中国メーカーGPDから新たに登場したゲーミングハンドヘルド「GPD Win Max 2 2025」は、外付けグラフィックスカードが接続可能なOCuLinkテクノロジーを採用した注目のデバイスである。AMD Ryzen AI 9 HX 370 APUやRadeon 980M GPUを搭載し、コンパクトなハンドヘルドながら1080pのゲームプレイを実現する性能を誇る。
また、10.1インチタッチスクリーンや内蔵キーボード、ゲームパッドコントロールを備えた2-in-1デザインは、携帯性と高機能を兼ね備えている。64GBのLPDDR5X RAM、最大2TBのストレージ、最新の通信規格にも対応し、ポータブルデバイスとしての完成度も高い。
本体重量約1kgと軽量でありながら、高性能外付けGPUに対応するなど、従来のハンドヘルドにはない拡張性を提供。価格は約21万円と高額ながらも、ゲーミングPCの未来を示唆する一台として注目を集めている。
新たな可能性を示すOCuLinkテクノロジーの拡張性
GPD Win Max 2 2025が採用したOCuLinkテクノロジーは、ポータブルデバイスに革命をもたらす可能性を秘めている。この技術は、外部PCIeデバイスを直接接続するための標準であり、Nvidia GeForce RTX 4090のような最先端の外付けグラフィックスカードを利用可能にする。これにより、ハンドヘルドサイズのデバイスでありながら、デスクトップPC並みのグラフィック性能を発揮できるようになる。
最新規格であるPCIe 4.0の8レーン接続をサポートしており、フル16レーンには及ばないものの、高性能GPUを駆動するには十分な帯域幅を提供する。また、Thunderbolt対応のGPUエンクロージャーをUSB 4.0経由で利用可能であり、多様な環境に対応できる柔軟性が特徴だ。この技術はまだ市場での普及が進んでいないが、GPDのような革新的な製品が登場することで認知度が高まり、今後の標準となる可能性もある。
一方で、外付けGPUを活用するためには専用エンクロージャーが必要であり、コスト面や設置の手間が課題となるだろう。しかし、これらを乗り越えることで、ゲーミングのみならずクリエイティブ用途にも広がる新たなワークフローを生み出す可能性を秘めている点が興味深い。
ハンドヘルドの枠を超える2-in-1デザインの魅力
GPD Win Max 2 2025のデザインは、従来のハンドヘルドとは一線を画している。10.1インチのタッチ対応ディスプレイと内蔵キーボード、ゲームパッドコントロールを組み合わせた構造は、まるでミニゲーミングラップトップのようである。重量約1kgという軽量設計ながら、デバイスの操作性と携帯性のバランスを巧みに保っている点が特徴だ。
特筆すべきは、ゲームパッドコントロールがキーボードの上に配置されている点である。これにより、ゲームプレイとタイピングをシームレスに切り替えることが可能だ。また、大型ディスプレイはハンドヘルドとしては珍しく、ゲームだけでなく動画視聴やビジネス用途にも対応できる柔軟性を提供する。
この2-in-1デザインは、ユーザーが状況に応じてラップトップとしてもハンドヘルドとしても使用できるという利便性を生み出している。こうした設計思想は、競合するAsus ROG Ally XやSteam Deckとは異なる独自性を強調しており、特に多用途デバイスを求めるユーザー層に強く訴求するだろう。
高額価格設定が示すプレミアムデバイスとしての立ち位置
約21万円という価格設定は、ハンドヘルドデバイスとしては極めて高額だ。競合製品と比較すると、例えばAsus ROG Ally Xよりも数百ドル高く、容易に手が届く価格とは言えない。しかし、この価格にはGPD Win Max 2 2025が提供する高性能スペックと多機能性が反映されている。
64GBのLPDDR5Xメモリや最大2TBのストレージオプションは、デバイスのポテンシャルを引き出すための重要な要素であり、他のハンドヘルドデバイスでは見られないレベルのハードウェア性能を誇る。また、Bluetooth 5.3やWi-Fi 6Eといった最新の通信規格対応も、ユーザーエクスペリエンスを向上させる一因となっている。
高額であることは事実だが、このデバイスは単なるハンドヘルドの枠を超えた存在であり、ゲーミングPCやポータブルワークステーションの可能性を探る一台として位置づけられる。今後、こうしたデバイスが市場でどのような評価を受けるかは、ユーザーがその価値をどれだけ認めるかにかかっているだろう。