AMDの2025年CES発表予定製品が大規模にリークされた。次世代のRDNA 4 GPUを中心に、ノートPC向けCPUや携帯型ゲーム機用APU、デスクトップ向けの強力なプロセッサーが一挙に公開され、ユーザーの期待を一層高める内容となっている。

中国のフォーラム「Chiphell」で公開されたこのリークにより、AMDの「Ryzen AI Kraken Point」や「Ryzen AI Max 300(Strix Halo)」など、最新のノートPC用APUが初公開された。これらはAI処理やグラフィックス性能での大幅な向上を見込んでおり、QualcommのSnapdragon X EliteやNvidiaのRTX 5000シリーズに対抗する布陣とされる。

特に「Kraken Point」はRDNA 3.5アーキテクチャを搭載し、薄型ノートPCでも高性能を実現する可能性があると噂される。また、Ryzen 9 9950X3DやRDNA 4 GPUといったデスクトップ向け製品も控えており、Nvidiaに対抗しうる高いパフォーマンスが期待されている。AMDは次世代技術を次々と投入し、2025年の市場での存在感をさらに高める構えだ。

Ryzen AI搭載の「Kraken Point」のAI処理能力は競合を上回るか

AMDが2025年に発表予定の「Ryzen AI Kraken Point」は、ノートPC向けに設計された新たなAPUであり、RDNA 3.5アーキテクチャと8つの計算ユニットを搭載するとリークされている。このRyzen AIシリーズは、AI技術を駆使し、複雑なタスクや高度なグラフィックス処理を容易にすることが期待されている。特に、AIによるタスクの最適化やバッテリー効率の向上など、次世代のノートPCに必要とされる革新が導入される見通しである。

Kraken Pointの目玉は、QualcommのSnapdragon X Eliteに対抗するべく設計された点にある。QualcommのSoCがノートPC市場で勢力を広げつつある中、AMDの新しいAPUはAI処理や演算能力で競合を超える可能性を秘めている。AMDの公式発表が待たれるが、RDNA 3.5をベースにしたこのチップの登場は、超軽量ノートPCでも高度なゲーミング体験が可能になるという期待を抱かせる。薄型・軽量化と性能向上の両立という課題をクリアすることで、ノートPCの選択肢がさらに広がるだろう。

AMDのリサ・スーCEOがPCWorldでRDNA 4の早期発売を確認していることもあり、AMDがこの技術を市場に迅速に投入する意欲が見て取れる。新たなRyzen AIシリーズは、CPUの革新だけでなく、AIとグラフィックスの融合がPC市場のトレンドを変えうる可能性を示している。

ゲーミング特化APU「Strix Halo」がもたらす次世代体験

AMDの次世代ゲーミングAPU「Strix Halo」(Ryzen AI Max 300)は、16のZen 5コアと40のRDNA 3.5計算ユニットを搭載し、Ryzenシリーズで最高レベルのパフォーマンスを目指している。このAPUは、ゲーミングノートPCの需要が高まる中で、新しいゲーム体験を提供することを目標に設計されている。具体的には、より高度なAI処理と圧倒的なグラフィックス性能により、リアルタイムでのレイトレーシングや4K解像度でのスムーズなフレームレートが期待されている。

さらに、Strix Haloには3つのバリエーションがあり、16コアの「395」、12コアの「390」、そして8コアの「385」といったラインアップが揃うとされる。Golden Pig Upgrade氏がリークした情報によれば、これらの異なるモデルは、用途や予算に応じた多様な選択肢を提供し、幅広いユーザー層に対応する戦略の一環と考えられる。また、Strix Haloが標準でAIプロセッサーを搭載することにより、AIを活用したリアルタイムのゲームパフォーマンス最適化も可能になるかもしれない。

このAPUがNvidiaの新しいグラフィックス技術とどのように競合するかは未知数だが、AMDが独自のアプローチでゲーミング市場でのシェア拡大を狙うことは明白である。Strix Haloによって、今後のゲーミングPCの仕様はAI搭載が当たり前となる時代が到来するかもしれない。

携帯型ゲームデバイスを強化するRyzen Z2 Extremeの可能性

携帯型ゲームデバイス市場では、AMDのRyzen Z2 Extremeが注目されている。Ryzen Z2シリーズは、新たにRDNA 3.5 GPUコア16基とZen 5 CPUコア8基を搭載するとされており、この構成により、携帯型デバイスでのゲーム体験が大幅に向上することが予測される。Golden Pig Upgrade氏が中国のソーシャルメディアBilibiliで示唆したように、Ryzen Z2 Extremeは従来のAPUに比べ、処理能力とエネルギー効率の面で一段と優れたパフォーマンスを提供することが見込まれている。

このチップが実装されれば、バッテリー効率を損なうことなく、高画質のゲームプレイが可能になるとされ、特に外出先でも快適なゲーム体験が求められるユーザー層に響く製品となり得る。また、Steam Deckなど既存の携帯型デバイスで見られるRDNA 2グラフィックスが、次世代のRDNA 3.5へと進化することで、ゲーム画質や動作の滑らかさが飛躍的に改善されるだろう。

AMDは携帯型ゲーム機向けに最適化されたAPUを提供することで、成長するこの市場での影響力を強化しようとしている。AMDの携帯型ゲーム機への参入が市場に与える影響が大きくなる中、Ryzen Z2シリーズはゲーム専用機と同等のスペックを手元で体験できる時代を予見させるものといえよう。