Huaweiは、スマートウォッチ「Huawei Watch GT 5 Pro」に対し、ファームウェアバージョン5.0.0.130(SP3C00M02)のアップデートを開始した。この更新により、ワークアウトアプリに新たなフィットネスクラスが追加され、下部ボタンで特定のトレーニングモードへのショートカットが可能となった。
さらに、オフラインマップ機能も強化され、ナビゲーション矢印がリアルタイムで方向を示すようになり、マップ画面をタップすることで北向き表示と進行方向表示の切り替えが可能となった。また、音声入力機能がキーボードに追加され、中国語の音声入力に対応している。
一部の報告では、今回のアップデート後、Huawei Healthアプリ内のウォレットセクションで、Quickoを通じてMastercardをスマートウォッチにリンクするオプションが表示されるようになったとされ、NFC非接触決済機能の提供が近い可能性がある。Huaweiは、昨年この機能を発表したが、正式なリリース日はまだ明らかにしていない。
Huawei Watch GT 5 Proのオフラインマップはどこまで進化したのか
今回のアップデートで強化されたオフラインマップ機能は、従来のナビゲーション機能と比較して大きく進化している。新たにナビゲーション矢印がリアルタイムで方向を示すようになり、より直感的なルート案内が可能になった。
また、マップ画面をタップすることで北向き表示と進行方向表示を簡単に切り替えられるようになり、ユーザーの好みに応じたナビゲーション体験が提供される。特に、アウトドア活動や旅行時にスマートフォンを使わずに現在地を把握したい場合に便利な機能といえる。
この機能改善により、Huawei Watch GT 5 Proは従来のスマートウォッチに見られた簡易的な地図表示を超え、より本格的なナビゲーションツールへと進化している。現在のスマートウォッチ市場では、オフラインマップ機能を持つモデルは限られており、特にリアルタイムでのナビゲーション矢印の表示は貴重なアップグレードといえる。
これにより、スマートフォンと同等の地図体験を求めるユーザーにとって、より魅力的な選択肢となるだろう。一方で、実際の使用感についてはまだ未知数の部分が多い。オフラインマップの精度や更新頻度、バッテリー消費への影響などは、今後のユーザーのフィードバックを待つ必要がある。
また、地図データの保存容量や、特定の地域での対応状況なども気になる点だ。もしHuaweiが今後のアップデートでさらなる精度向上やデータの更新機能を提供すれば、スマートウォッチ市場での競争力は一層高まるだろう。
NFC決済機能の導入は現実的なのか
Huawei Watch GT 5 Proの最新アップデート後、一部のユーザーがHuawei Healthアプリ内でQuicko経由のMastercardリンク機能を発見したことにより、NFC非接触決済機能の追加が期待されている。
すでにNFCチップを搭載しているこのモデルにとって、決済機能の実装は技術的には可能であり、特にスマートウォッチ市場においてNFC決済の需要が高まっていることを考えると、今後の正式発表が待たれる。
現時点では、Huawei側から正式なアナウンスはないものの、過去の製品で見られたように、アップデートによって新機能が段階的に開放される可能性は十分にある。ただし、NFC決済の導入には、各国の決済システムや金融機関との連携が不可欠であり、すぐに広範囲で利用できるとは限らない。
また、中国国内ではすでにHuawei Payが普及しているが、グローバル市場ではGoogle PayやApple Payの影響が強く、Huawei独自の決済プラットフォームがどこまで対応できるのかは未知数だ。仮にHuaweiがこの機能を正式に解禁した場合、スマートウォッチの利便性は大幅に向上する。
特にランニングやジムでのトレーニング時、スマートフォンを持ち歩かずに決済ができる点は、ユーザーにとって魅力的だろう。一方で、決済システムの対応範囲やセキュリティ対策がどこまで整備されるのかも重要なポイントとなる。Huaweiがこの機能を実装する際には、グローバルな金融機関との連携を強化し、対応エリアを拡大することが求められるだろう。
Huawei Watch GT 5 Proは今後どこへ向かうのか
今回のアップデートで、Huawei Watch GT 5 Proはオフラインマップの強化やNFC決済機能の兆候を見せるなど、スマートウォッチとしての実用性を高めている。これまでのHuaweiのウェアラブル製品は、主にヘルスケア機能やバッテリー寿命の長さを強みとしてきたが、今回のアップデートを見る限り、利便性の向上にも力を入れていることがわかる。
特に、オフラインマップの強化はアウトドアユーザーにとって大きな魅力となるだろう。GPS機能と組み合わせることで、登山やサイクリング時のルート案内がより直感的に利用できるようになり、スマートウォッチ単体での活用シーンが広がる。一方で、NFC決済機能の実装が正式に発表されれば、都市部での利用シーンも大きく変わる可能性がある。
これまでスマートフォンを取り出していた場面でも、スマートウォッチだけで決済が完結するようになれば、利便性は格段に向上する。Huaweiが今後もこの方向性を強化するのであれば、AppleやSamsungのスマートウォッチとより直接的に競争することになる。
特に、スマートウォッチ市場では決済機能やヘルスケア機能の充実度が重要な差別化要素となるため、Huaweiがどのような戦略で競争を展開していくのかが注目される。今後のアップデートでさらなる機能強化が進めば、Huawei Watch GT 5 Proはより多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。
Source:NotebookCheck