と呼ばれるこの機能は、不要なオブジェクトを消去したり、被写体の位置を移動させたりすることが可能だ。
この機能の最大の特徴は、編集後の画像が自然に仕上がる点にある。従来の写真編集アプリでは、オブジェクトの削除後に不自然な背景が残ることが多かったが、「Generative Edit」は周囲のピクセル情報を活用し、違和感のない仕上がりを実現する。例えば、観光地で写真を撮影した際に、背景に写り込んだ人を簡単に消去できるため、より完成度の高い写真を作成することができる。
また、「Instant Slow-mo」という機能では、動画の一部をスローモーションに変換できる。これまでスローモーション撮影は事前に設定する必要があったが、この機能を使えば、通常撮影した動画を後からスローモーション化できるため、より柔軟な編集が可能となる。
ただし、こうしたAI編集機能には限界もある。例えば、細かいディテールを含む画像では、編集後に若干の違和感が生じることもあり、すべての写真が完璧に仕上がるわけではない。また、編集を多用することで、写真本来の質感が失われる可能性もあるため、使いどころを見極める必要がある。
このように、Galaxy S24 UltraのAI写真編集機能は、クリエイティブな写真作成に役立つ一方で、完全な万能ツールとは言えない。シンプルな編集なら手軽にこなせるが、本格的な加工を求める場合は、専用の編集ソフトと併用するのが理想的な使い方となるだろう。
Source:Lifewire