Samsungの最新ソフトウェア「One UI 7」の正式リリースが大幅に遅れることが確定し、多くのユーザーに影響を及ぼしそうだ。Samsung Koreaは、安定版の提供が4月中旬から下旬になる可能性があるとし、第4回ベータ版の公開を間もなく予定していると発表した。しかし、これによりGalaxy S24シリーズを含む複数のデバイスがアップデートを待たされる状況が続く。

さらに、Galaxy Z Flip 7やGalaxy Z Fold 7向けの「One UI 7.1」の開発時間が確保できない可能性があり、代わりにマイナーアップデート版の「One UI 7.0.1」が搭載される見込みだ。一方で、2月20日発売のエントリーモデル「Galaxy F06」には、先行して「Core」バージョンのOne UI 7が適用される予定であり、この優先順位の逆転に戸惑うユーザーも少なくないだろう。

安定版の提供が遅れる中で増える不満と懸念

SamsungはOne UI 7の正式リリースを4月中旬から下旬に予定しているが、これにより一部のユーザーにとっては想定以上の待機時間が発生している。特にGalaxy S24シリーズの購入者にとっては、最新ハードウェアを手に入れたにもかかわらず、ソフトウェアの最適化が不十分な状態での使用を強いられることになる。ベータ版の段階ではバグが多く、日常使用において安定性に欠けるという声も少なくない。

さらに、One UI 7のリリース遅延は、他のGalaxyデバイスのソフトウェアアップデートにも影響を及ぼしている。たとえば、Galaxy S24 FEのリリースが3月末と予想されているが、その時点でOne UI 7が正式に配信されるのかは不透明な状況にある。これにより、新機種が旧バージョンのUIで出荷される可能性も指摘されており、ユーザーの期待を大きく裏切る結果となりかねない。

この状況の中で、Samsungがベータ版のフィードバックを活かしてより安定したOSを提供できる可能性もある。しかし、それと引き換えに、最新機種の購入を検討していたユーザーが躊躇する要因となるのは避けられない。スマートフォンのUIは体験全体に直結するため、正式版の提供が遅れることで、ハードウェアの魅力が十分に発揮されない懸念がある。

One UI 7.1が見送りか 遅延による次世代モデルへの影響

One UI 7の安定版リリースが延期されたことで、これまでのサイクル通りであれば登場するはずのOne UI 7.1の開発にも影響が出ている。特に折りたたみスマートフォンであるGalaxy Z Flip 7やGalaxy Z Fold 7の登場時期とソフトウェアバージョンに関する情報が錯綜しており、これらのデバイスが「7.1」ではなく「7.0.1」で出荷される可能性が高まっている。

折りたたみモデルはSamsungにとって重要なカテゴリーであり、新機能の追加や最適化が期待されている。特に、マルチタスク機能やFlex Modeの強化など、ハードウェアとソフトウェアの連携が求められる部分が多い。しかし、One UI 7.1の開発が進まなければ、これらの改善が見送られる可能性があり、新モデルの魅力が半減することにつながりかねない。

また、今回の遅延により、Samsungのソフトウェア開発スケジュール全体にも影響が及んでいる。今後予定されているAndroid 15ベースのOne UI 8への開発リソースが圧迫されることが懸念され、次期アップデートの提供ペースが鈍化する可能性もある。こうした遅延の連鎖が続けば、Samsungが強みとしてきた長期的なOSサポートの信頼性にも影響を与えるかもしれない。

エントリーモデルに先行搭載されるOne UI 7の意外な展開

興味深いことに、Samsungは2月20日に発売予定の「Galaxy F06」に、One UI 7の「Core」バージョンを搭載することを決定している。これは、より高性能なフラッグシップモデルが正式なアップデートを受ける前に、エントリーモデルが新しいUIを利用できるという逆転現象を生んでいる。

「Core」バージョンはフル機能版とは異なり、一部の高度な機能が省かれているものの、デザインや基本的なユーザーエクスペリエンスはOne UI 7の特徴を備えている。そのため、低価格モデルのユーザーはフラッグシップモデルよりも早く新しいUIを体験できることになる。この優先順位に関して、Samsungがどのような意図を持っているのかは明らかではないが、一部のユーザーからは「なぜハイエンドモデルが後回しなのか」と疑問の声も上がっている。

この動きが示唆するのは、Samsungがエントリーモデル市場に対する戦略を強化している可能性だ。ハイエンドモデルのユーザーは比較的長期にわたり最新のソフトウェアを利用できるが、エントリーモデルのユーザーは短いサポート期間の中で最新の体験を味わう機会が限られている。今回の先行アップデートは、エントリーモデルの魅力を高めるための一手とも考えられる。

しかし、一部のハイエンドユーザーからの反発を招くリスクもある。特にGalaxy S24シリーズの購入者にとっては、新しいデバイスを入手したにもかかわらず、最新のUIが適用されるまでの待機時間が長引くことで、満足度が低下する可能性がある。Samsungが今後どのようにユーザーの不満に対応するのかが注目される。

Source:PhoneArena