MicrosoftはWindows 11の大規模アップデート「24H2」を正式にリリースした。今回のアップデートには、Android端末との連携強化や、エナジーセーバーモードといった新機能が含まれており、ユーザー体験をさらに快適にする内容が詰まっている。各機能を試し、Windows 11の利便性を存分に活用してみたいところだ。

Androidとの連携強化:Phone Linkが進化

Windows 11の24H2アップデートで、Androidユーザー向けのPhone Link機能が大幅に強化された。これまでWindowsではスマホ通知の確認や簡易的な連携のみが可能だったが、今回のアップデートでテキストメッセージの送受信や、スマホ内のファイル参照、バッテリーや接続状態の確認がPC上でできるようになった。この強化により、PCとスマホのシームレスな連携が可能となり、iPhoneとMacのような統合体験に近づいている。

さらに、Android端末をWebカメラとして利用することも可能になった。設定はBluetoothとデバイスメニューから行えるため、ビデオ通話やオンライン会議の際にもAndroidスマホのカメラを活用できるのが大きな利点である。この機能は特に出張やカフェなどの外出先でPCとスマホを効率的に活用したいユーザーにとって、利便性を大幅に向上させるだろう。

一方、iPhoneユーザーにとってはまだ完全な機能には対応しておらず、基本的な通知表示にとどまっている。今後のアップデートでiPhone向けの改善が期待されるが、現時点ではAndroidユーザーに大きな恩恵をもたらすアップデートであると言える。

クイック設定が拡充し利便性向上

Windows 11の24H2アップデートでは、クイック設定メニューが大幅に改良され、より直感的な操作が可能になっている。これまではWi-Fiアイコンをクリックすることで限られた設定項目しか表示されなかったが、新しいクイック設定では、スクロール式のページ表示が導入され、追加のオプションに簡単にアクセスできるようになった。これにより、ユーザーは複数の設定ツールに迅速にアクセスでき、効率的な作業環境が実現されている。

加えて、新たに「エナジーセーバーモード」もこのクイック設定からワンタッチで切り替え可能となった。これにより、PCの消費電力を簡単に管理でき、特にモバイルワーク環境ではバッテリー寿命を最適化するのに有用である。デスクトップユーザーにも適用可能であるため、家庭での省エネ対策にも貢献する機能だと言える。

この拡充されたクイック設定メニューは、頻繁に設定を変更するユーザーにとって大きな利便性を提供しており、今後もさらなる改善が期待される。

電力節約を可能にする新しいエナジーセーバーモード

今回の24H2アップデートでは、「エナジーセーバーモード」という新しい省エネ機能が追加された。この機能は、従来のバッテリーセーバー機能を改良し、ラップトップに限らずデスクトップでも利用可能になっている。エナジーセーバーモードを有効にすると、画面の輝度が低減されるほか、バックグラウンドでのアプリの活動も制限されるため、電力消費が最小限に抑えられる。

設定メニューの「システム」>「電源とバッテリー」からこのモードを詳細に調整できる。これにより、使用環境に応じて電力消費を微調整でき、長時間の使用や省エネが求められる場面で特に役立つ。Microsoftの持続可能な取り組みの一環として開発されたこの機能は、エコロジー意識の高いユーザーにとっても魅力的な選択肢である。

また、簡単な操作でオン・オフが可能なため、瞬時に省エネモードに切り替えられる点も大きな利点だ。PC全体の電力管理がしやすくなり、デバイスの寿命を延ばしながらエネルギー効率を向上させる実用的な機能であると言える。

ファイルエクスプローラーが多機能化

Windows 11のファイルエクスプローラーにも今回のアップデートで便利な機能が追加された。従来はZIP形式のみの圧縮に対応していたが、24H2アップデートではTARおよび7z形式にも対応し、ユーザーはWindows標準機能で様々な形式のファイル圧縮・解凍が可能となった。この変更により、外部の圧縮ソフトを利用する必要が減り、利便性が大幅に向上した。

さらに、ファイルエクスプローラーのコンテキストメニューも改善されている。カット、コピー、削除などの操作ボタンにテキストラベルが追加され、視覚的にわかりやすくなったことで、操作に迷うことが少なくなった。特に初心者ユーザーにとって、直感的な操作が可能になり、Windowsを快適に利用できるよう工夫されている。

このほかにも、細かな改善が施されており、日常的なファイル管理がスムーズになることで、作業効率が向上している。これらの新機能は、従来のWindowsユーザーだけでなく、新たにWindows 11を導入するユーザーにとっても大きな魅力となるだろう。