Valveが新たなSteamコンソールの開発を進めているとの噂が浮上している。スペインのリーカー「extas1s」によれば、同社はAMDの最新GPUであるRadeon RX 9070シリーズ(RDNA 4アーキテクチャ)向けのドライバ開発に注力しているという。

これらのGPUはデスクトップ向けに設計されており、ValveがSteamOSを搭載した新たなデスクトップコンソールを計画している可能性が示唆されている。この動きは、PlayStationやXboxといった既存のゲーム機に対抗する意図があると考えられる。ただし、現時点では公式な発表はなく、今後の情報に注目が集まる。

ValveがRDNA 4アーキテクチャを選択する理由とは

Valveが次世代SteamコンソールにAMDのRDNA 4アーキテクチャを採用する可能性が浮上しているが、なぜこの技術を選択するのかが注目される。RDNA 4はAMDが最新世代として開発しているGPUアーキテクチャであり、高い電力効率とパフォーマンスの向上が特徴だ。

これまでのRDNA 3と比較してレイトレーシング性能やFSR(FidelityFX Super Resolution)の進化が期待されている。特に、AMDの新技術であるFSR 4が採用されることで、ハードウェアの負担を抑えつつ高解像度な映像体験を提供できるとされる。

ValveはこれまでSteam DeckでAMDのAPUを採用してきたが、今回の情報ではデスクトップ向けのRadeon RX 9070シリーズのドライバ開発に注力していることが示唆されている。このことから、次世代Steamコンソールは携帯型デバイスではなく据え置き型の可能性が高い。

RDNA 4はデスクトップ向けに最適化されており、これを採用することでハイエンドPC並みのゲームパフォーマンスを提供できる可能性がある。この選択にはNVIDIAやIntelとの競争環境も関係していると考えられる。特に、現在のPC市場ではNVIDIAのGeForceシリーズが圧倒的なシェアを持つが、AMDはコストパフォーマンスの面で優れた選択肢を提供している。

ValveがAMDのRDNA 4を選んだ背景には、SteamOSとの親和性やコスト効率の向上が考えられる。さらに、RDNA 4の特性がクラウドゲーミングやAI処理にも適応しやすいことも、この決定の理由の一つかもしれない。

次世代Steamコンソール「Fremont」とは何か

次世代Steamコンソールのコードネームとして「Fremont」が登場している。この名称はValveが開発中の新型デバイスのプロジェクト名であり、これまでのSteam Deckとは異なる形態を持つと予想されている。

リーク情報によると、FremontはAMDのZen 4 CPUとRDNA 3 GPUを搭載する予定だったが、今回のRDNA 4アーキテクチャ採用の情報が事実であれば、当初の計画が変更された可能性がある。Fremontがどのようなコンソールになるのかはまだ明らかではないが、据え置き型の可能性が高いとされる。

これまでのSteam Deckは携帯型PCとしての立ち位置だったが、今回の情報では高性能なデスクトップ向けGPUの採用が示唆されているため、従来のゲーム機と同じような据え置き型として設計される可能性がある。これにより、SteamOSをベースにした家庭用ゲーム機として、PlayStationやXboxと競合することも考えられる。

ValveはかつてSteam Machineというデスクトップ型ゲーム機を開発したが、商業的には成功しなかった。しかし、現在はゲーム市場の環境が変化しており、特にPCゲーム市場の拡大やクラウドゲーミング技術の進歩が影響している。Fremontがこれらの要素を取り入れた新しいコンセプトのデバイスとなる可能性は十分にある。

Valveの次世代コンソールがもたらす影響

Valveが次世代Steamコンソールを開発しているとすれば、ゲーム市場にどのような影響を与えるのかが気になるポイントだ。現在、PCゲーム市場は拡大を続けており、特にカジュアルユーザー層の増加が目立つ。一方で、従来のゲーミングPCは高価であり、設定や管理が煩雑という問題がある。

もしValveがコンソール型のSteamデバイスを投入すれば、PCゲームの利便性を向上させ、より多くのユーザーが気軽にSteamのゲームを楽しめる環境を提供できるかもしれない。また、ValveはSteam Deckで携帯型ゲーミングPC市場を切り開いた実績があり、今回の新型コンソールも独自の市場を開拓する可能性がある。

特に、SteamOSを採用したコンソールはMicrosoftのWindowsとは異なる環境を提供できるため、独自のゲーム体験が可能になるだろう。これが普及すれば、ゲーム業界におけるOSの多様化が進み、長期的に見るとゲーム開発のあり方にも影響を与えるかもしれない。

さらに、Valveの動向は他のハードウェアメーカーにも影響を与える可能性がある。現在、ゲーミング市場はNVIDIAとIntelが主導しているが、ValveがAMDのRDNA 4を採用することで、AMDの技術力がさらに注目されるだろう。これが成功すれば、他のPCメーカーやコンソールメーカーもAMDのGPUを採用する流れが加速するかもしれない。今後の公式発表に注目が集まる。

Source:TweakTown