Intelの未発売のCore Ultra 5 225FがGeekbenchに登場し、Core i5-13600とほぼ同等の性能を持つことが確認された。Core Ultra 5 225Fは、シングルコアで2,653ポイント、マルチコアで13,028ポイントを記録し、6つのPコアと4つのEコアを搭載している。

これに対し、同シリーズの上位モデルCore Ultra 5 245Kとは、シングルコア性能で約16%、マルチコア性能で44%の差があることが分かった。また、Core i5-14400Fと比較すると、225Fは13%の性能向上を見せたが、AMDのRyzen 7 9700XやRyzen 5 9600Xには大きく遅れを取っている。Intelは今後、Arrow Lakeで性能改善を予定している。

Core Ultra 5 225FとCore i5-13600の性能比較の細かい違い

Intelの新しいCore Ultra 5 225Fと、競合するCore i5-13600の性能には、非常に似た傾向が見られる。両者はシングルコアおよびマルチコア性能においてほぼ互角であり、GeekbenchスコアでわずかにUltra 5 225Fが優位を示すにとどまる。ただし、その差はわずかであり、実際の使用環境ではほとんど体感できない可能性が高い。

Core Ultra 5 225Fは6つのPコアと4つのEコアを搭載しており、最大4.887GHzで動作する一方、Core i5-13600は同じく6つのパフォーマンスコアを持ち、12スレッドで処理を行う。これにより、同じコア数でも効率的に処理が分散される点でCore Ultra 5 225Fは少しだけ有利に見える。しかし、差はわずかで、実際の性能差は多くのユーザーにとってほとんど意味を成さない可能性が高い。

一方、マルチコア性能に関しては、Ultra 5 225FがCore i5-13600に対して少しだけ優れているが、これもわずかな差であり、特に実際の作業で顕著に差を感じることは少ないだろう。両者はほぼ同等のパフォーマンスを提供し、使用目的やアプリケーションによっては、ユーザーの選択に大きな影響を与えない。

Core Ultra 5 225Fの性能差とその背景

Core Ultra 5 225Fが示す性能差には、いくつかの重要な要因が絡んでいる。特に注目すべきは、同じシリーズ内での上位モデルとの比較結果だ。Core Ultra 5 245Kと比較すると、シングルコア性能では16%、マルチコア性能では44%も劣ることが明らかとなった。これほどの性能差が発生する理由には、Core Ultra 5 225Fが搭載するコア数やスレッド数が少ないことが影響していると考えられる。

一方で、Intelは新しいアーキテクチャにおいて、効率的なコアとスレッドの活用を目指しており、特に高負荷時にどれだけ処理を分散できるかが鍵となる。

性能差がここまで広がる背景には、Ultra 5 225Fがターゲットとしている市場の低価格帯があると考えられる。性能よりもコストパフォーマンスを重視した設計となっており、パフォーマンス重視のユーザーには上位モデルを選ばせることを意図している可能性がある。

また、インテルの次期プロセッサ「Arrow Lake」が性能を大幅に向上させることが期待されているため、これが現行モデルのパフォーマンスギャップを埋める鍵となるかもしれない。Arrow Lakeが導入されることで、性能差が縮まる可能性があるが、それまでの間はユーザーが選択するモデルにとって、性能と価格のバランスが重要な要素となる。

AMDとの競争状況とその影響

Core Ultra 5 225Fの競合相手として、AMDのRyzenシリーズが強く挙げられる。特に、Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600Xは、シングルコアおよびマルチコア性能において、Core Ultra 5 225Fよりも大きく優位に立つことが確認されている。Ryzen 7 9700Xは、シングルコアで29%、マルチコアで38%も速い結果を示しており、Core Ultra 5 225Fが競争力を発揮するには、もう少し性能向上が必要だ。

AMDのチップが強みを持つ理由には、より高いクロック周波数や、より多くのキャッシュメモリを活用したアーキテクチャがある。また、AMDは現在、製造プロセスやクロック速度の最適化を進めており、その結果、CPU全体のパフォーマンスが向上している。これにより、Core Ultra 5 225Fは現在の市場では競争力を欠いている部分があり、特に価格帯においてより強力な競争相手が存在している。

それでも、IntelはArrow Lakeや次世代の製品により、競争優位性を取り戻すことを目指している。今後の製品ラインナップによって、AMDの優位性に対抗するための新たな戦略が発表される可能性が高く、これによって市場における競争の構図が大きく変わるかもしれない。