折りたたみスマートフォン市場が成長の限界に直面している。ディスプレイ関連のプロダクトに関わるリサーチ会社・DSCC(Display Supply Chain Consultants)のレポート「Foldable Smartphone Market Stalls in 2024 and 2025」によると2024年第3四半期には初の前年同期比での出荷減少を記録し、今後も縮小が続く見通しである。この現象の背後には、メーカーの撤退や販売不振がある。

そんな中、2026年に参入が噂されているAppleが救世主となるのか、注目が集まっている。

出典:DSCC

折りたたみスマートフォン市場は、成長のピークを過ぎて減速に向かうことが危惧されている。2024年第3四半期には、初めて前年同期比での折りたたみディスプレイ出荷の減少が記録された。Display Supply Chain Consultants(DSCC)によれば、この減少傾向は短期的な現象ではなく、2025年にはさらに4%の縮小が見込まれている。2019年から2023年の間、年平均40%の成長を遂げてきた市場だけに、大きな転換点となるかもしれない。

PhoneArenaによれば、市場縮小の要因としてメーカーの撤退が挙げられるとしている。InfinixやTecnoといった小規模ブランドに加え、中国大手メーカーの一部も折りたたみ市場から撤退する可能性が指摘されている。特にBBK Electronics傘下のvivoやOppoがその候補とされており、影響は無視できない。

さらに、主力機種の販売不振が市場全体に波及している。特にSamsungのGalaxy Z Flipシリーズは、ヨーロッパや韓国で一定の人気を維持しているものの、アメリカや中国では期待以下の売れ行きとなっているとのことだ。

Apple参入が折りたたみスマホ市場に与える影響

一方で、Appleが2026年に予定すると噂されている折りたたみiPhoneの投入は、停滞する市場に大きな影響を与えると予測されている。同社がこれまで培ったブランド力や技術力は、既存市場に新たな刺激をもたらす可能性がある。

MacRumorsの報道によれば、ディスプレイアナリストのロス・ヤング氏は、Appleの参入により折りたたみ式市場が2026年に30%以上成長し、その後2027年と2028年も20%の成長が続くと予想している。

Appleが市場に参入することで、他社にはないユーザーエクスペリエンスが期待される。Apple製品への高い信頼性が、従来折りたたみデバイスに興味を持たなかった消費者層を取り込む鍵となる可能性がある。

参考
DSCC : Foldable Smartphone Market Stalls in 2024 and 2025
MacRumors : Apple’s 2026 Foldable iPhone Could Reinvigorate Stalling Market
PhoneArena : Suddenly troubled foldable phone market needs a hero and one is coming