PlayStationの新型コンソール「PS5 Pro」のベンチマーク結果が明らかになり、その性能が期待に応えるには不足があることが浮き彫りになった。PC向けの4年前のGPU「RX 6800」と比較すると、価格が倍以上であるにもかかわらずPS5 Proは劣勢を示し、エルデンリングでのプレイ時にフレームドロップやカクつきが目立った。
特に「Game Boost」機能を用いて4K画質で60 FPSを維持しようとするも安定性には欠ける結果となり、同GPUを搭載するPCがよりスムーズなプレイを実現している。
一方でPS5 Proは従来のPS5より向上しているものの、PCユーザーにとってはゲーミングPCと比較して魅力に乏しい面がある。PS5 Proの販売価格700ドルに対し、同等の性能を有するPCは同価格帯で構築可能であり、さらなる柔軟性を提供するため、コンソール派とPC派の選択はますます難航する状況となった。
PS5 Proの「Game Boost」機能とその限界:4K画質で求められる安定性
PS5 Proの新機能である「Game Boost」は、高解像度での滑らかなプレイを目指し、フレームレート向上を期待させるものである。Digital Foundryによる検証では、エルデンリングを4K解像度でプレイする際、PS5 Proが60 FPSを目標にしつつもその維持には限界があることが確認された。
ゲームプレイ中、安定性が揺らぎ、フレームドロップやスタッターが発生しやすい状況が報告されており、快適なプレイを求めるユーザーにとっては一つの課題として浮上している。
また、PS5 Proの「Game Boost」機能がもたらすパフォーマンス向上は、PS5初代機と比較すれば一定の進化が見られるものの、ゲーミングPCのRX 6800を用いたプレイ環境に対しては劣るという現実がある。RX 6800はコンソールバージョンと同等の設定でエルデンリングを4Kプレイする際、60 FPSを安定して維持できる性能を発揮しており、スタッターが少なく、スムーズな体験を提供する。
これに対して、PS5 Proが掲げた目標である4K画質での安定性とパフォーマンス向上は、まだ改善の余地があると言えよう。
コンソール派とPC派の選択:柔軟性とコストのバランスを巡る議論
PS5 Proは、700ドルという価格設定で発表され、パフォーマンス向上に加え利便性の高いプラットフォームを提供するが、PC派とコンソール派の選択においては一つの分岐点となり得る。PC Guideによれば、PS5 Proと同等の価格帯でRX 6800を用いたゲーミングPCを構築することが可能であり、ゲームプレイにおける柔軟性も手に入れられる。
特に、カスタマイズ性を重視するゲーマーにとってPCの優位性は明確で、グラフィック設定の細部調整や将来的なパーツ交換によるアップグレードが行いやすい点は大きな魅力である。
ただし、コンソールにはセットアップの容易さと手軽さがある点も忘れてはならない。PS5 Proの一貫したパフォーマンスは、複雑な設定を必要とせず、テレビに接続するだけで高画質のゲーム体験を提供するため、特にPCの構築や設定に不慣れなユーザーにとっては依然として魅力的な選択肢といえるだろう。
しかし、ハードウェア性能が過去のPC機器に届かないという点が今後の競争力にどう影響するかは注目されるところである。
PS5 Proの高価格帯が及ぼす影響と消費者の期待とのギャップ
PS5 Proは従来機よりも性能を強化したものの、700ドルという高額な価格設定に対して、性能面での期待に完全には応えていないと感じるユーザーが少なくない。デジタルファウンドリのベンチマーク結果からも明らかなように、PS5 Proのパフォーマンスは依然としてRX 6800に追いつかず、4Kでの安定したゲーム体験にはやや課題があるとされる。
さらに、縦置きスタンドやディスクドライブが別売りとなることで、実際の総額はさらに増加する点も購入を検討する上での負担となっている。
PC Guideは、PS5 Proの価格帯に対して、PCパーツを自分で選べる場合、同等かそれ以上の性能を持つゲーミングPCの構築が可能であることを指摘しており、価格と性能のバランスに対する消費者の期待と現実のギャップが露呈している。
このギャップは、コストに見合う価値を求めるユーザーにとって今後の大きな決断材料となるだろう。PS5 Proの性能がさらに改善されない限り、コストパフォーマンスに厳しいユーザーにとっては魅力が薄い選択肢になりかねない。