サムスンの次期フラッグシップモデル、Galaxy S26 Ultraのプロトタイプにおいて、ディスプレイ上にセルフィーカメラのパンチホールが存在しないことが確認された。これは、同社が画面下カメラ(アンダーディスプレイカメラ、UDC)技術を採用し、ノッチやパンチホールのない完全なフルスクリーンデザインを目指している可能性を示唆している。

この技術は、2021年にGalaxy Z Fold 3で初めて導入されたが、当初は画質面での課題が指摘されていた。しかし、最新の情報によれば、サムスンはUDCの性能を大幅に向上させ、メインストリームのスマートフォンにも適用できるレベルに達したと考えられる。

これが事実であれば、Galaxy S26 Ultraは、視覚的な没入感をさらに高めたデザインと、改良されたセルフィーカメラの画質を提供することになるだろう。

Galaxy S26 UltraのUDC技術は何が変わったのか

Galaxy S26 Ultraに採用される可能性がある画面下カメラ(UDC)は、従来のモデルと何が異なるのか。この技術はGalaxy Z Fold 3から導入されたものの、カメラ部分の画質劣化が大きな課題となっていた。ディスプレイ越しにカメラが配置されることで、光の透過率が低下し、画像の鮮明さに影響を与えていたのが主な要因である。

しかし、今回のリークによると、サムスンはこの問題を克服するために、新たなディスプレイ素材とアルゴリズムを組み合わせている可能性がある。特に、ピクセル配置の改良によって、カメラ部分の視認性を向上させながら、通常の使用時にはディスプレイとの一体感を強化する仕組みが採用されているようだ。

また、ソフトウェア面での進化も見逃せない。AIを活用した画像補正技術により、撮影時のノイズを軽減し、より自然なセルフィー撮影が可能になったと考えられる。これにより、UDC搭載モデルの弱点であったカメラ性能の向上が期待される。S26 Ultraで採用される場合、UDC技術の完成度は飛躍的に向上し、折りたたみ式スマートフォン以外のモデルでも十分な画質を実現できる可能性が高い。

Galaxy Z Fold 7への影響と今後の展望

Galaxy Z Fold 7にも改良されたUDC技術が採用される可能性が指摘されている。これまでのFoldシリーズでは、UDCが搭載されていたものの、画質の面で厳しい評価を受けることが多かった。そのため、サムスンがS26 Ultraで培った技術をFoldシリーズにも応用することで、UDCの欠点を克服する試みがなされる可能性がある。

さらに、次世代のFoldシリーズはディスプレイサイズが拡大するとのリーク情報もあり、これが事実であれば、カメラ部分の目立たないデザインがより重要になる。特に、Z Fold 7はタブレットのような大画面を活かしたマルチタスク機能が求められるため、パンチホールのない完全なスクリーンデザインが使い勝手の向上に寄与するだろう。

また、サムスンはディスプレイ技術の進化に合わせて、より強度の高いUTG(超薄型ガラス)を採用する可能性もある。これにより、UDCの採用だけでなく、耐久性や視認性の向上も同時に期待できる。Galaxy Z Fold 7は、新しいUDC技術の完成度を測る重要なモデルとなるかもしれない。

スマートフォンのデザインはどう変わるのか

もしサムスンがUDC技術を本格採用すれば、今後のスマートフォンデザインにも大きな影響を与えることになる。これまで、ノッチやパンチホールは画面占有率を高めるための妥協点として受け入れられてきたが、UDCの改良によって、それらを完全になくすことが現実的になりつつある。

特に、ゲーミングや映像視聴を重視するユーザーにとって、カメラ部分の視界が遮られないデザインは大きな魅力となるだろう。また、ノッチレスデザインはスマートフォンの一体感を高めるだけでなく、折りたたみ式やスライド式といった新しいフォームファクターの可能性を広げる要素にもなる。

さらに、サムスンが成功すれば、他のメーカーも同様の技術開発に乗り出すことが予想される。既に一部のメーカーがUDCを試験的に導入しているが、まだ一般的な技術とは言えない。しかし、S26 UltraやZ Fold 7が市場で成功を収めれば、次世代のスマートフォンは「完全フルスクリーン」が主流になる可能性が高い。

Source:Android Police