Minisforumが新たに発表した「N5 Pro」は、AMD Ryzen AI 9 HX 370を搭載し、最大144TBのストレージ容量に対応する次世代型NASデバイスだ。96GBのDDR5メモリやECCサポートによる高い信頼性、多様なポート構成を備え、マルチタスクやクリティカルなデータ保存にも適応可能である。
SATAベイ5つ、NVMe SSD対応、さらにはUSB 4や10GbEポートを含む数多くの接続オプションにより、ストレージやネットワークの自由な構成が可能。高性能かつ柔軟な仕様は、ストレージ需要が増加する中で新たな選択肢として注目を集めている。
高性能プロセッサとECCメモリがもたらす信頼性と拡張性
MinisforumのN5 Proに搭載されるAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサは、単なる処理性能にとどまらず、高い効率性と柔軟性を実現する。このプロセッサは、従来のNAS向けCPUと異なり、マルチタスク処理や軽度なビデオゲーム、データ分析といった複数の用途で安定したパフォーマンスを発揮することが特徴だ。
さらに、DDR5メモリを最大96GBまで搭載可能で、エラー訂正コード(ECC)にも対応している。ECCのサポートは、データの完全性を確保するために重要であり、特にビジネス環境やクリティカルなストレージ運用において欠かせない要素である。Minisforumによると、ECCメモリは自動的にエラーを検出し修正することで、ストレージデバイスの信頼性を向上させる仕組みだ。
この仕様は、NASの利用シーンが個人から業務用途まで多岐にわたる中で、幅広いユーザー層にとって魅力的といえる。高性能プロセッサとECCメモリの組み合わせにより、N5 Proは信頼性と拡張性の両面で他の競合デバイスを凌駕する可能性を秘めている。
圧倒的なストレージ容量が生み出す自由度
N5 Proのストレージ構成は、最大144TBもの内部容量を提供し、まさに次世代型のNASとして注目されている。このデバイスには、ホットスワップ対応のSATAベイ5つが搭載され、各ベイが最大22TBまで対応可能だ。さらに、最大4TBのM.2 NVMe SSDと、15TBのU.2 NVMe SSDをそれぞれ2台まで追加できる点は、他の多くのNASデバイスにはない強力な仕様である。
外部ストレージについてもUSB 4やOCuLinkなどの多彩な接続オプションが用意されており、用途やニーズに応じた自由な構成が可能だ。この柔軟性は、動画編集やゲームのデータ保存、大量のバックアップといった大容量ストレージを必要とするシナリオにおいて特に強みを発揮する。
また、ホットスワップ対応の利便性により、運用中でも手軽にストレージの追加や交換が行える点は、効率的な作業を求めるユーザーにとって大きなアピールポイントとなる。これらの特徴は、データ保存に対する価値観を大きく変える可能性を持つ。
多様なポート構成が広げるネットワークと周辺機器の可能性
N5 Proは、NASデバイスとしては異例の多様なポート構成を備えている。特に注目すべきは、10GbEおよび5GbEのイーサネットポートがそれぞれ2つ搭載されている点だ。この仕様は、高速ネットワーク環境を必要とするユーザーにとって、大容量ファイルの転送やストリーミングなどをスムーズに行うための鍵となる。
さらに、外部接続用としてUSB 3.2 Gen2 Type-AポートやUSB 4ポート、HDMI 2.0、DisplayPort 2.0など、幅広いデバイスを接続可能なポートが揃っている。PCIe 4.0(4レーン)対応も備えており、ネットワークカードや拡張ボードの追加が簡単に行える点も特筆すべきだ。
このような多様性は、単なるストレージデバイスとしての枠を超え、ネットワーク管理や映像出力、周辺機器の活用など多岐にわたる役割を果たす可能性を秘めている。こうした仕様は、Minisforumが公式発表の中で明らかにした通り、従来のNASデバイスに比べて圧倒的な汎用性を提供しており、用途に応じた幅広い活用を支える重要な要素であるといえる。