インテルの最新GPU「Battlemage」シリーズに関する新たな動きが発見された。同社のLinuxドライバ内に、新たに3つの未発表GPUを示すPCI IDが追加されている。このIDは「E21x」とされており、従来の「E20x」とは異なるため、新しいシリコンが採用されている可能性が高い。
これらのGPUは「B380」「B350」「B310」として登場する可能性があり、既存の「Arc B580」「Arc B570」に続く新たなラインナップとなる可能性がある。しかし、これが市販向けの製品なのか、それともOEM向けの特別モデルなのかはまだ不明だ。インテルは既に「Battlemage」シリーズに高VRAMモデルを導入するとの噂もあり、今後の発表に期待が集まる。
新たなBattlemage GPUが示唆する性能の進化とは
インテルがLinuxドライバに追加した新たなBattlemage GPUの情報は、単なる型番変更ではなく、性能面での進化を予感させるものだ。既存のArc B580やB570は、ミドルレンジの市場をターゲットとしていたが、新たに発見された「B380」「B350」「B310」がどのような立ち位置となるのか注目されている。
特に、「E21x」シリーズのIDが従来の「E20x」と異なる点がポイントとなる。これは、単なるリネームではなく、新しいシリコンが採用されている可能性を示しており、より最適化されたアーキテクチャや動作クロックの向上などが期待できる。また、G21チップが搭載される可能性もあり、これは高VRAMモデルへの拡張やメモリバスの最適化が施された設計を意味するかもしれない。
また、過去にリークされた「Battlemage GPUに24GB VRAMモデルが存在する」との情報とも関連性がある。もしこの新モデルがその一部であるならば、インテルはハイエンド向けの新しい展開を見据えている可能性がある。既存のB580が市場で品薄状態になっている点を考慮すると、新たなモデルの登場は多くのユーザーにとって朗報となるだろう。
OEM専用モデルか、それとも一般市場向けか
新たに発見された3つのGPUが実際に市販されるかどうかは、まだ明確ではない。これまでのインテルのGPU戦略を振り返ると、一部のモデルはOEM専用として登場し、一般向けには販売されないケースもあった。特に、ラップトップ向けのArcシリーズではOEMメーカー経由でのみ入手できる仕様が多く、DIY市場には出回らなかった。
この新IDがOEM向けである可能性を示す要因の一つに、モデルのネーミングがある。例えば、従来のDG2-512チップがA700およびA500シリーズに、DG2-128がA300シリーズに展開されたのと同様に、B380やB350が特定のメーカー向けにカスタマイズされて登場する可能性も考えられる。
また、インテルは近年、ノートPC向けやビジネス向け市場にもGPUを提供する動きを強めているため、これらのモデルがワークステーション向けや企業向けPCに搭載される可能性もある。
ただし、これらが一般市場向けにリリースされる可能性も捨てきれない。特に、Arc B580の品薄状態が続いている中、インテルが新たな選択肢を投入することで、より広いユーザー層を取り込む戦略をとることは十分に考えられる。B380やB350がB580の廉価版として登場するのか、それとも新たなGPUラインとして展開されるのか、今後の発表が待たれる。
次世代「Celestial」への布石となるのか
Battlemageシリーズが進化を続ける中、インテルの次世代アーキテクチャ「Celestial」にも注目が集まる。すでに設計が完了しているとされるこのアーキテクチャは、Battlemageを超えるパフォーマンスを実現することが期待されている。
インテルのこれまでの流れを見ると、新アーキテクチャを投入する前に、既存の技術を改良しつつ市場のフィードバックを得る傾向がある。Alchemistではドライバの最適化やソフトウェア対応の問題が指摘されたが、Battlemageではそれらの改善が進められている。今回の新モデルの追加も、その一環である可能性がある。
つまり、Celestialへと移行する前に、Battlemageでより安定したプラットフォームを築く狙いがあるかもしれない。また、Celestialが登場するまでの間に、Battlemageのハイエンドモデルがリリースされる可能性もある。
過去のリーク情報では、Battlemageの最上位モデルはGeForce RTX 4070 Tiクラスの性能を目指しているとされており、これが実現すればインテルのGPU市場における存在感はさらに増すことになる。BattlemageがCelestialへの橋渡しとなるのか、それとも独自の市場を築くのか、今後の展開に注目が集まる。
Source:Club386